エブリディ・ラブリディ

日常やネタなど、
サイトが止まっても動いてます
リンクは自由です。写メ日記もあります

メモしてみました姉川降魔戦の台詞

2007年12月07日 03時42分46秒 | こねた
皆殺戦術 腐食香炉

「失敗も愉しみのうち……これを試してみましょうか……」

「ふん。貴様の好きにせい」

「明智様。な、何を使うつもりなんですか?」

かすり傷でも致命傷

「そんな……俺たちまで巻き込むなんて!」

「いけませんね。信長公に怒られてしまいます」

「もうお仕舞いですか?ああ……つまらない」

「姫橘め……安い余興に蠅も滑ろう」

「いかがでしょう。信長公。ご機嫌麗しゅう」 

「光秀。このうつけめ。やりおるわ」

明智様って信長様とは違う意味で怖いよ」 

「追いつめられるは鼠。余ならば袋の小豆も食い潰してくれるわ」

「橋一つに何を手間取るか」 「困りましたね。信長公がご立腹です」



光秀はやっぱり面白いと想うが姫橘って……信長の台詞を聴いてると
メルブラの七夜志貴を想い出す。アイツも台詞がきざだった。

プレイ日記飛ばしまくりですが浅井夫婦は天下統一しました。
光秀で大武道会クリアー(レベル100だし最強装備持ってるし)
しました。

更新ですが金曜日以降で別館。

テニ王の小説載せたくなってきた(本館動かせ)

戦国無双シリーズトリップヒロイン

2007年07月31日 03時39分40秒 | こねた
作ってみました。今までとちょっと違っているはず。

区分

無双OROCHIのみ→花龍
戦国無双ヒロイン→朋里
戦国無双トリップヒロイン→この子

作るのは楽しいね。

名前:日高深空(ひだかみそら)/直江深空(なおえみそら)

異名:

年齢/誕生日:15歳  8/21

身長/体重:160cm/48kg

備考:元々は現代世界の者であったのだが、ある時、近所の神社が燃えていてそれを見に行ったら
   光に包まれて戦国無双の世界へと飛んでいた。ある意味で過去の世界に飛んで困っていたところを
   直江兼続に発見され、上杉家への女中として仕えることになる。家族は健在ではあるが、この世界では
   身内が居ない状態であるため、兼続が保証人のようなもの。妹のように可愛がられている。
   義兄さんと呼んでいる。前田慶次とも知り合い。出雲に用事に出かけた帰りに中国大返しに巻き込まれ、
   豊臣軍と行動をすることになってしまったりもしている。軍としては一応上杉軍所属。
   元の世界へは帰りたいと想っているが、恩を返してからだと想っている。

   武術の腕前はないが、兼続から教わった符の腕前は強く、攻撃から防御。補助までこなせるが、
   戦場慣れをしていない。歴史に関しては学校で教わった分ぐらいは知っている。
   

性格:元気で行動派。タフなところがある。料理が得意で運動神経はそこそこで暑苦しいのが苦手。
   母親が看護士のためか怪我の治療が得意。感覚は現代人の感覚を持っていて死体や血は嫌いであり、
   戦を憂いている。義理堅く、恩返しをするとこも自分に出来ることを考えて行動する。
   後方支援が上手になった。人を傷つけるということに慣れていないし、争いごとは嫌い。
   強運を持っていて危機になっても何とか助かっている。やるべきことに関して決定した場合の
   意志は強い。以外と読書家であり、日々勉強を欠かさない。欠点としては一度落ち込むと
   しばらく落ち込み続けること、動物が好きであるが虫は大嫌い。

風貌:薄茶色の髪を肩ぐらいまで伸ばし、頭の近くを一部縛っている。瞳の色は茶色。
   服装は着物の上にミニの袴。ミニ巫女の服を着ていて足者は木履。

武器:御札。式神使いであり、呪符の腕はかなりのもので才能はあるが人を傷つけることを
   苦手であるために攻撃は好まない。殺しは出来ない。遠呂智編では薙刀を覚える。
   魏軍の武将達に大特訓をされたため。式神は何種類か持っている。

能力:術者としての能力は非常に高く伸びる方ではあるのだが武術の方の才能は殆ど無い。
   武器を扱えば壊すか被害を広げてしまう。薙刀は魏軍総出で教えられた。

「足止めぐらいは出来るから……敵を倒すとかは苦手だけど」

「義兄さん、愛とか義とか……恥ずかしいよ……」


神社の事件=月花のアレ のことです。飛んだところが違ったみたいな

戦国無双ヒロインその1 ようやく完成

2007年07月29日 03時28分39秒 | こねた
名前:櫻葉朋里(さくらばともり)

異名:

年齢/誕生日:22歳 12/1

身長/体重:165cm/50kg

備考:一人旅をしている女性。身体が細い。盲目で目に光が無い。その代わり他の五感が鋭い。
   ある村の神社の巫女であったが、15歳の時に村を襲撃者に襲われ、ただ一人生き残ったものの、
   襲撃者のによって盲目になってしまった。敵討ちのために旅を始め、修行を続け、
   一年前に襲撃者を見つけて仇を討っている。現在は旅を続けている。
   戦闘時は見えているかのように動くことが出来るのだが、普段は杖をついている。
   完全な盲目ではあるが人物や物の判断は出来る。相手の表情を見ることは出来ないため、
   声で判断をしたりしている。旅の路銀は三味線で稼いでいる。
   
   武術の腕前はかなりのものであり、盲目と言うことを感じさせない。補助として鵯を連れている。
   名前は『空海』ペットと言うよりも、相棒であるらしい。


性格:控えめで表に出ずいつも五歩は引いていて、水面のような穏やかな性格をしている。
   我慢強いが打って出るときには打って出る。日常生活は盲目もせいもあってかかなりドジ。
   普段は相手の話を聞いていることが多いが、意見を言うときは的確。
   常に最少の犠牲で戦を終わらせようとしていて、犠牲を好まない。強引な意見や人が苦手。
   誰にでも優しいように見えるが親しくなるに連れて自分の領域に相手を入れないようにしている。
   これは好きな人を作りすぎると失ったときが怖いためそうしているらしい。
   昔はもっと刺々しかったようだ(本人曰く)

風貌:スモーキーアクアの髪に露草色の瞳。髪の毛は背中まで伸ばして、途中で輪っかのような髪留めで
   一本に纏めている。目の色に光がない。着物は色が見えないからを理由に適当に
   着ていたりするが今は白色に龍が入った着物を着ている。下の部分がスカートのように
   なっていてそこに黒のスパッツのようなものと白のニーソックスのようなものを履いている。

武器:薙刀のような刀を使用している。刃が大きめで柄が長い。柄の所は三つに分裂する。
   本人曰く、三節刀。

能力:盲目の状態でも見える。見えると言っても物の骨組みなどぐらいであり、相手の顔は見えない。
   シックスセンスや気配などで回りを察知する。



目が見えない人。遠呂智だと魏編で天水の山の中で倒れてます。
かなりの武人。
神社で巫女で戦えると某ヒロインと似てるなと感じだがまあ同じようなもの

遠呂智で小ネタ魏軍編。 第三章外伝、冀州討伐戦より

2007年07月27日 03時45分53秒 | こねた
花龍は主である曹丕や曹丕の部下である張遼や徐晃、そして監視役として……実質のところは曹丕の仲間として……
着いている石田三成と共に冀州へと反乱軍の討伐へと向かった。
冀州を拠点にしているのは豊臣秀吉の妻であるねねだ。くのいちらしい。
ねねが率いる忍者軍団は神出鬼没であり、次々と有力勢力を倒している遠呂智軍も手を焼いていた。
命令されたのは董卓であるが、念を入れて曹丕達も派遣されたのだ。董卓は曹丕達の協力は要らないと
拒絶したが、結果、惨敗しそうである。

「この清正。おねね様には指一本触れさせぬ!」

「遠呂智よりおねね様の方が偉いんじゃ!」

「……偉い。じゃなくて怖い……の間違いだろ」

「ごめんねー大長が折角切り開いてくれた道だから」

加藤清正と福島正則の刀を花龍は両手の小太刀で受け止めてそらせて瞬時に何撃も加えて倒してしまう。
向こうでは曹丕が忍者を相手にしていた。
戦が始まって直ぐにねねの忍法により増援が動けない状態になり、術を解きに行くと赤壁での盗みがばれて
ねねのお仕置きを食らい、檻車に閉じこめられた石川五右衛門と会った。助ける気はなかったのだが、
五右衛門はねねの忍術を解く手がかりを知っていたので解放し、お陰でねねの忍術を解けた。
解いた後は各地に現れた分身のねねを二体倒し、本物のねねがいる拠点へとやってきたのだ。
拠点前には大量の忍者や風魔小太郎、服部半蔵と言った強敵が居たが、曹丕と花龍で殆どを倒し、曹丕は花龍と三成を
先に行かせてくれた。

「……おねね様をどうにかするんだ。花龍……」

「三成っていうか……みんな、苦手みたいだね……」

忍者軍団が居る冀州へと討伐に出かけると曹丕から情報を聞いたときから三成は浮かない顔をしていた。
三成は遠呂智軍にいる。信服しているわけではなく内側から遠呂智軍を倒すために所属している。曹丕と同じだ。
花龍と三成は拠点の中に入った。そこには本物のねねが居た。
分身と同じ、ショートカットに二本の歪曲した小刀。網タイツのようなものを履いていた。

「こら、三成。遠呂智に従うなんて悪い子だね」

「おねね様、潔く降伏してくれませんか?」

「こら!そんな子に育てた覚えはないよ!」

「世話にはなりましたが、育ててもらってません」

「もう!おしおきだよ!」

ねねはみんなのお母さんと言った感じだと花龍は想った。花龍がすぐに前に出て、二本の小太刀でねねの攻撃をさばく。
さばきながらもねねを斬っていくが致命傷が与えられない。

「忍者は速いね……大概」

ねねを援護しようとする忍者を倒しながらどうやってねねを倒そうか花龍は考えた。殺しはしない。
三成にとってねねは母親のような存在であるからだ。……本人が言ったら否定するだろうが。三成も降伏させたいので
あって殺したいとは想っていない。

「貴方みたいな子も遠呂智軍に入っているなんて」

「あたしの主が遠呂智軍に居るもので」

距離を詰めて、ねねに前蹴りを加える。ガードを砕いたことを確信した後で、そこから一回転をして蹴りを加え、
着地してすぐに体勢を低くしてねねを斬った。浅い。
壁を蹴り飛ばす。

(……手間がかかっているな……アイツにしては)

「三成と言い、貴方と言い、遠呂智に従うなんて駄目だよ」

「……私が従うのはただ一人、曹子桓だけだ」

――――――あんな奴に従うか。
花龍は舞うようにしてねねを切り裂く。明るい声を出していた花龍の声が低くなり、僅かだが殺気を帯びる。
もう少し本気を出そうとしていた花龍であったが、忍者の一人が花龍に手裏剣を放とうとしていることに気付かなかった。
毒が塗ってある手裏剣が花龍へと飛ぶ。

「花龍!」

手裏剣が放たれたことに気が付いた三成が前に出て扇で手裏剣を弾き飛ばす。そのまま三成は扇を振り、衝撃波を出し
忍者を倒した。

「三成」

「……確かに俺はお前よりも弱いかも知れないが、だが、俺はお前を守りたいんだ」

意外すぎる援護に……援護されるとは想っていなかったらしい……花龍が驚いた。そして後で言われた言葉にもだ。
花龍は嬉しそうに笑う。

「ありがと……こっちも本気で行くよ」

二本の小太刀を鞘に収め、背中に斜めに差している刀を抜いた。抜くことにより機巧鞘が邪魔にならないように縮まる。
手始めにこの場いるねね以外の忍者を倒した。そしていざ、ねねを倒そうとした花龍ではあったが、

「……三成が……女の子を庇った?……いい子になったね。三成……しかも好きな子が出来ていたなんて」

「あのー……」

「お前さん、しばらく見ないうちに三成が成長していたよ。やっぱり男の子って成長が早いもんだね。式はあげたの?」

「……式?」

「式なんてあげてません!話が飛躍しすぎです!」

「遠呂智の元に居たって幸せな夫婦にはなれないよ。三成も……花龍だったよね……抜けなさい!今すぐ!」

花龍は戸惑った。こんなことは初めてである。何か押されている。

「あたしは大長が遠呂智軍を抜けない限りは抜けられないの」

「大長……?……曹子桓って人だね……その人は何処!?」

「……何処と言われても……」

三成は僅かだが頭痛がしてきた。
花龍も刀を収めることは出来ず、かと言ってねねを斬ることが出来ずに立ちつくしている。

「何をしている。花龍……終わらせたのか?」

「……大長!張遼さん、徐晃さんも!」

外の忍者を倒してきた曹丕が、遠呂智軍の本拠地の忍者などを相手にしていた張遼と徐晃も来た。事情を説明する前に
ねねが曹丕の前に来た。

「貴方が花龍の主の曹子桓?」

「……そうだが……この程度の敵、手こずるとは花龍……お前らしくもない」

曹丕が双剣を構えようとする。徐晃と張遼も武器を構えた。ねねはそんな曹丕に向かって指をびしっ、と突きつけた。

「三成と花龍が式をあげられなくてちゃんとした夫婦になってないから、貴方、遠呂智軍を抜けなさい!」

「は?」

「何を……?」

「………………何?」

その時の魏軍の三人の表情を何と表現すればいいだろうか。
張遼と徐晃の表情は非常に困惑したものであった。曹丕の表情も彼とは想えないぐらいに間が抜けている。
後に花龍がこの場に携帯電話があったらカメラ機能で写真を撮り保存しておきたかったというぐらいのものであった。



「なんだ。そう言うことだったの」

「……大長……ばらしちゃって良かったの?」

「……こうするしかなかったのだ。仕方あるまい」

「曹丕様……そう言った理由で……」

「言ってくだされば……」

二十分後、事態は沈静化した。ねねの強引さを抑えるために曹丕がまず口で対抗しようとしたが、叶わなかった。
あの、曹丕が押されていたのだ。
打破するために曹丕は自分……魏軍が遠呂智軍にいる理由、三成が遠呂智軍にいる理由を説明した。
張遼と徐晃も驚いているが、それは曹丕が説明をしていなかったからである。

「嘘を付くのは下手そうだからって黙っていたんだよね」

花龍が補足を入れる。花龍は曹丕の目的を知っていた。ちなみにこの場には花龍達しか居ない。
ねねが忍者達を退散させたからだ。盗聴の心配はない。

「と言うわけです。おねね様……逃げられたとか言うのでさっさと秀吉様のところへ帰ってください。
忍者も奴らも連れて」

「……あのおねねさまのほうがーとか言っていた人たち?」

「ああ……見逃すので俺のことは構わないでください」

(よっぽど三成殿は……彼女が苦手なのだな)

張遼が同情した。

「仕方がないね。清正や正則や秀秋はお前さんのところに送るとして……アタシも仲間になるよ」

「……俺の話、聞いていましたよね?」

「良いだろう。……闘ってみて解ったが、忍者は使える」

「曹丕……お前……」

「……負けはもう決まって居るぞ。三成」

三成は酷い頭痛がしてきた。曹丕はねねを仲間に引き入れることにした。放っておいてもねねは来るだろう。
追い払ってもねねは来るだろう。

「そうだ。……戦いは?」

「董卓は敗走した。忍者を甘く見すぎたせいでござる」

「忍者……油断ならぬ」

「三国時代には忍者、いないもんね」

「後処理をこれで気兼ねなくできる」

勝負は勝ったが痛み分けの状態だ。曹丕はここから魏軍が有利になるように持っていくつもりだ。

「……全く……疲れた……」

「でもいい人だよ。ねねちゃん」

「……それはまあ……」

「三成。ちゃんと花龍を守ってあげるんだよ」

花龍が微笑した。ねねのことが気に入ったらしい。ねねに言われた言葉に三成は疲れた顔をした。



…………

補足

ちゃんと言っていなかった気がしますが、花龍ことアディシアが
一人称をあたしじゃなくて、私と言った場合、《死線》モードと言うことです
いるだけで威圧感。
言い方が案外怖い。

従うのは~というのは花龍が心からある意味従うと想ったのは
あの人が初めてだったりXANXUSはみんなが従ってるし、ぐらいの感覚。
九代目もにたようなもんです。

砂吐き主従



そして追記でさらにおまけかいわ



「何でこうなるんだ……」

「式を挙げるなら遠呂智を倒してからだ。そうなれば魏で祝ってやろう」

「やったじゃない。三成」

「……曹丕……貴様……」

「そうと決まれば速く遠呂智を倒さなくっちゃね。あと、お赤飯も炊かなくっちゃ」

「赤飯?」

「日本のご飯で餅米を蒸したものなの。美味しいよ」




だけど私は、絶対に許さないから。

2007年07月24日 23時32分47秒 | こねた
覚え書き 今の槍連中とザレラムの出会い編

サルバ

ヒクサクの手によって不老不死にされながらも神官の仕事をしていたら、
神殿をザレラムに襲われて同僚を皆殺しにされる。
自身も殺されかかったが、死なないのでザレラムに興味を持つ。
サルバもザレラムに興味を持ちここから槍スタート。
具体的に言うとハルモニアが出来て2,30年経ったぐらい。

ティラナ

小さな小さな隠れ村出身。最初から狂っていたというか、実験の果てに
村を壊滅させて旅をしていたときにザレラムと出会い一目惚れをして
ついていく。ちなみに槍の中では一番年上のような気がして鳴らない。
それをいったら多分、ぶっ飛ばされるだろうけど。

ジーク+レン

一年の四分の三が雪と氷に閉ざされるハルモニアの最北出身。
レンが国の王子でジークが旅をしていた人形師、14歳ぐらいの時に
事件が起きてジークとレンが月明かりも太陽の明かりも差さない
塔に閉じこめられる。7年ほどが経過して何も知らないザレラムが
国をぶち壊す(暇つぶしに)丁度その時にレンとジークが塔から出る。
レン、死にかけるがジークに宿る。死にかけた理由が
宰相に殺されかけたため。国も滅ぼされたのでザレラムについていく。


ムネナガ

百万世界の怪物の泥を浴びて不老不死になってしまい、旅をしていたところを
ザレラムと出会い勧誘される。三日三晩戦い続けてばてた。

リモザ

自分が住んでいた村で村人に妹を殺されて村ごと焼き払っていたところを
レンとザレラムに発見されて勧誘される。



こうしてみると本当にろくでもない集団だな。




ネタを振ってもくいつきがなければどうしたらいいのかわからないよ。



以外どころか根っからの彼女は現実主義者

2007年07月22日 21時45分53秒 | こねた
元ネタ文

あれぇ曹操様はいないだか?曹操様なら
こんな世界、すぐに変えてくれるのになぁ

乱世に対して奸雄の出現を望むか
ふっ、安直で短絡的な答えだ
だが安直ゆえ…万民が導きだす答えでもある
忌々しいが、認めざるを得まい…


「大長は難しく言い過ぎ」

許チョが去った後で、花龍が後ろから現れた。曹丕は元々花龍がそこに居たことに気付いていたので驚かない。
気配を消して会話を聞いていたのだ。

「あの程度の言葉が難しいと感じているのか?」

「辛いから助けてくれる英雄を求めているんだ、ぐらいでいいじゃない」

曹丕の言葉について花龍は言っている。花龍は曹丕の父親である曹操のことをよく知らない。

「お前は英雄を求めないのか?」

「うーん……英雄を求める……ってこと自体、考えになかったから……」

花龍の選択肢に英雄を求めるなんてものは無かった。人生の大半を殺人に費やしてきた少女だ。
闇の中から抜け出そうとする選択肢も考えていなかった。

「考えなかったではなく、考えになかった……差は大きいものだ」

英雄なんて不確かなものよりも、信じられる自分で道を切り開くしか、花龍にはなかった。闇は、それほどまでに暗い。
曹丕の呟きについて花龍が言葉を返そうとすると、花龍の身体が曹丕の腕によって引き寄せられた。
抱きしめられる。

「……大長?」

「少しこうしてみたかっただけだ」

簪で束ねられた髪の毛に触れる。花龍はくすぐったそうにしていた。




曹丕は放っておくとこういうことをするようになったんですがどうしましょう

1.このまま突っ走る

2.抑える


一気に載せてみる載せたかも知れない遠呂智魏軍小ネタ

2007年07月17日 01時40分54秒 | こねた
曹丕好きとか何か曹丕好きが多いみたい名ので載せてみます。
三成も多いのはシュミです。

その1

「……難しい」

「俺が教えて居るんだ。覚えてくれなくては困る」

花龍は本の漢字を読みながら呟いた。豪華な机と椅子の上には書物しか乗っていない。花龍の前に座っているのは
石田三成だ。今は花龍の勉強を見ている。少しずつ勉強は進んでいるが、花龍としては勉強を止めたい。
日本語ならまだしも、中国語だ。かつて居た組織やヴァリアーによって中国語はマスターしているが、
勉強となると話は別だ。文章が解っても出来るとは限らないのだ。
三成が花龍に勉強を教えているのは曹丕に”お前は勉強も教えられないのか?”と散々嫌みを言われたからだ。
妲己にに言われて曹丕の監視役になった三成ではあるが、監視は上手くできていない。

「みんなは戦中だし……」

「魏軍もそうだが、呉軍もそうだ。反乱軍は勢力は少ないがばらけている」

魏軍で残っているのは花龍と許チョぐらいだ。許チョは宮殿の……魏軍に与えられた宮殿の掃除中だ。
彼女の主である曹丕も、部下の張遼も徐晃も戦場へとかり出されている。曹魏は遠呂智軍と同盟を組んでいるが、
こき使われているだけであり、孫呉は遠呂智軍の属国となってしまっているため、こき使われている。
反乱軍は勢力としては小規模なものばかりで、点在しているから潰すのも骨が折れる。

「……立て続けに戦だって。体調、平気かな」

「自己管理ぐらいは出来るだろう」

「大長も……あたしを連れていってくれればいいのに、信用が無いのかな?」

曹丕は魏の王だ。戦に行く回数は多いが、仮に反乱軍と十回戦をしたとするならば三回ほどしか連れていかない。
今だって置いてきぼりにして勉強をさせられている。立て続けに闘えば、精神も体力も摩耗していく。
花龍はぺたりと机に伏せるようにした。

「お前はそんなに戦がしたいのか?」

「……あんまり無理して欲しくないもん」

「そこまで好きなのか?奴が」

嫌みを言ったが花龍は嫌みだとは想わずに本音を言った。何故かその本音に苛々しながらも、三成はまた言う。
花龍は考えて、顔を上げた。意を決したようにして三成の方に顔を近づける。

「……今から言うこと、絶対に言わないで」

「な、何だ……いきなり……」

「……あれは……」

花龍は語り出した。三成は照れている。
あれは数日前のことだった。花龍が帰ってきて部屋に入ると、ソファーで曹丕が珍しく寝ていた。
彼は自分の無防備なところを見せないのに、花龍が来たというのに起きる気配がない。

(珍しい……疲れてるんだろうな……)

気配を殺し、曹丕に近付く。いくら気配を殺しても曹丕は花龍の気配に気付いてしまうのだが、一応消しておいた。
まだ曹丕は寝ている。
花龍は曹丕の苦労を知っている。だからこそ少しは力になりたいと想う。
部屋を出ようとした花龍だったが、そっと曹丕に手を伸ばした。前々からだが気になっていたものがあったのだ。
曹丕の髪である。
黒髪の長髪を曹丕は一本に纏めていた。背中より下まで伸びていた。それで想いだしたのは兄として呼んでいる
銀髪の鮫だ。彼は願掛けのために髪の毛を伸ばしている。
花龍は髪の毛を掴んだ。黒くてさらさらした良い髪だった。僅かに力を入れて引っ張ってみた。

ぶちり。

手を曹丕から遠ざける。
遠ざけては見たが花龍の手には曹丕の黒髪が何本か残っていた。抜いたわけではない。抜けたのだ。
曹丕は気付かない。
花龍は青ざめた顔で部屋から出た。そして走った。曹丕の髪の毛を持って、走り続けた。

「………おい」

「そんな……夢を見たの」

「夢か!」

曹丕の髪の毛が抜けたのは花龍の夢の中での話だったらしい。三成は想わずつっこみをいれてしまう。

「……で、でも精神的抑圧のせいで……現実に、なるのは……」

ストレスなんて言葉は戦国時代にも三国時代にもないので日本語で言う。髪の毛が抜ける原因としてはそれぐらいしか
考えられない。夢であったとしてもリアルすぎた。髪の毛の感触が未だに手に残っている。

「……心配するな。そうはならない。きっと、ならないから」

「……だよね……」

「しかし、髪の毛が抜けた曹丕か……」

三成は想像して、顔を伏せると笑いを押し殺した。

「笑い事じゃないってば!」

「……笑えるのは仕方がないだろう」

「……三成も笑えるんだね」

曹丕の髪の毛に関しては笑えなかったが、三成が笑っているのを見て花龍も笑う。どうしても笑えてしまうのだ。
この笑いを止めることは三成には出来なかった。

「……喉が乾いたな」

「お茶を入れるよ。待ってて……さっきの話、秘密、だよ」

ひとしきり笑った三成は顔を上げた。花龍が人差し指を唇にあてて言う。

「……ああ……言わないでおこう」

花龍がお茶を入れる。二人はこの話題により少しうち解けた。



(曹丕好きのみなさんごめんなさい。ちなみに史実だとストレスのためすぎが
原因で体調を崩して死んだらしいよ。この人)


その2

身体を癒し、曹丕に連れられて花龍が来たのは遠呂智軍が根城としている城の一つだった。

「その服は蜀のものか?」

曹丕に聞かれた。
花龍が着ていたのは蜀の服だ。正確に言うと緑があちこちに使われているグラデーションのかかった服で、
膝当てなどを付けているが鎧と比べれば圧倒的に攻撃への耐久度が低い。蜀で考えられるだけの最大限の防具が
つけられてはいる。一部は戦国時代のものだ。
前にいたのが蜀軍であったので着ているのは当然ではあるが誤魔化さなければいけない。

「蜀の人にお世話になってたの。これはもらい物」

「服や防具は用意する。それに替えろ。蜀のものは精度が低い」

「……低いって……魏は……」

曹丕に言い切られて花龍は少しムキになりそうになる。これは月英や趙雲などが選んでくれたものだからだ。
言おうとした花龍であるが、曹丕を見て言うことを止めた。

「解っただろう?」

「高いね」

花龍が身につけている武具と曹丕の武具を見比べてみればすぐに解る。圧倒的に魏は発達していた。

「準備が出来たら呼べ」

「好きに選んでいいの?」

「構わん」

案内されたのは、武具が置いてある部屋であった。花龍は部屋の中を見て驚いた。どの武具も発達している。
洋服だって豪華だ。魏の今の状態は知らないが立て直しを上手くやればすぐにでもやっていけるぐらいだ。
日本の服なども揃っている。風呂に入りたかったが、まずは武具を選ぶことにした。

「……凄いな……さすが……」

鳳凰の刺繍がされている服や。作られた小片や鎖帷子を組み合わせた鎧が置いてある。動きやすくしながらも
防御を考えられることは嬉しい。
着物のような服を着ることにして、襦袢のところに鎖帷子などを着ることにした。着物というか和風ゴシックロリータと
言うべきかも知れないが、あさるようにして選んでいく。その中で良さそうなものがあった。
準備は三十分ですませた。

「出来たのか」

「うんっ。出来た」

部屋から花龍が出てきた。曹丕は壁に身体を寄りかからせていた。出てきた花龍を見て、言葉を止める。
彼女が着ていたのは巫女服だった。巫女服というのは赤と白が主な色ではあるが白のところが桃色だ。動きやすさや
防御も考えられている。桜の精のような印象を受けた。桃の精でもいい。
頭には簪が付けられていて艶やかで、一言で言ってしまえば可愛らしかった。
もう少し言葉を付け足すのならば破壊力があった。

「……着替えろ」

「え?」

「いっそのこと、私が選ぶ。それは着るな」

「どうして?」

「……どうしてもだ」

そう言った経緯で花龍の衣装は曹丕が選んだ。花龍の希望を聞きながらだ。黒をベースにした着物で帯や衿などが、
青色であり、鎖帷子を内側に着用したり、服には鳳凰を入れたりした。両肩を見せられるように着物に花龍が
アレンジを加えた。

「あれ、可愛いのに……」

せっかく選んだのだからと花龍はこっそり赤と桃の巫女服を持ち帰ることにした。



それから花龍が魏軍の世話になり、そこそこ魏軍にも認められた時のこと、石田三成は魏軍の詰め所へと来ていた。
魏軍は遠呂智軍にこき使われているので全員が揃うことは稀である。三成は妲己によって曹丕と一緒に行動を
するように言われているが本当のところは見張りだ。

「入るぞ」

見張りといってもしているのは花龍の目付役というか教育係状態だ。花龍の知識は偏りすぎている。
ここに居るのは今は許チョと花龍だけである。他は全員、戦場だ。

「おやー?三成でねえか」

「花龍はどうした」

「おいらのご飯を作ってから部屋にいるぞ」

「あ、三成だ。おはよう」

許チョは留守番である。花龍も留守番だ。花龍の声がしたので三成は顔を上げ、声を失う。

「その服……?」

「これ?どう?似合う」

「似合うだよ」

花龍が着ていたのは赤色と桃色の巫女服だった。許チョは素直に褒めてくれた。

「大長はこれを着るなって煩いんだけど居ないから着てみた。どう?」

「……着るなっ。そんな衣装!」

「えー……」

(曹丕……お前が着るなといった理由は……)

今は遠い場所で戦をしている男について思い浮かべる。着るなと行った理由を察することが出来た。
許チョが居なければ危なかった。三成は視線を逸らせる。お持ち帰りしたくなるというか、
可愛すぎてどうにかしてほしかった。



(魏編の連載に一部使いましたが、元ネタはこれです。
ピンクがにあう綺麗じゃなくて可愛いよりのヒロイン)



その3

戦の間中降り続けていた雪は、夜になった頃には止んでいた。

「……速く帰りたい」

花龍は正直に感想を口にした。拠点にいるのが嫌になり花龍は外へと出ていた。
着物の上に許チョから貰った毛皮をあちこちに身につけていて、寒さを和らげている。
天水の寒さには耐えられる。彼女の本来の故郷であるイタリアは、北イタリアになると冬になれば気温は非常に下がる。
日本の北海道並みに下がるのだ。花龍が帰りたいと言ったのは遠呂智軍の拠点に居る面々である。
妲己はまだいいのだが、援軍に来たのが諸葛亮であった。花龍は前のこともあってか諸葛亮が好きではなかった。
諸葛亮の目的は妲己から劉備の居場所を知ることではあるが、そのために前に酷い目にあったのだ。
蜀の面々は諸葛亮だからで許せたが、外から来た花龍や雑賀孫市や伊達政宗は言葉に困った。
僅かに降り積もった雪を踏みつける。
天水まで来たのは織田信長が率いる反乱軍を倒すためだ。反乱軍は追い払うことが出来たが、信長の目的は
彼女の主である曹丕の器を確かめることであった。信長には会ったことはなかったが、本来の世界で信長については
知っている。あの人ならばこれぐらいはやりかねないと言った風だ。

「いっそのこと、関平を追いかけるべき……だったかも」

脱出を助けた関平は織田信長の反乱軍にいた。再会したときは関平の方が驚いていた。遠呂智軍は雰囲気が悪い。
中にいる者の八割方がいつか反乱しようと想っている連中である。
諸葛亮に関しては、彼が苦手であるということが自分でも疑問に想ってしまうぐらいに響いている。
敵であるならばすぐにでも倒して居るぐらいだ。

「そこまで諸葛亮が嫌いか」

「……大長。何で解るの?」

「お前を見ていれば良く解る。……奴も何か企んでいるようだが、私には関係のないことだ」

呟きを聞かれてしまったらしい。後ろにいたのは花龍の主である曹丕だ。態度には出していないつもりだったのだが、
曹丕には解ったようだ。曹丕は花龍の隣に来る。

「帰るのはいつ?」

「処理が終わればすぐにでも帰る。諸葛亮は明日には出るから安心しろ。妲己もだ」

「……これで多少は過ごしやすくなるけど……三成は……行かないね」

「私と一緒に行動をしろ、だからな」

妲己と諸葛亮が行ってくれれば、拠点は過ごしやすくはなる。処理は曹丕が全てやってしまうらしい。
この戦には石田三成も参加したが、戦が終わった後で妲己は三成と曹丕を一緒に行動させることにしていた。
牽制のためだろう。

「どうするの?」

「放っておいても問題はない」

曹丕のことだから事故に見せかけて殺すとでも言うかも知れないと想っていたが、答えは予想の範囲内だ。
花龍としては三成を味方に引き込みたいが、それはまだ伏せておく。

「……信長さんって、曹操さんに似ているの?徐晃さんも張遼さんも言ってたから」

「似ていると言えば……そうなるかもしれん。覇王、だ。向こうは魔王を自称しているようだが」

「うん。第六天魔王だよ。曹操さんって凄いんだね」

素直に花龍は言う。彼女は曹操を知らない。だから、曹丕と曹操を比べることはしない。

「お前は信長をどう見た?」

「魔王」

「……それだけか?」

「流れを作ろうとしていると言うか……諸葛亮よりは好き」

「なるほど」

曹丕は僅かに笑った。花龍は首を傾げる。笑うようなことを花龍は言ったわけではなかったからだ。
そして気になっていたことを聞いた。

「……大長。大丈夫?」

「何がだ」

「……痛く、ない?」

言葉数を少なくして花龍は聞いた。比べられることは仕方のないことだけれども、曹丕は曹操の話題を嫌っている
ところがある。曹操が行方不明になってからは曹丕が国を纏めているが、曹操の幻影は消えない。
僅かな話を聞いてみても、曹操は偉大な人物のようだ。曹丕の苦労を花龍は知っている。

「甘いな、お前は」

「敵には容赦無しと言われてるけど……」

「その甘いではない」

知らないうちに曹丕が求めているものを花龍はくれる。意味が解らないのか花龍は不思議そうに曹丕を見上げた。

「大長……言い回しは解りやすくしないと」

「気をつけているつもりだがな」

「……絶対にしてない……そろそろあたし、帰るね」

曹丕の真意を掴むことは難しく、魏軍はそれで難儀しているのだ。かと言って直接に教えてしまえば曹丕の計画が
崩れてしまう。徐晃や張遼には伝えられるときに伝えたが全員に伝えるのは無理そうだ。
また雪が降り始めた。明日には少し積もっているだろう。
拠点へと帰ろうとした花龍であったが、後ろから腕が伸びた。

「……冷えているな」

「大長……?」

花龍は曹丕に背後から抱きしめられて、引き寄せられた。引き寄せられたときに花龍は反射的に回りの気配を確認した。
誰も居なかった。安堵する。

「命令だ。しばらくこのままでいろ。花龍」

花龍の小さな身体は曹丕の身体に収まる。雪が冷たかったが、曹丕は暖かかった。身体は冷えていくが、
お互いの熱で暖めあっている状態だ。

「冷たいけど、暖かいよ」

曹丕の熱を感じながら、花龍は自分を強く抱きすくめている腕にそっと手をやった。


(天水の戦いより、三成以外のヒトはみんな、戦闘後のランダム会話で曹操のことばっかりいいます)


その4

「……何のようだ?」

いきなり曹丕は会議中に言った。呟くような声だ。何のことだ?と石田三成やホウ統が反応する。
きっかり十秒後、部屋のドアが勢いよく開いた。

「大長っ。一大事!」

「どうした?……花龍」

ドアが開くまで、気配が全くしなかった。超高速で走ってきながらも、足音一つ立てずにその場にいきなり、
現れたかのように花龍は居た。息を切らしている。全力疾走をしてきたらしい。慌てていた。
回りを見て、呼吸を直ぐに整える。曹丕がすぐに気が付くのは気配の察し方と言うよりもすでに能力だ。

「ねねちゃんのところの忍者からの情報、遠呂智軍が大軍をかき集めているって」

「……大軍?どれぐらいだ?」

「……六割ぐらい。多分最大で八割行きそう。こっちに来るみたい」

「遠呂智……父の復活はやはり、捨て置けぬか。何処に集まっている?」

三成が聞いた。花龍が貂蝉やお市や甄姫と食事の準備をしているとねねの配下の忍者が怪我をして現れて気絶した。
治療を三人に任せて花龍は先に知らせに来たのだ。
勢力が削れてきている遠呂智軍が軍勢を六割も集めて、さらにもっと集めようとしている辺り、本気で殲滅する気である。
曹操が魏に復帰したことが大きい。

「合肥新城」

「……あそこか」

「……大長……大丈夫、なの?」

合肥新城はこの世界……遠呂智によって滅茶苦茶に戦国時代の要所や三国時代の要所が配置された世界……にある
遠呂智軍の重要要所の一つだ。そこまで食い込めるように魏軍は勢力を拡大したが、最終戦を前に総力戦が
行われることになりそうだ。遠呂智軍には本拠地と言える城があるのだが、その城の位置が知れない。
花龍は位置は知っているが言うことが出来ない。本拠地とも言える城、古志城を攻めることは前に一度しているし、
勝てると信じているが、合肥新城のことに関しては非常に不安そうだ。
明るく笑っている少女が困惑を見せている。表情に良く表れていた。合肥新城は落としにくい城である。
広い上に言葉で飾るとするならば、難攻不落だ。そして元々は魏の土地だ。
一度だけではあるが曹丕に連れられていったことがある。明るいが暗い場所だというのが花龍の印象であった。
その時に曹丕と花龍はこの城が落ちるかについて話したことがある。
曹丕は”どれほど堅牢な守備を誇ろうとも、落ちぬ城はない。だが、この城を落とすのは厄介だ”と言っていた。
蜀の時には経験しなかった大総力戦が幕を開けようとしている。

「案ずるな。花龍……こちらも総力戦を挑むとするか」

花龍の不安を吹き飛ばすように曹丕が言う。冷ややかではあるが、決意に満ちている。

「だが、曹丕、あの城を落とすのは手間がかかる……まず……」

「子桓」

三成も合肥新城については知っている。曹丕に話しかけようとした三成の言葉は曹丕の字を呼んだ男の声に遮られる。
曹丕の字を呼ぶのは軍の中でも片手で数えられる程度だ。三成でないとするならば一人しか居ない。

「父よ。どうしたのだ?」

「その指揮。わしが取ろう」

部屋がざわめいた。大総力戦に置いて曹操自らが指揮を取るという。この軍の指揮権は曹操ではなく曹丕にあるが、
今回は曹操直々に打って出ると言っているのだ。

「御大将、自らが采配を取るなんてな……燃えるぜ」

「……いいのか?」

「構わん。父がやる気になっていれば、止めても無駄だ」

典韋が拳を打ち鳴らす。三成が曹丕に聞くが曹丕は一言で言った。大総力戦だというのに魏軍の熱気は十二分にある。
どんどん上がり続けているようだ。

「そう言えば嬢は、殿の戦を見たことが無かったんだよな」

夏侯淵が花龍に話しかける。花龍は頷いた。山崎の戦いでは指揮と言うよりは、曹丕の補佐のようにして曹操は動いていた。

「なら丁度良い機会だ。孟徳の采配を見ることが出来る……俺も腕が鳴るな」

「……みんな、やる気が凄いね……」

いきなりの総力戦になったのに曹魏は怯むことはない。その雰囲気はある意味ヴァリアーに似ていた。
どんな敵が来ようとも、倒すというところは同じだ。

「父の采配が衰えていないか見られそうだな」

曹丕が冷静に言っているが楽しそうではあった。彼もまた曹魏の人間なのだ。



(魏編のシナリオで一番好きなのがこの戦い)


のせておもった。

小ネタじゃないじゃないか。これ

「お久しぶりです。ジークベルト様。八年ぶり……になりますわね」

2007年07月06日 02時07分33秒 | こねた
「それぐらいだね。久々。リモザ。菫色のドレスじゃないんだね」

右手をポケットに入れたままでジークベルト・ティーフェタリアは
影絵のレルカーを作り上げた女性の名を呼んだ。影絵の結界は、
影を媒体に作られる結界だ。これを好んで作るのは一人だけである。
ジークベルトの前に居る女性はスカートをつまみ上げて恭しく一礼した。
ハーベストムーンのウェーブのかかった髪にベルリナブラックの瞳に
黒色の喪服のようなワンピース。スカートの裾とケープだけが白い。
ジークベルトが知っているリモザ・シャッテンハウトという少女、あるいは女性は
菫色のドレスを好んで着ているので、今の服は新鮮に見えた。

「作業をしていましたし、私、目立つことは嫌いですから」

その作業というのが放火の助長のことであることはジークベルトは察しが付いて
いるが怒りもせずに話し続ける。

「その割に気配をオレに察知されやすいようにしていたようだけど」

「話をしたかったんです。それに、私がどんなに気配を上手く消したとしても、
ジークベルト様はお気づきになられるでしょう?」

「……君が来たってことは、ムネナガも一緒かい?」

「いいえ。ムネナガ様は……ヒノヤギ様は死んでしまいましたから、ティラナ様と一緒ですわ」

ティラナという名を聞いて、ジークベルトは嫌そうな顔をした。
ティラナ・セルネット、ストラーレンランセの第四位にしてジークベルトを
目の敵にしている女だ。

「目的は太陽の紋章かな。サルバ……面倒なことを」

「サルバドール様ではありませんわ。ザレラム様です。私とティラナ様に、ファレナに行けと言ったのは」

「………アイツ、が?」

ジークベルトは驚いた。サルバドール・ニーラーならまだしも、
ザレラム・ソノバールが誰かに命令をしたというのは
彼の記憶では三十年近く、無かったことだ。
そしてジークベルトは知っている。
ザレラムが命令をしたと言うことはろくでもないことが起きようとしていることを。

「はい……私も珍しいことで驚いていますが……もう一つ、
驚いていることがあるんです。私の火を消したのはジークベルト様では
ありませんでしたから」

「……召喚で消そうと想ったんだけどね」

「あの魔法は誰が使ったのですか?」

リモザは聞いた。リモザにとっては予想外のことであっただろう。

「その魔王を使ったのは、我だ」

「あら」

「……王子?」

リモザは驚きの声を上げ、ジークベルトもリモザほどではなかったが驚き、
振り向く。この結界の中に入ってきたのは、王子であった。

(中略)

結界を書き換える。影絵の結界だけではいざというときに巻き込まれる。
リモザが軽く手を振ると町から巨大な鋏が出来た。

「危ない!」

鋏が超高速で射出される。ジークベルトは王子を横抱きに抱えると
魔法で喚び出した盾で防いだ。

「降ろせ。ジーク!」

「駄目。ここはリモザの空間」

「……武器はいくらでもあると言うことか」

「行きますね」

リモザは再び鋏を発射する。ジークベルトは盾で塞いだ。

「リモザは影移動とか出来るから」

「専門は闇か」

「そう言うこと」

後方にいるリモザは闇で鋏を作り出しては打ちまくっている。
ジークベルトは防戦一方だ。

「魔法の腕が落ちましたか?ジークベルト様」

「そう見える?」

「少なくとも、今は」

「……しょうがない。挽回するよ」

今度は盾で塞がず、ジークベルトは風の壁で塞いだ。鋏が砕ける。
続けて五十本の中くらいの鋏が飛んできた。

「出来ますか?」

「出来るよ」

盾は出さず、ジークベルトは風の壁で塞ぎ、逆に弾き返す。
リモザは自分の魔力で戻そうとした。

「これぐらい……」

闇から雷が溢れ出しリモザを焦がす。ジークベルトが仕掛けておいたのだ。

「俺が二番目に得意な属性がこれなんだよ。一番得意な奴は使わないでおいてあげるよ」

雷は五行属性の一つであり、攻撃力はトップクラスであるがその代わり、
単体攻撃が主だ。しかし、槍の面々に関して言うならば、それは当てはまらない。
五行の弱点を自らの才能と応用能力で埋めてしまう。

「一番得意な属性……貴方は召喚……でしたわね」

召喚魔法、もっとも扱いが難しいとされている異世界の門を開き、
そこから望むものを喚び出す魔法だ。それを本気で使われればリモザに勝ち目はない。

「大きいのを打つから、リモザ、受けてみなよ」

「ティラナ様が言っていましたわ……そして、もう一つ得意なのは……」

「エーデフィスト」

その一言で、雷が巨大な獣となり、リモザに向かって突進した。
リモザは手を出し、時間稼ぎの闇の壁を二十枚作り上げ、その間に詠唱を始める。

「昏き嘆きの森、響くは怨嗟の声、我を傷つけるものに裁きを、広がりし闇をこの手にすくい、広げ、我はあらゆる全てを塗り潰す」

どうにか集中し詠唱に全てを込めリモザは闇で雷の獣を幾重にも包み込んだものの、獣はリモザに突進を辞めなかった。

「詠唱はしないと流石に防ぎきれなかったか」

リモザの長々とした詠唱とジークベルトの短い詠唱は同レベルだ。
ジークベルトがもう一つ得意としているのは圧縮詠唱、集中を極限にまで
込めた詠唱だ。無くても勝てるので普段はしない。

「造語か」

「俺とザレラムぐらいしかしないけどね」

しないではなく、出来ないのだろう、と王子は言おうとして、
弾けた雷から現れたリモザの方に目をやった。

「……酷い、ですわね。ジークベルト、様……ティラナ様からもらった宝石をつかいきってしまいましたわ」





小話で書こうとしたら終わらなかったので無理矢理書いた

微笑を見せるリモザであったが、着ているドレスは半分焦げていた。

前回の出会いの続き。この子、こういう子ですよ。

2007年06月20日 03時58分41秒 | こねた
花龍ことアディシアの人生は極端な見方をしてしまえば、八割方が闘争の日々であった。
産まれて直ぐに両親を事故でなくし、彼女を引き取った組織は端的に言えば暗殺組織であり、八歳の時まで
彼女はここで過ごしている。この頃の記憶はとても曖昧だ。組織が壊滅して行く当てになかったアディシアは
ゴミ捨て場で銀髪の鮫に拾われた。ここから第二の人生が始まったと言っても良い。
ボンゴレファミリー独立暗殺部隊ヴァリアーに入ったアディシアは次々と戦功を立てていった。
アディシアの異名である『死線の月』は裏社会では化け物の一つに数えられている。
毎日殺人をしていたわけではないのだけれども、毎日闘っていたわけではないけれども、一般的な同世代の少女よりも
圧倒的にそう言った経験は多いが、組織というものに彼女は慣れているわけではなかった。

「……痛い」

目を覚ます。
傷つけられた身体は治療がされてはいたものの、鈍く痛い。あれで放置されていれば失血死か焼死は
免れなかったので生きているだけでもありがたく想うべきなのだろうが、素直には喜べない。
寝かせられていたので首だけを動かす。木の下にいた。まだ眠ることにした。
身体の治癒速度は一般に比べてアディシア……花龍は速い方である。そのために成長が遅いのではあるが。

「丈夫だな」

冷たい声で言われる。視線だけを上げる。

「……曹丕子桓さん?」

「………何故そう呼ぶ……」

「だって、そう名乗ったし」

「名字と名と字を繋げるな」

「……え?」

嫌がらせでも何でもなく、花龍はそう呼ぶ。解っていない少女に彼は言った。

「曹が名字で、丕が名。子桓が字。普通は名字と名、名字と字で呼ぶ」

「……そうなんだ」

そこで初めて花龍は古代中国の名前について知った。今まで彼女は趙雲や姜維をそのまんま名前だと想っていたのだ。
分かれるとは想っていなかった。

「知らなかったのか」

「……戦国時代の人間だから」

と、誤魔化しておいた。曹丕は呆れたようにため息をついたが、受け流しておいた。どうやらここは遠呂智軍が
荷物を置いていった場所らしい。置いていった遠呂智軍は花龍が火攻めと不意打ちで殺した。

「動けるようになったのならば行くぞ」

「……人間を何だと想っているのやら」

痛めつけたのはこの男ではあるが、いくら花龍でもまだ休まなければ動けない。足が痛い。
考えてみて解ったことだが生きているのは彼と花龍ぐらいだ。彼は食料なんて用意してくれそうにないので
自分で取ることにした。起きあがると荷物をあさり食べられそうなものを探す。
戦闘はまだ無理だ。

「慣れているな」

「……生活が生活だったから……えーっと、曹丕子桓……じゃなくて、大長」

「何故そうなる」

「どう呼べばいいか解らなくて……本題なんだけど」

繋げたら睨まれたのですぐに別の呼び方を探した。大長とは彼女がかつて香港にいた頃に聞いた誰かの呼び名だ。
誰かは忘れた。

「……なんだ?」

「確か、今の魏の王様……だよね」

「そうなるな」

魏に関してのことは、知識はある。蜀に居たときに魏のホウ徳が仲間になってくれて、その人から色々と聞いたのだ。
曹操が王であったが行方不明となり、継いだのは息子の曹丕であったのだが、曹丕は遠呂智軍と同盟を組んだ。
蜀が劉備に惹かれて集まった者達の集団であるとするならば、魏は曹操に惹かれて集まった者達の集団とも言えるのだが、
両者には決定的な違いがあった。蜀は劉備が抱く仁の世を作り出そうとしているのならば、魏は魏のためと言うよりは、
曹操のためや彼の掲げる覇道が自分の求めるものに近付くための手段であると考えて付き従っている者が多いと言うことだ。

「……あたし、国に仕えるとか、正直……よく解らないんだけど……組織には居たけど、あそこ、個人主義だったし……
礼儀とかいまいち解らないよ?」

困惑しながら花龍は言う。食べられそうなものが堅焼きビスケットしかなかった。ありがとう戦国時代と想いながら食べる。
居たけど、ではなく居るけど、が正しいのだが話が面倒になるので過去形にしておいた。
蜀にいたときは国と言うよりも、劉備奪還を目指す集団の中にいたし、蜀は離散したようなものだったので、
散った仲間を集めることから始めていた。魏は国として存続している。
曹丕に着いていくことにはなったが魏に関わらなくてはいけない。彼女は組織には居たが、
誰かに心酔したことも無いし、組織のために散るという思考もないのだ。
例えばヴァリアーはXANXUSについて行っている集団ではあるが、花龍にとってのXANXUSは
指輪争奪戦が起きるまで、印象としては憎しみを抱きながら眠り続けている者であったし、心から仕えていると
いうわけではなかった。沢田綱吉は花龍にとっては家族という感情に近い。
言ってしまえば、ボンゴレファミリーだって別に滅びてしまえば良いと想っていた。帰属意識は薄いし義務感だって少ない。
生い立ちが関係しているが、彼女にとっては組織なんていずれ滅びるものだし、危なくなれば維持はするが組織のためと。
言うよりは自分のためである。

「……お前はいくつだ?」

「十三。今年で……それがどうかしたの?」

曹丕は花龍の年齢を聞いた。すぐに花龍は答える。曹丕としてはもう少し上かと想っていた。
十三才であれだけの腕前を持っているとするとどう言った育ち方をすればああなるのかが気になるが、たった十三才だ。
組織の帰属意識も義務感も身に付いていなくても居た組織がどういったものかは知らないが仕方がないとは想う。

「覚えていけ。必要事項は私が教える」

話してみる限りでは現実主義者で実力主義者らしい。実力主義は慣れている。
これが、覇道なのか。
武力や権謀を持って人を支配することを魏は掲げている。それが悪いことだとは花龍は想っていない。
甘ったるすぎて苦しむようなものよりも、苦くても平穏を過ごせることを望む。優しさというのは手厳しい。
覇道と仁の道、どちらが正しいかを証明するのは言葉ではなく、結局の所は勝った方だ。

(どうなるのかな……?)

考えてみたが、闘うしかないとすぐに自己納得し、花龍は水を飲んだ。その瞳は、ヴァリアーにいた頃の眼とよく似ていた。






カラマイの頃と考え方が違うじゃねえかと想う人もいるかも知れませんが
あの子の本質は生活が生活だったためか現実主義者です。
ロマンは多少信じてはいますが。昔よりは。
後は洋服エピソードとかもあるんですけどね。

何故か書いてしまった出会い話

2007年06月15日 03時25分25秒 | こねた
前提

花龍ことアディは懸賞で当たった遠呂智をしようとしたら事故で
遠呂智世界に飛ばされる。

戻るには4回世界をくり返し出会うべき者を導かなければいけないと言われる
くり返すというのは導き終わったら時間が戻ると言うこと
ただし与えた影響は多少なりとも残る

蜀のストーリーを終えて、次は……という状況。


「かーやく、かーやく、たーっぷり、かーやく。かーやく、かーやく、ひーぜめがやーってくる」

某CMソングを替え歌にしつつ花龍は機嫌良く大量の火薬を設置していた。村の地図を見ながら風を計算し、
効率よく仕掛けていく。三国時代に火薬はなかったが戦国時代には存在している。二つが融合した世界に
当然火薬はあった。枯芝などの燃料も置いていく。

「よし、こんなところかな」

仕掛け終わり、目を閉じる。感覚を研ぎ澄ませれば、殺意が向かってくることが解る。
反乱軍の者達は逃げているはずだ。
いい風も吹いてきた。花龍は自分だけ安全圏に避難すると遠呂智軍がやってくるのを待った。
遠呂智軍は中規模で、何の警戒もなく村に入ってきている。
村には誰も居ないし死体は家の中にやってしまったので、村は血しか残っていない。

「殿の手を煩わせることはない。私一人で十分だ、と想ったが……誰も居ないな」

(三流だ……)

気配を完全に消して花龍は様子をうかがう。三流、と彼女が呼ぶ男は司馬懿という名があるのだが、
南中の戦いや虎牢関の戦いで花龍の印象にあったのは三流であった。肌の青い兵士が殆どだ。遠呂智が産み出した兵である。
兵がどれだけ居るのかを確認した。

「さては私に恐れをなして逃げ出し……」

「……三十六計はあるけど、逃げたのはアンタが怖いからじゃないよ」

司馬懿がその声を聞いたと同時に、声の主である花龍は火種を放り込んだ。火薬が仕掛けられていたと遠呂智軍が
気付いたが時は既に遅く、火薬が爆発する。連鎖反応で爆発していき、廃村はたちどころに火に包まれた。

「何が……」

「とりあえず死んで」

六割を火に巻き込み焼き殺した後で花龍は混乱をしている中で二本の曲刀を握ると、遠呂智軍の兵を斬っていく。
花龍が一番得意なのは殲滅戦だ。一人も生かさず全滅させる。司馬懿の見えないところで兵は死んでいく。

「これは逃げではない。戦略的撤退だ!」

「……三流、逃げちゃったよ」

兵を建て直すこともせず、司馬懿は逃げた。花龍は呆れるように言いながらも右手の曲刀を握り、兵の首をはねる。
まるで風車のように斬っていった。少女の形をした悪夢が火の中で踊る。
殲滅するのにたいした時間はかからなかった。混乱した中で死んだと言うことすら解らないように殺していったのだ。
火の勢いは計算をしておいたので少し弱まっている。

「混水摸魚……だっけ。ま、こっちは一人だったんだから」

最後である兵の脇腹を曲刀で着いて、首をはねる。血しぶきが飛んだ。司馬懿を追いかけるか考えながら、
三十六計の一つを呟きながら、両手の曲刀をだらりと下げた。

「しっかし、強くなったよね。あたし……これならどんな相手にも負けないかも」

蜀で多少学んだ兵法や鍛えられた腕前に花龍は手応えを感じた。二度目の巡りも上手く行きそうだった。
問題は何処を導くかである。そこまでは左慈は教えてくれなかった。
花龍の言葉は自画自賛であり、端から見れば……完全なる油断であった。油断をしてもいいのだと花龍は想っていた。
生きているものは自分しか居ないのだから。

「ならば試してみるか?」

冷たい声がした。花龍が虚を突かれる。全員殺したはずなのに生きている者が居た。男の声だ。
両手に握られていた曲刀を弾かれた。曲刀は空を舞った。顔を上げて花龍が男の顔を確認しようとしたと同時に
足を切られた。抵抗する間もなく何度も斬られた。まるで花龍の抵抗を奪うようにだ。
倒れた曲刀を男は蹴り飛ばした。

「痛………」

ここまで痛めつけられたのは、随分と久しぶりのことだった。
現実世界でも、蜀の面々と一緒にいたときも、怪我はしていたが、動けないほどではなかった。
遠呂智と闘ったときだってそうだが、今は違う。
身体の八割五分が痛めつけられている。呼吸が荒い。指は動くが武器がない。
足は斬られている。抵抗なんて出来ないように殴られて斬られた。
失血死はしないが貧血で頭が痛い。
燃えさかる辺りの中で身体を横たえ、どうにもならないような状況の中で花龍は見上げた。
自分を、痛めつけた男を。
頭から血が流れていて拭こうにも手が動かず、見ることしか出来なかった。

「ここまで痛めつけても目は生気を失わぬか」

辺りは夕暮れ時で村々は燃えている。燃やしたのは花龍だ。廃村に降ってきて、抵抗している反乱軍の者と出会い、
彼等を逃がすために仕掛けて、村を燃やした。混乱した遠呂智軍を居るだけ殺した。
生きているのは二人だけだ。
花龍と、花龍の頭上に剣を突きつけている男、男は長い髪を一本に纏めて、青を基調した服を着ていた。
冷ややかな眼をしている。
痛めつけられたのは花龍の判断ミスが大きい。彼女は浮かれていた。蜀の面々と戦い実力を上げて、
遠呂智も一度倒したので、誰と闘っても負けはないと想ってしまった。
慢心して、油断していた。
現実世界にいる彼女が兄と呼ぶ銀髪の青年や同胞が居たら、怒られるような状況だ。

(ここで死んでも……戻れない……)

考えなければいけない。
どうやったらこの状況を抜け出せるかと言うことだ。この世界で死ぬと言うことは現実世界でも死んでしまうと
左慈は言っていた。死んで抜け出せるほど甘い世界ではない。
『カルヴァリア』も無ければ『死線の月』も発動出来ない。前者はこの世界に来たときに封じられてしまったし、
後者は滅多なことでは発動しなくなってしまった。生命の危機を迎えている今ですらだ。
手詰まりを起こしながらも、起こしてしまいながらも、花龍はこの状況を乗り越えることを諦めていない。

「選択は二つだけだ。選べ」

男は言う。
花龍が状況打破を諦めていないことを、目が生気を失わないことを、こんな状態でありながらも媚びることも
縋ることもしていないことを、感心しながら言う。

「……あなた……は……」

「私に殺されるか。それとも私に着いてくるか」

何を言っているのだろうか。
遠呂智軍を壊滅に追い込んだのは自分だというのに、すぐさま殺してしまってもおかしくはないのに選択肢を与えている。
コレと同じような状況を彼女はかつて、八才を過ぎてから経験していた。
ゴミ捨て場に倒れていたときに銀色の髪を持った青年に拾われたときと同じような感じがした。
目覚めたとき、ベットの上で生きるか死ぬかを選択したときに彼女は生きることを選択した。
他人の命を吸って生きる選択をした。だから殺し続け、それから解放されたのはつい最近のことだ。
生きるためには闘わなくては行けないと言うことは昔から、彼女が思っていたことだ。
服従したわけではない。屈したわけではない。だが、選ぶ答えは決まっていた。

「……着いて……いく……」

真っ直ぐに男の目を見て血塗れの顔で、花龍は答える。

「お前の名は」

男は血塗れの花龍を見て笑う。
遠呂智軍の兵を壊滅状態に追い込まれたことに関しては自軍の兵は居ないのでどうでもいいことだ。

「……花龍……」

名前というか字ではあるが、そう名乗る。本名を名乗ってもどうせ発音がしにくいだろうからだ。

「私は曹丕。字は子桓……ようやく手に入れた。剣をな」

曹丕という名は蜀の連合軍にいた頃に何度か聞いたことがある。

「……魏の……ひと?」

「そう言うことだ」

全てを焼き尽くさないばかりに燃え続ける火の中で、花龍は曹丕の目に静かな炎を見た。






真面目に闘えばアディと曹丕は良い勝負が出ますが負けたのは
ひとえに油断しすぎたせいです。
後は曹丕の読みがち。
中途半端に痛めつけるとアディがひっくり返す子なので。


子の二人のテーマソングは何故かアリプロの跪いて足をお嘗め