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色々レビュー

映画、ドラマ、小説、マンガなど色々なものの感想置き場です。基本マイナー好き。

『風林火山』総括

2008-02-04 | 風林火山
 『風林火山』の全体的な感想。まず、こんなに毎回ドキドキしながら熱心に観たのは『新撰組!』以来かもしれない。勘助や他のキャラを大好きになれたし、何よりシナリオが秀逸だった。人の複雑な感情を丁寧に上手く描写していたし、小道具の使い方に感心することが多々あった。
 
 最後まで観て思ったのは、この勘助は前大河ドラマ『功名が辻』の一豊とは対極にある主人公だということ。これは序盤でも思った。一豊は最初から守るべき大事なものを持っていた。家族や家名や家臣、のちに伴侶や子供も。それらを守るために必死に生き、自分の信念に従って忠義を貫いた。誠実で潔癖でお人好しで家族や家臣を大事にし、それを妻が全力で支えた。そんな人間の美徳を描いた『功名が辻』は理想的で眩しかった。一方勘助には何もなかった。『異形』というハンデを背負い、身内からは疎まれ、家も家族もなく、仕える主君もいない。守るものは無く、そして守る余裕も無く、ただハンデを撥ね退ける為に『はかりごと』で世を渡り歩く。それだけでも一応生きていけるけど、それだけでは虚しい。そんな勘助が変わるきっかけを与えたのがミツだった。ミツと出会って勘助は、人から向けられる感情や、人と関わり共にいることを教えてもらったのだと思う。ここでやっと一豊が最初から持っていたものを勘助も手に入れられた。そしてすぐ失った。
 
 ドラマのストーリーから目が離せなくなったのはやはりミツが死んでから。恨みに駆られる勘助に、晴信や板垣や平蔵が様々な影響を与えていき、勘助も少しずつ変わっていく。晴信や由布姫に尽くすようになったのは、そうすることでやっと『生きる』ことができたからだと思う。何も持たない勘助は、自分に向けられたほんの少しの感情や、少しでも心を揺さぶられた出来事をかき集めて、大事なものを作っていくしかなかったのだろう。時に愚かな晴信や由布姫を支えることは勘助にとっての救いだった。勘助のそんな人生はちょっと切なくて最後まで目が離せなかった。もしかしたらこれまで観た大河ドラマの主人公で一番好きなのは勘助かもしれない。

 勘助以外の人たちも大好きになれた。一番最初に「うわあ、かっこいい」と思ったのは板垣。ほんとに一人オーラが違ってた。画面にいるだけですごい存在感と安心感。晴信はもう一人の主役だった。若い頃の未熟な晴信も好きだった。由布姫は重要な役どころだったと思う。三条夫人との対比としてだろうか、未熟で我が侭で、当時としては奇抜な性質の姫で、思い通りにならない立場の中で必死にもがいていた。だからこそ勘助の救いになったのだと思う。
 平蔵は勘助との対比だった。晴信に出会った勘助とは違い、恨みだけが残ってそれが原動力となってしまい、不運も手伝って行く先々で武田に負かされることに。大事なものの為に命をなげうった勘助とは逆に、平蔵は大事なものの為に「戦はもうごめんだ」と生きのびようとした。そういう生き方もこの時代には大事だと思う。国や主に尽くすのもいいけど、『国』なんて住んでる場所でしかない、家族が一番と思う平民だっている。
 『風林火山』の後半を大いに支えた長尾景虎。個性強烈なんで勘助を押しのけてしまうことがしばしば(笑)。ここにガクトを持ってきたのは英断だったのではないだろうか。絵的にすごい。飲まれてしまう。
 他にも真田夫妻や伝兵衛や駒井とか、相木や小山田や北条氏康とか、好きなキャラが多すぎて困ります。

 視聴率はその回によって色々と上下していたらしいけど、私は毎回一喜一憂していたので、とくにつまらない回というのはなかった。けどやっぱり面白かったのは『信虎追放』のあたり。もんのすごいドキドキしながら観てた!これは信虎の憎憎しい演技の賜物だろうな。悪役って大事(笑)。あとは板垣討ち死にとか、真田の話とか。あれ?もちろん勘助中心の回も好きなんですけど(笑)。とにかく一年間楽しませてもらいました。『風林火山』の俳優とスタッフの方々に感謝します。

これでもまだ

2008-01-29 | 風林火山
 長い!長いよ最終回感想!しかしこれでも全部書ききってなかったりします。後で総括みたいなのを書きます。どれだけ『風林火山』書けば気が済むんだ私。これが年内に終われば良かったんだけど、思わぬ体調不良期間が入ったためにここまで遅くなってすみませんでした。もうとっくに『篤姫』が始まってるのにこのサイトだけ去年の雰囲気引き摺ってるなあ。あとちょっとがんばります。

『風林火山』第50話『決戦川中島』

2008-01-29 | 風林火山
 第50話『決戦川中島』感想。信玄の弟信繁と守役の諸角が討ち死にし、軍師の勘助自ら前線へ向かう。途中で義信も前線に向かおうとするが、勘助が猛反対。いつもの義信なら勘助に反発しただろう。やっぱり義信は由布姫というより側室の存在そのものを嫌っていたようだし、その由布姫と四郎にあからさまに肩入れする勘助も当然嫌いだろう。しかしこの時の勘助は武田の跡継ぎである義信に「あなた様と勘助では命の重さが違いまする!」と激しい勢いで説得した。きっと勘助が単なる四郎贔屓ではなく、命懸けで武田のためを思っているのが義信に伝わったに違いない。

 激しい戦の一方で、三条夫人は於琴姫を訪ね、穏やかに語り合う。身篭っている於琴姫を「武田の子を産む大切な身」と優しく労わる三条夫人。この人は本当にできた人だなあ。このドラマの中でそのうち悪役っぽく描かれるのではないかと思っていたけど、まったくそんなことはなく最後まで賢妻だった。ただその穏やかな様子に大井夫人と同じ諦観があるような気がしてかわいそうに思えてしまう。

 前線に向かおうとする勘助を、再び由布姫の幻影が止めようとする。勘助は感極まった様子だがそれでも騎乗して上杉軍へ立ち向かう。勘助の大事なものは自分の命ではないから仕方がない。勘助に限らずこの時代の武将はみんなそうなのかもしれない。
 向かった先で宇佐美と遭遇し、軍師二人が剣を交える。宇佐美はもっと後方で指示を出しているかと思ったら、ちゃんと参戦してたのか。勘助は結構戦闘するタイプだけど宇佐美は違うと思った。「国を滅ぼして何の為の戦か!」と勘助の方針を批判する宇佐美。やっぱり仏門に帰依しているから、国に尽くすというより無駄な戦そのものを終わらせたいという考えなんだろうか。勘助も宇佐美も、信玄も政虎も、正否は関係なくただひたすら違うだけだと思う。

 ぶつかり合う軍師二人をよそに、どんな時も我が道を突っ走る政虎はこの時も白馬に乗ってさっさと突っ走る!もー結構宇佐美の言う事聞かないんだから。多くの両軍兵士が戦っている中を突っ切っているのに、誰一人政虎を止めることが出来ないどころか気圧されて道を空けてしまう。しかしそれも不自然ではなく納得してしまう迫力が政虎にはあった。このシーンを見て、ドラマではシナリオ以外にもビジュアルというものは大事なんだなとしみじみ思った。ガクトでなければこの『映像の説得力』はなかっただろう。

 普通戦では総大将が対面することなんてないだろうに、政虎は信玄のいる本陣まで辿り着いてしまう。うわー興奮する!馬で駆け抜けざまに信玄に斬りかかるが、信玄も軍配で受け止める。この時のスローモーションではつい息を止めて見てしまった。やっぱりかっこいい。最高。
 三太刀なのに何故軍配に7本も傷が付いたのかは物理的に謎だが、政虎ならそのくらい出来そうだ。ああもう何なんだこの理由がないのに強烈な説得力(笑)。
 この二人、互いに最大のライバルなのに個人については何も知らないんじゃないだろうか。その所業を伝え聞いてるだけで、相手がどんな人間かはまったく知らない。敵対国の国主なんてそんなものか。なんだか不思議な二人だなと思った。

 また白馬で颯爽と自陣に駆け戻っていく政虎を勘助は必死で追いかける。このシーンの絵がかなり好き。政虎は白馬に青い鎧で、勘助は黒い鎧に黒い馬。色の対比がかっこいい。駆けても駆けても追いつけない。そのうち兵士達に囲まれ応戦するが、直江の一撃で落馬させられてしまう。不自由な体に見事な槍働きで兵士達をなぎ倒しても、やっぱり数には勝てず。倒れていく勘助を遠くから政虎が騎乗したまま眺め、やがて背を向ける。どれだけもがいても手が届かない絶望感に圧倒されてしまった。倒れた勘助の視点から見た、横倒しに映される武田軍の旗の映像に泣きそうになる。今までの大河ドラマの最終回とは違う趣だなあ。史実に沿う以上は当然なんだけど。私が大河ドラマを見始めたのはここ数年だけど、主人公によって終わり方に差はあっても『達成感』のようなものが前提になっていたような気がする。志半ばで散るにしても、潔く切腹するとか。勘助の場合は、地に倒れ伏してもがいて這っても敵には届かない。でも可哀相とか虚しいというのは感じられず、今までで一番心を打たれた。
 
 ここでいよいよ最期かと思ったら、まさかの平蔵登場。ええええ!?トドメは平蔵?それはやだー!!平蔵にそんな根性はないと思うけど、一瞬すごく焦った(笑)。平蔵は別に勘助に何の恨みもないのに、むしろ序盤は慕っていたのに、なんでこんなふうに敵対するはめになってしまったんだろう。二人ともミツを殺されて恨みに駆られていたのは同じだったのに。と、違いを考えるとお屋形さまに行き着くんだよなあ。本当に運命の出会いだった。
 もう瀕死の勘助だけど、その首には相当な価値がある。首を取れと言いながら勘助はあの摩利支天の首飾りを平蔵に託そうとする。この小道具の使い方には本当に感心する。ただの偶然では片付けられない、人の思いが巡って繋がっていく感じ。平蔵はびっくりしたんじゃないだろうか。自分が置いてきたものを勘助が大事に持っていたなんて。
 受け取るのかと思ったら、後ろから矢を受けてパッタリ倒れる平蔵。またびっくり!えっ、死んじゃうの!?ヒサとか子供とか……えー!?驚いてるうちに武田の別働隊がなだれ込む。騎馬隊ってほんとに見るからに頼もしいというか、圧倒的だなあ。勘助はお屋形さまの勝利を確信しながら息を引き取った。悔いの残らない最期で良かった。討ち死にするのは分かっていることだけど、どういう最期になるのかなあと密かに心配していたので。

 大河ドラマは主人公の死で終わる。けどさすがに死ぬシーンが一番最後というわけにもいかず、やっぱり後味というのもあるわけで、あんまり敗北感やら無力感が残ってはちょっとまずい。ということで勘助の討ち死にした後はどんなふうになるのだろうと思っていた。武田の大勝利というわけにもいかないし。
 武田の軍師の首は取られて当然。しかしその首をなんと太吉が奪い返してきた!最後の最後ですごいな太吉!そして摩利支天の首飾りのおかげで伝兵衛が勘助の胴体を探し当て、こうして勘助の首と胴体が無事揃った!良かったね!そうかぁ、こうきたか(笑)。いやあ戦国時代ならでは。ちゃんと勘助の「勝ち鬨を…」という最期の言葉通りなったし、上手い終わり方だなあ。
 そして本当の最後にミツの言葉が聞けてよかった。ミツがいなかったらこの『風林火山』をここまで好きにはならなかっただろう。それを思い出した。

『風林火山』第49話『死闘川中島』

2008-01-24 | 風林火山
 第49話『死闘川中島』感想。霧に乗じて敵を挟み撃ちという勘助の『啄木鳥戦法』、結構有名らしかったけど私は全然知らなかった。でも命名のきっかけは馬場だった(笑)。しかし霧が出ることを上杉軍の宇佐美まで知ってしまった為、この作戦が読まれてしまうことに。うわー、もう最後なのに大勝利で終わらせてくれないのが歴史ものの厳しいところ。どんなふうに終わるんだろう。

 真田や相木がしみじみと昔を振り返ったり、信玄と信繁が酒を酌み交わしたり、決戦へ向けて心の準備をしているんだろうか。死ぬ気はないだろうけど、最後かもしれないという考えはどうしても振り払えないだろう。こんな状況は現代ではないだろうな。

 霧の中で待ち構える本隊。しかし霧が晴れるとそこにはこちらに迫ってくる上杉軍が。この結果は視聴者には分かっているのに、いざ映像で見るとショックが大きいなあ。霧の中から現れる騎馬隊。もちろん勘助のショックも尋常じゃない。軍師の責任というのは君主の次に重いんじゃないだろうか。自分の作戦が勝敗を左右し、自分の失敗で簡単に人が死ぬ。恐ろしい…。勘助の動揺とは対照的に、信玄は作戦の失敗にも動じた様子は見せない。内心はわからないけど、さすがだ。軍師よりも誰よりも責任が重い立場の人間はこうでなくてはならないんだろう。

 今まで陣形のことはあまり出てこなかったけど、今回の上杉軍が使った『車懸りの陣』は見た目的に解り易かった。これは受け止めづらいというか、防ぐのは大変そう。勘助の対応以前に、こちらの陣形が乱れて立て直すのに時間がかかる。別働隊か合流すれば勝機もあるかもしれない。ということで信繁が時間を稼ぐことに。信繁はもう死ぬ覚悟で行ったんだろうな。時間稼ぎも短い時間で済むはずがない。
 本来なら武田の血縁である信繁がこんな危険な時間稼ぎはしないはず。でもこの絶体絶命の場面ではどうしても信繁である必要性があった。「我は武田信玄が弟、信繁なり!」という名乗りで一斉に敵が浮き足立ち、信玄の弟の首というエサは時間稼ぎに最大の効果を発揮した。他の武将では不可能だっただろう。だから信繁は無駄死にはしていない。

『風林火山』第48話『いざ川中島』

2008-01-23 | 風林火山
 第48話『いざ川中島』感想。いよいよ上杉政虎との戦。今までにない大きな規模の戦になるということで、各々が何となく最後っぽい雰囲気で家族に言葉を残す。リツは嫁ぐ決心をして勘助を「父上」と呼ぶ。勘助は今までお屋形さまと由布姫だけに命を捧げてきたけど、最後に『家』というものができて良かった。勘助自身は『人』さえあればいいと思っていたのかもしれないけど、やはり由布姫が少々強引に「嫁を取れ」と言ってくれてよかったと思う。
 信玄は三条夫人と久しぶりにしみじみ語る。若い頃は結構二人で話すことが多かったけど、後半になってからそれもずいぶん少なくなっていったなあ。色々苦労をかけたことを詫びる信玄に、珍しく「私のためにお勝ちくだされ」という三条夫人。戦などしなければいいという持論のはずだけど、それだけ今回の戦が避けられない大きなものだと分かっていたんだろうか。

 由布姫の墓前で涙ながらに勝頼の初陣を報告する勘助だが、由布姫の幻影が「なりませぬ」と忠告。そうは言っても行かないわけにはいかず。ただ元々香坂の意見など引っかかるものはあったらしく、勘助は独断で勝頼の初陣を延期する。これが武田の寿命を延ばすことに繋がるんだなあ。
 今回は駒井にも出番があって嬉しい限り。勘助よりよっぽど軍師らしいポーカーフェイスの駒井が好きです(笑)。どんな時も迷うことなく信玄を支え続けた駒井は、板垣と同じくらい重要な存在だった。

 わざと退路を断つ形で布陣する上杉軍と、こちらが有利に見えても先に動くと負ける武田軍。どちらも動けない状態を破ったのが、まさかあんなに怪しい老婆の天気予報だったとは(笑)。でもまあ原が無事でよかったな。

『風林火山』第47話『決戦前夜』

2008-01-19 | 風林火山
 第47話『決戦前夜』感想。前回馬から引き摺り下ろされビシバシ鞭打たれた成田は、当然上杉軍に味方するのを止めてさっさと引き上げた。しかし妻の伊勢は人質になっているので、そのまま置き去りに。一見すると成田が酷い奴のように思えるけど、そこはちゃんと深い訳があった。
 景虎の前に引きずり出された伊勢は、平伏しながらも毅然と景虎を非難する。この伊勢の意見がなんとも理路整然とした正論で聞いてて気持ちが良かった。井川遥の声も決して感情的になりすぎずにいい感じ。
 成田家が下馬しなくても許されるほどの家柄だったことを景虎が知らなかったのが騒動の原因。成田と景虎のどちらが悪いとも言えない。しかし景虎が、自分が非常に礼儀を重んじ上の立場の人を敬うものだから、それをしない(と思い込んだ)成田に激怒してしまったわけだ。ここでいけなかったのは、景虎の成田への正し方。人前で鞭打つのはあまりに非道、と伊勢は責めた。私もそう思う。正す為ならどんな方法でもいいというわけじゃない。正しい事なら何でも人に押し付けていいわけでもない。正否や善悪に関わらず、自分がそうだから人にもそうしろというのはちょっと違う。昔はこれが分からずに色々と気が利かなかったんですけどね私も(笑)。
 少々脱線したけど、要は景虎のやり方はあんまりだったということ。そしてそれを指摘された景虎は、何も反論せずに伊勢の意見を全て肯定する。自分を非難されると内容に関わらず感情的になりがちだろうけど、景虎は一切感情を挟まずに理性で伊勢の正論を認めた。ここはさすが景虎と言わざるを得ない。下手に人間らしい迷いや苦悩を描写しなかった演出も良かった。

 上杉側で色々あったので忘れそうになるけど、ちゃんと武田側にも色々起きています。戦の最中に原(鬼美濃)が行方不明に。以前足を負傷したのに、まだ戦に出ていたのか。でも首が上がっていないということは生きている可能性大。あとは伝兵衛と葉月にも色々ありましたなあ。この二人面白い。葉月の静かだけど聞き取りやすい発声が好き。この二人の組み合わせは意外に見えるけど結構納得がいくかも。裏を探り調略の手助けを散々してきた葉月だから、伝兵衛のどうにも滲み出てくる誠実さがいかに貴重かよく分かっているんだろう。

 勘助は香坂とリツを引き合わせて勝手に良い組み合わせだとご満悦。まーた手近なものを持ってきて、とも言えないか。香坂なら人柄も才覚も申し分ないし。リツはいきなりの話にすぐには承諾できず。まだ勘助のこと吹っ切れないよね。香坂も一応跡取りの身なので山本家に婿養子に入ることは出来ず。でもリツのしっかりさっぱりした性格は気に入った様子なので、時間をかければ上手く行きそうな組み合わせだなあ。

 景虎は伊勢の一件から多少穏やかになった様子。自分は神の化身としてではなく人として人として色々越えていかなければいけないと姉の桃に語る。少し驕りが取れたかな。あと甥っ子への接し方を見ると、やっぱりお姉ちゃんの子供はかわいいらしい(笑)。

『風林火山』第46話『関東出兵』

2008-01-16 | 風林火山
 第46話『関東出兵』感想。久しぶりに感想書くので、なんだかペースが掴めないなあ。結構時間も経ってしまっているし(汗)。なんとかがんばります。
 この話はたしか長尾景虎が関東へ進出しようとするエピソード。武田側は越後が勢力を拡大するのを防ぎたい。川中島付近に城が欲しいという信玄のため、勘助は香坂弾正に城造りを任せる。香坂弾正というのは昔は平民で、武田に来たばかりの勘助の世話を焼いてくれた親切な人。源五郎だった頃に比べるとずいぶん出世して立派になったなあ。しかも勘助の策略家ぶりを間近で見ていたため、軍師として冷静さもある。これが重要なポイントに。
 次の戦でぜひ四郎(勝頼)の初陣を、と考えている勘助は親馬鹿が入ってしまってちょっと冷静になれない。そこへ香坂が「激しい戦になる可能性があり、武田の存続のために四郎は何としても残すべき。」と現実的な意見で勘助を止める。これ、香坂の意見がなかったら危なかったな。軍師の後継者としては頼もしい限り。

 景虎は関東管領を継ぐために上杉憲政と共に関東へ。そこへ長野業政が再び登場。ダメ領主だった上杉を見捨てずに忠義を尽くしためちゃくちゃいい人。わー懐かしい!相変わらずいい声。かつて家臣に思いきり裏切られて息子を亡くした管領様は、忠臣との再会に感激。しかし!なぜか景虎が会話に水を差してばっかり。ちょっと見ないうちに皮肉屋になったな。ここから景虎がちょっと増長して宇佐美の胃を痛めることになるわけです。
 
 しかし景虎が驕るとか増長するという表現は的確ではない気もする。もともと潔癖で自分に厳しく欲も完全に抑制できる景虎から見れば、周囲の人間は不完全でだらしがなさ過ぎると感じるだろう。そのうち自分と同じレベルであることを周囲に強要し始めるんじゃないかと前から思っていた。今回からそれが少し始まったんじゃないだろうか。

 関東の名家である成田家の協力を得た際、成田の妻の伊勢に目を奪われる景虎。家臣達は景虎の亡き母に似ていると言っているが、景虎はあまり外見や一般的な基準の美しさなどは気にしなさそう。どちらかというと上品さや楚々とした雰囲気に惹かれたんじゃないだろうか。伊勢を演じる井川遥は派手な美人タイプではないところがいいな。
 人質を取るのは当然なので景虎はこれ幸いとばかりに伊勢を同行させる。しかし小田原城はなかなか落とせず。今まで戦では苦労しなかった景虎にしては珍しい。それでも景虎の「毘沙門天の生まれ変わり」という超然とした姿勢は健在。伊勢に何を言われようとも余裕で単身小田原城へ向かい、射程範囲内で悠然と座り込み酒をあおる。えーっ、これ史実!?しかしもう景虎ならあり得る気がする。北条側も当然景虎を狙って弓や鉄砲で攻撃するけど、何故か当たらず。籠手や鎧をかすめたりはするんだけど、どうしても当たらない。近すぎるとかえってこうなるのか、景虎に圧倒されてなんだか当てづらかったのか。

 関東管領の位を受け継ぎ、景虎の名前が政虎に。うーん、景虎の方がいいなあ(笑)。政虎は一発変換されないし。他の武将達が景虎の帰還を畏まって迎える中、成田だけは馬上のまま。これに景虎が激怒して、成田を鞭打ちに。今まで人と自分との意識との違いに憤る事はあったけど、こういうふうに直接的に怒るって珍しいなあ。とうとう爆発してしまったか。

『風林火山』第45話『謀略!桶狭間』

2007-12-28 | 風林火山
 第45話『謀略!桶狭間』感想。幽閉されていた寅王丸が脱走を図り、やむなく斬ったということになっているけど、飯富の言葉だけなので真偽は不明。晴信も多少疑うけど、文句も言えないだろう。寅王丸が義信に刃を向けたのを、飯富が許せるはずも無い。嫡男の守役という飯富の立場は、かつての板垣とまったく同じだから。どんなことをしてでも義信を守るのは、晴信も分かりきっているだろう。

 そういえばもう晴信じゃなくて信玄になったのに、前回も相変わらず晴信って書いてたなあ。あー慣れない!ここから気をつけよう。
 今回は今川と織田の桶狭間の戦いがメイン。しかし織田側はまったく描かれず、あくまで今川の視点から。しかし旅の僧を通じて織田信長の情報が信玄にもたらされたり、伝兵衛が桶狭間の地形を調べたり、武田側にも桶狭間が重要になってくる。特に勘助は、寅王丸の件でもう今川なんて滅んでしまえ!くらいの勢いで怒っているので、色々と裏で動く事に。

 織田はかならず桶狭間で今川を奇襲するだろうと踏んだ勘助は、なんとか今川に桶狭間を通らせたい。そこで今川義元と対面。わざと心配そうな振りして、桶狭間を通るな、違うルートが良いですよ、とねちっこく勧める。義元は「お前の言うことなんか聞きたくないわ!」と勘助の思惑通り桶狭間を行くことに。
 あああ、これは義元が悪い。私情抜きできちんと戦略を考えるべきなのに、大嫌いな勘助の進言を聞きたくないという理由でルートを決めてしまった。それを読む勘助もすごい。というか悪質ー!でも見事。
 後で寿桂尼や飯富から「わざと桶狭間を通らせたのか」と問い詰められても、「いや、桶狭間を通らないよう進言しました」と堂々と言い張る勘助。真実その通りなので誰も勘助を責められない。証拠の残らない詐欺のようだわ。今回は勘助がほんとにブラックだった(笑)。

『風林火山』第44話『信玄暗殺』

2007-12-12 | 風林火山
 第44話『信玄暗殺』感想。平蔵とヒサの子供の名前は『十五郎』と『ミツ』。ヒサが平蔵のためにミツの名前を付けたらしい。ヒサは優しいなあ。平蔵も二人の子供は当然大事だけど、それでも武田への恨みを捨てきれず、信玄暗殺のためにまずは駿河の今川へ。

 景虎上洛の間武田を止めておきたい宇佐美と、同盟を結んではいるもののやっぱり武田が邪魔な今川、というか寿桂尼。はい、利害一致~。寿桂尼もすごい人だな。女性ながら政治にバンバン口出しするし、また軍師みたいに先を見通す力もあるし。今回も義元は孫の誕生に素直に喜んでいるのに、寿桂尼は「晴信がいなくなれば娘婿の義信が跡継ぎ」と思考が先へ飛ぶ飛ぶ。
 寅王丸と平蔵の対面の際も、平蔵はやっぱりそんなに大げさな嘘はつけず、割とそのまま武田の内情を話すけど、そこを寿桂尼が引っ掻き回す!「そなたの姉は武田に殺されたも同じ!」う~ん、ギリギリで嘘はついてないけど、だいぶ誇張が入ってるなあ。最初は冷静だった寅王丸も寿桂尼に上手く煽られてしまった。

 平蔵と一緒に晴信暗殺に行くことになった寅王丸だけど、もともとそんなに感情に走らない人に見える。喋り方は淡々としていて、棒読みのような抑揚の無さがこの人の諦めの境地を表していると思う。それを上手く煽った寿桂尼の手腕は見事。しかし寅王丸の冷静さは失われておらず、子供のいる平蔵を国に帰そうとする。自分は父の仇討ちをするけど、それに巻き込んでまた父を失くす子が出ては無意味。とても筋の通った考え方だな。

 どうやって潜り込むのかと思ったら、僧侶『長笈』として於琴姫のいる寺に身を寄せる事に。確かに僧だから不自然じゃないな。一方平蔵はあっさり茂吉達に見つかり、更には勘助と再会!そういえば勘助は平蔵が死んだかと思っていたから、そりゃもうびっくりしただろうなあ。一瞬喜んだっぽい勘助だが、すぐに平蔵のいる意味に勘付き、平蔵を締め上げる!おいおい忙しいな。ここで平蔵もやっぱりヘタレなんで、開き直るよりも「寅王丸さまを止めてくれ!」と勘助に泣きつく。やっぱり詰めが甘い平蔵だった(笑)。

 晴信と長笈が対面。武田を出たのが幼少時だったし、今の僧侶姿から寅王丸を思い出すこともないだろう。と思っていたら、やっぱり晴信はすごかった。短刀を手に忍び寄る長笈をかわして「寅王丸!」と一喝。寅王丸をただ厄介払いしたわけではなく、ちゃんと気にかけていたんだなあ。

 もしこのまましばらく晴信と話しでもすれば、寅王丸もそのうち穏やかな気持ちになれたのかもしれない。けどそこを再び引っ掻き回したのが義信。何をそんなに怒っているのかと思ったら、諏訪家のために由布姫を側室にし、そのために自分の母である三条夫人が苦労をかけられたという言い分らしい。そんなことを考えていたのか。しかしそれを今の寅王丸に言うのはタイミングが悪すぎる。結果、身代わりとなって刺されてしまったのはなんと萩乃!えーっ、まさか萩乃とは!予想もしなかったわ…。

 誰も彼も少なからず傷ついた今回の騒動、勘助の怒りの矛先は寿桂尼に。ああー、平蔵から名前が出てしまったのがまずかったな。そこらへんは口止め(あるいは口封じ)しておくべきだった。

『風林火山』第43話『信玄誕生』

2007-12-03 | 風林火山
 第43話『信玄誕生』感想。リツは養女ということで収まったけど、リツは気にしてるのか気にしてないのか相変わらずのニコニコ顔で勘助の世話を焼いている。しかるべき婿を取れば山本家は安泰ということだけど、真田は「うちの息子はやらんぞ。今からでもリツを嫁にしろ!」とけしかける。確かにそっちの方が血筋としては良いんだけどなあ。リツも「婿など取らずとも私が跡継ぎを産んでさしあげるのに」とあっけらかんと言い放つ。しかし勘助がやっぱりそこらへんの踏ん切りがつかず。
 そこで勘助が婿にと持ってきたのが茂吉(太吉の息子)。おいおい、手近すぎるよ!適当に考えただろう!茂吉も太吉の跡継ぎだから婿は困る、とか以前にリツが「嫌だ!」と言い張る。茂吉ショック(笑)。でもリツは「しばらくこのままでいいではありませんか」と珍しくしょんぼりする。ああやっぱりなあ。養女より嫁が良かったよね。明るくズバズバものを言うわりに自分の本心を言わない子だけど、そこらへんは自分の意思より家のことを優先するこの時代の女性らしいなあ。

 景虎の元にいるもリツと似たような境遇。口数も少なくけなげに景虎に仕えていて、こちらもいい子だなあ。普通の女性なら、女扱いされなかったらヘソ曲げたりがっかりしたりするだろうに、浪は素直に景虎の言う事を聞いて何も言わずに忠実に仕えている。景虎も浪に「土産を買ってきてやろう」と言うくらい好感を持っていたけど、やっぱり一般的な考えとして「良い嫁ぎ先を」と言わざるを得ない。かわいそうに、悲恋だったなあ。

 今回は戦はナレーションだけで終わり、政治的な動きが結構あった。室町幕府の将軍から使者があり、長尾と武田の和睦を提案。そういえば将軍がいたんだ。今まで別に幕府とは関係なく地方のあちこちで戦してたから、将軍はそういうのに口を出さないものかと思っていた。というか晴信より上の役職の存在を忘れてた。景虎は自分より上の人をすごく敬っていたから分かるんだけど、晴信は全然そういうのなかったからなあ。
 晴信が信濃守護を要求したり、景虎が関東管領を継いだり、大義名分のために色々と画策がある様子。戦の駆け引きは難しいな。

 いよいよ晴信が出家して信玄に。そうか、ここで名前が変わるのか。歴史的にはこちらが有名なんだけど、こんなに後になって改名なのか。私は信玄が出家後の名前ということを知らなかった。しかし出家して何がどう変わるかいまいち分からず。ほんとは酒、欲、殺生を経つらしいけど、戦はしなきゃいけないからそうはいかないし。晴信にならって勘助、真田、原も坊主に。原が一番違和感なかった!迫力が増してかっこいいわ。

 ここで久しぶりに平蔵が動き、宇佐美の元へ。元諏訪の家臣で勘助と馴染みがある、ということで大いに利用されそう。そして捨てられそう!しかしその前になんと寅王丸を使うことに。ああーやっぱり。仇討ちの理由は充分すぎるほどある。晴信も文句を言える立場ではないだろうな。