『風林火山』の全体的な感想。まず、こんなに毎回ドキドキしながら熱心に観たのは『新撰組!』以来かもしれない。勘助や他のキャラを大好きになれたし、何よりシナリオが秀逸だった。人の複雑な感情を丁寧に上手く描写していたし、小道具の使い方に感心することが多々あった。
最後まで観て思ったのは、この勘助は前大河ドラマ『功名が辻』の一豊とは対極にある主人公だということ。これは序盤でも思った。一豊は最初から守るべき大事なものを持っていた。家族や家名や家臣、のちに伴侶や子供も。それらを守るために必死に生き、自分の信念に従って忠義を貫いた。誠実で潔癖でお人好しで家族や家臣を大事にし、それを妻が全力で支えた。そんな人間の美徳を描いた『功名が辻』は理想的で眩しかった。一方勘助には何もなかった。『異形』というハンデを背負い、身内からは疎まれ、家も家族もなく、仕える主君もいない。守るものは無く、そして守る余裕も無く、ただハンデを撥ね退ける為に『はかりごと』で世を渡り歩く。それだけでも一応生きていけるけど、それだけでは虚しい。そんな勘助が変わるきっかけを与えたのがミツだった。ミツと出会って勘助は、人から向けられる感情や、人と関わり共にいることを教えてもらったのだと思う。ここでやっと一豊が最初から持っていたものを勘助も手に入れられた。そしてすぐ失った。
ドラマのストーリーから目が離せなくなったのはやはりミツが死んでから。恨みに駆られる勘助に、晴信や板垣や平蔵が様々な影響を与えていき、勘助も少しずつ変わっていく。晴信や由布姫に尽くすようになったのは、そうすることでやっと『生きる』ことができたからだと思う。何も持たない勘助は、自分に向けられたほんの少しの感情や、少しでも心を揺さぶられた出来事をかき集めて、大事なものを作っていくしかなかったのだろう。時に愚かな晴信や由布姫を支えることは勘助にとっての救いだった。勘助のそんな人生はちょっと切なくて最後まで目が離せなかった。もしかしたらこれまで観た大河ドラマの主人公で一番好きなのは勘助かもしれない。
勘助以外の人たちも大好きになれた。一番最初に「うわあ、かっこいい」と思ったのは板垣。ほんとに一人オーラが違ってた。画面にいるだけですごい存在感と安心感。晴信はもう一人の主役だった。若い頃の未熟な晴信も好きだった。由布姫は重要な役どころだったと思う。三条夫人との対比としてだろうか、未熟で我が侭で、当時としては奇抜な性質の姫で、思い通りにならない立場の中で必死にもがいていた。だからこそ勘助の救いになったのだと思う。
平蔵は勘助との対比だった。晴信に出会った勘助とは違い、恨みだけが残ってそれが原動力となってしまい、不運も手伝って行く先々で武田に負かされることに。大事なものの為に命をなげうった勘助とは逆に、平蔵は大事なものの為に「戦はもうごめんだ」と生きのびようとした。そういう生き方もこの時代には大事だと思う。国や主に尽くすのもいいけど、『国』なんて住んでる場所でしかない、家族が一番と思う平民だっている。
『風林火山』の後半を大いに支えた長尾景虎。個性強烈なんで勘助を押しのけてしまうことがしばしば(笑)。ここにガクトを持ってきたのは英断だったのではないだろうか。絵的にすごい。飲まれてしまう。
他にも真田夫妻や伝兵衛や駒井とか、相木や小山田や北条氏康とか、好きなキャラが多すぎて困ります。
視聴率はその回によって色々と上下していたらしいけど、私は毎回一喜一憂していたので、とくにつまらない回というのはなかった。けどやっぱり面白かったのは『信虎追放』のあたり。もんのすごいドキドキしながら観てた!これは信虎の憎憎しい演技の賜物だろうな。悪役って大事(笑)。あとは板垣討ち死にとか、真田の話とか。あれ?もちろん勘助中心の回も好きなんですけど(笑)。とにかく一年間楽しませてもらいました。『風林火山』の俳優とスタッフの方々に感謝します。
最後まで観て思ったのは、この勘助は前大河ドラマ『功名が辻』の一豊とは対極にある主人公だということ。これは序盤でも思った。一豊は最初から守るべき大事なものを持っていた。家族や家名や家臣、のちに伴侶や子供も。それらを守るために必死に生き、自分の信念に従って忠義を貫いた。誠実で潔癖でお人好しで家族や家臣を大事にし、それを妻が全力で支えた。そんな人間の美徳を描いた『功名が辻』は理想的で眩しかった。一方勘助には何もなかった。『異形』というハンデを背負い、身内からは疎まれ、家も家族もなく、仕える主君もいない。守るものは無く、そして守る余裕も無く、ただハンデを撥ね退ける為に『はかりごと』で世を渡り歩く。それだけでも一応生きていけるけど、それだけでは虚しい。そんな勘助が変わるきっかけを与えたのがミツだった。ミツと出会って勘助は、人から向けられる感情や、人と関わり共にいることを教えてもらったのだと思う。ここでやっと一豊が最初から持っていたものを勘助も手に入れられた。そしてすぐ失った。
ドラマのストーリーから目が離せなくなったのはやはりミツが死んでから。恨みに駆られる勘助に、晴信や板垣や平蔵が様々な影響を与えていき、勘助も少しずつ変わっていく。晴信や由布姫に尽くすようになったのは、そうすることでやっと『生きる』ことができたからだと思う。何も持たない勘助は、自分に向けられたほんの少しの感情や、少しでも心を揺さぶられた出来事をかき集めて、大事なものを作っていくしかなかったのだろう。時に愚かな晴信や由布姫を支えることは勘助にとっての救いだった。勘助のそんな人生はちょっと切なくて最後まで目が離せなかった。もしかしたらこれまで観た大河ドラマの主人公で一番好きなのは勘助かもしれない。
勘助以外の人たちも大好きになれた。一番最初に「うわあ、かっこいい」と思ったのは板垣。ほんとに一人オーラが違ってた。画面にいるだけですごい存在感と安心感。晴信はもう一人の主役だった。若い頃の未熟な晴信も好きだった。由布姫は重要な役どころだったと思う。三条夫人との対比としてだろうか、未熟で我が侭で、当時としては奇抜な性質の姫で、思い通りにならない立場の中で必死にもがいていた。だからこそ勘助の救いになったのだと思う。
平蔵は勘助との対比だった。晴信に出会った勘助とは違い、恨みだけが残ってそれが原動力となってしまい、不運も手伝って行く先々で武田に負かされることに。大事なものの為に命をなげうった勘助とは逆に、平蔵は大事なものの為に「戦はもうごめんだ」と生きのびようとした。そういう生き方もこの時代には大事だと思う。国や主に尽くすのもいいけど、『国』なんて住んでる場所でしかない、家族が一番と思う平民だっている。
『風林火山』の後半を大いに支えた長尾景虎。個性強烈なんで勘助を押しのけてしまうことがしばしば(笑)。ここにガクトを持ってきたのは英断だったのではないだろうか。絵的にすごい。飲まれてしまう。
他にも真田夫妻や伝兵衛や駒井とか、相木や小山田や北条氏康とか、好きなキャラが多すぎて困ります。
視聴率はその回によって色々と上下していたらしいけど、私は毎回一喜一憂していたので、とくにつまらない回というのはなかった。けどやっぱり面白かったのは『信虎追放』のあたり。もんのすごいドキドキしながら観てた!これは信虎の憎憎しい演技の賜物だろうな。悪役って大事(笑)。あとは板垣討ち死にとか、真田の話とか。あれ?もちろん勘助中心の回も好きなんですけど(笑)。とにかく一年間楽しませてもらいました。『風林火山』の俳優とスタッフの方々に感謝します。