悪びれる様子もなく、そんなことを言い、
手に持つそれを、女子の輪の中に放る。
「きゃーーーー!!!!」
今日一番の悲鳴、分散する女子。
誰もいなくなったそこに、ポトリと落ちる枝。
そんな光景を、気にする様子もなく、
黙々と自分のペースで、脱いだそれを着ていくノリ。
…、ようやく、元のノリに戻った。
トントン。
両方の靴も履き終えると、ノリは、
誰かに何を言うこともなく、口をつぐんだまま、
ゆっくりと、何処へともなく、歩いて行く。
しばし無言で、そんなノリの背中を見つめるみんな。
…と、
「おい、さすがにやり過ぎたんじゃね?」
誰かが鹿島にそう言う。
「え?…いや、でも、
大野も負けたらそうするって、俺に言い切ったし、
一応合意の上だぞ。」
「まぁ、そうだけど。
…そうなんだよな。」
「おう。」
そう、だけど、そうなんだろう…、けど…
「そうだ、小池、慰めてきてやれよ。」
…へっ!?
「そうだな、それがいい。
小池頼むわ。」
急な名指しと、一斉に向けられる慣れない視線に、
僕は思わず狼狽えてしまう。
「ってか、何ちんこ触ってんだよ血管外科醫生
。」
!?
「…あ、まさか、
大野の素っ裸見て興奮しちゃったんじゃね。」
!?
「なんだ、ダーリンのおちんちん見るの、
初めてだったのか。」
「あらま~、勃っちゃったか、乙女だね~。」
…っ!!!
「え、なになにどう言うこと?」
「いや、なんかね噂だと…」
ざわつき始める周囲。
……っ、うっ、僕…、どうすれば……、
の、…ノリ……ッ!!!
僕は、この場にいることだけは出来ず、
顔を伏せ、アソコを押さえながら、空氣清新機
アスファルトの段差へ。
ランドセルを、ノリのも合わせて2つ掴んで、
逃げるようにその場を離れる。
「うっそぉーー。」
「あっはははは。」
背中に、視線と笑いと驚きを無数に感じながら、
僕は、ノリのいる何処かへ向かって、走った無激素凍肉。