山口県の巨樹巡礼

長年月を生き、かつ誇り高く屹立している巨樹!。そんな巨樹に会いただただ首を垂れ巨樹を抱きしめてきます。

巨樹庵 (山口県の巨樹巡り)-Vol1( 1-① ~ ⑯ )

2020-03-21 13:08:41 | 日記
今年(2020年)の正月にNHK・BSを何気なく観ていたら、”巨樹百景 神様の木に会う”という番組を放送していました。日本全国の巨樹を紹介していたのですが、この時「そういえば我家には山口県の巨樹の本があったなぁー」とふと思い出し、本棚をゴソゴソ探してみると有りました。その本の名は「やまぐち 祈りの108樹(2004年発行)」と「続 やまぐち 祈りの108樹(2006年発行)」の二冊です。二冊とも元山口県立山口博物館の学芸員をやっておられた 三宅貞敏さんの著作です。
本をパラパラとめくってみると、山口県にも 「国の天然記念物」になっている巨樹もあったり神社仏閣に存在してたりと、あんまり面倒なく見られるかもしれなくて面白そうだなと思った次第です。
というわけで、用事で何処かへ出かけたついでに県内の巨樹に会ってこようと「巨樹巡り」を始めました。
樹木の専門家でも何でもない素人の私が探して歩くのですから、へんてこなブログになるかもしれません。
一応、私流に決め事を設定してます。
1.三宅先生の二冊の本に記述されている巨樹を目指します。
2.二冊の本に記述されている巨樹以外でも、これは載せた方が良いだろうという巨樹は【番外編】として記しています。
3.訪れた順に番号を記入していきます(年月日も)。また直近に巡った巨樹がいちばん上になってます。
4.場所がかなり分かりにくい所もあるので、全ての巨樹の地図を載せます。

                       2020年3月  庵主 敬白



1-⑯福王田のハクモクレン(美祢市秋芳町福王田)
   【番外編】           2020.03.23
  
山登りに行く途中ここを通り過ぎようとした時、白い花をいっぱいにつけた大きな木が目の端に入りました。女房に「あれはコブシの花やろか?」と問うと、「コブシかハクモクレンかどっちやろか? 分からんねー。」との返事。時間があれば帰りに寄ってみようじゃないか・・ということになり、帰りに行って来ました。
ものすごい花の付いたハクモクレンでしたが、この家のご夫婦によると「今はだいぶ散ってきたからねー。三日前が一番良かったよ」と話されてました。また85歳のご主人の話では、この樹は4~5代前からあるので数百年は経っているよ・・とのことです。樹齢は200年以上ということでしょうか?。

   
ものすごい数の花がついてます。 こんな幹の太いハクモクレンは
               見たことがありません。
 
見事な花つきです。     軽自動車と比べてみてください。幹の
             太さと樹の高さ。巨樹です。


1-⑮須賀社のケヤキ(美祢市秋芳町柏木)
   市指定天然記念物  2020.03.23
  
以前、傍の道路を通った時「なんか看板があるなぁー」と思ってたのですが、今回あらためて行ってみるとそれが須賀神社のケヤキの案内看板でした。行ってビックリです。こんな大きな木があったんだと感激しました。木の側の看板によると、樹齢二百年ぐらいの巨樹です。

  
立派だー。ほれぼれするー。     裏に廻ってみるとこんな感じです

  
ケヤキの上部はこんな感じです。   木肌はこんな感じ。ケヤキの大木に現
                 れる鱗状の模様が出ています。


1-⑭厳島神社のムクノキほか(美祢市秋芳町別府)
               2020.03.23 
 
厳島神社の巨樹群は、日本名水百選にも選ばれている「別府弁天池」の傍にあります。コバルトブルーに透き通った弁天池には観光客が多いですが、巨樹を愛でる人はあまりいないようです。

   
 ムクノキの巨樹の幹         上部はこんな感じです。 

 
違う場所にある3本の巨樹。右奥が  角度を変えて。手前がムクノキ
スギ、真ん中手前がウラジロガシ、   奥がウラジロガシ。
左手前がムクノキ。

   
 コハウチワカエデの大木。  古木なのか、苔むしてます。
 この他にも、イチョウ、カゴノキ、ニガキ、イヌビワ 等があります。

           
1-⑬厳島神社のイスノキ(萩市越ケ浜)
            2020.03.19
     
厳島神社は、日本最小の火山である笠山の麓にある”明神池”の傍にあります。その背後の樹林を登ると有りました、笠山に登る道路に近い場所です。
明神池の周りにはイスノキがかなりありますが、やはり群を抜いて巨樹です。木質は非常に硬くて杖の材料となったり、示現流剣術の木刀として使われたりしているみたいです。

     
 上部はこんな感じです。     奥に見えるのが道路です。
                存在感がありますね。
   木肌はこんな感じです。



1-⑫弘法寺・浮島天神のクロマツ(萩市浮島)
            2020.03.19
    
弘法寺の境内に入ると、直ぐに大きな木が目につきます。周りや浮島天神の方にも大きなクロマツがあるので目が慣れてしまい、「ああこんなものか」と思い近くに行くとなんのなんの、立派な巨樹です。大きいのもそうですが、背丈が高い高い。見上げると首が痛くなります。また、このクロマツのすぐ傍に維新の志士「前原一誠 夫妻」のお墓があります。

      
上部はこんな感じです。      比べてみてください。


1-⑪志都岐山神社のミドリヨシノ(萩市堀内萩城跡内)
    県指定天然記念物       2020.03.19

     
日本で萩市にしかない桜、ミドリヨシノです。志都岐山(しづきやま)神社の前、万歳橋の側にあります。花弁はソメイヨシノに似て白く、萼(がく)は緑色で全体を見ると緑っぽく見えます。昔はソメイヨシノの変種で独立種とされてましたが、今は「エドヒガンとヤマザクラの自然雑種と考えられる」とされています。今日は桜見物にはまだ早く蕾の状態でした。あと一週間ぐらいで開花かな?

    
 緑がかって見える花芽          幹はこんな感じです。

     
近くには連理の松があります。(連理とは、近くに生えた二本の木が合わさって合体し、木肌や木目が連なること) 違う種類の木でも連理の木になることがあるそうです。不思議ですね。


1-➉大照院のスダジイほか(萩市椿青海)
           2020.03.19
     
ご存知、萩毛利藩主の墓所のある大照院です。初代から偶数代の藩主の墓があります。墓を囲むように大木がそこかしこに有り、スダジイの巨樹は左側最奥の12代斉広の墓所に行く途中、右に大きく曲がる辺りにあります。最初は分からなかったのですが、木々の整備をされてる方に聞いてやっと探し当てました。石階段から少し入った処にあり、見つけた時は思わず「おおーーっ」と声が出ました。傍に行ってみると余計にその巨樹ぶりが分かり感激でした。
    
老木なので幹は少し痛んでいますが、立派な巨樹です。

    
大きさが分かりますか?         墓所の近くに板根の
                   立派な大木が有りました。
            右側奥墓所近くの大フジの看板。フジの大きいのは枯れてしまったのか見られませんでしたが、フジ自体はそこかしこに有ります。

     
こんな感じです。          中にはこんな変なのも。

       残存する中で、一番大きなフジだということです。


1-⑨南明寺のイトザクラ(萩市椿沖原)
            2020.03.19
 
江戸時代から萩では有名だった、南明寺(なんみょうじ)のイトザクラ。満開を過ぎたぐらいでしたが、まだまだ綺麗です。この日も平日でしたが花見の人が多かったです。エドヒガンが下垂する品種の桜で、有名なのは、日本三大桜にも数えられる福島県三春町の「三春滝桜」があります。
   
小さい方の桜。       一番大きなイトザクラ。花は終りに近い?

  
花見の風景      お地蔵さまもホンワカ

1-⑧吉広のバクチノキ(萩市三見吉広)
   県指定天然記念物 2020.03.19
  
この樹は「木肌が紅色で目立つからすぐ分かるだろう」なんて思ってたらとんでもない。あっちに行ったりこっちに行ったりと、いい加減探しあぐねてとうとう三見駅前で人に聞いて場所が分かった次第です。ごらんのように葉っぱで木肌が隠れていて分からず、一度は通り過ぎてしまいこれは違うなと引き返した時に「ひょっとしてこれかも?」とやっとたどり着きました。
樹皮が鱗片状に剥がれ落ち、その跡が紅色になるという珍しい樹木です。まるで博奕に負けて身ぐるみ剥がされた人間のようだということで「バクチノキ」と名付けられたそうです。

     
案内板。車からは  近づくと木肌はこんな色。  葉っぱ  
見えません。

  
やっと探し当てたバクチノキは   道路との位置関係はこんなです。
やはり立派でした。


1-⑦河内さまのシラカシ(萩市明木菅蓋)
           2020.03.19
   
国道267号で萩へ向かう途中、明木にあるという「河内さまのシラカシ」を探しました。少し迷いやっと探し当てて行ってみると、その立派さにびっくりです。

  
小さな祠があり幹にはいろんな   シラカシの実    シラカシの葉っぱ
植物がからんでます。少し痛み始め
てるかなー。


1-⑥黒龍大明神のクロガネモチ
   防府市向島厳島神社の裏)   2020.03.09
防府市向島の厳島神社の裏に行って探し廻ってもそれらしい巨樹は見当たりません。諦めかけた時に右側から崖上に上がる道を見つけて行ってみると、黒龍大明神らしい祠を見つけました。その祠の左側に大きな木があるのを発見。やっと出会えました、立派な巨樹です。    

             
幹の下部にコブができてます。    数十年前に子供が傷つけた跡?

 この枝ぶり! 圧倒されます。
    

1-⑤向島小学校の蓬莱桜(防府市向島)
   県指定天然記念物     2020.03.09
   
百数十年前に植えられ、近年蓬莱桜(ほうらいざくら)と名付けられた桜。
ヤマザクラとカンヒザクラの混血だろうと言われてます。見事な桜です。

 幹は大きいです。  案内板 

 二十数年前に折れたソメイヨシノに蓬莱桜を
          接ぎ木した桜。小ぶりですが綺麗です。


1-④正福寺のイブキ(カイヅカイブキ、山口市駅通り)
   県指定天然記念物      2020.03.05
 全体はこんな感じ。見た目ちょっと不思議?。

        
近づくと、幹がねじれてる?     もっと近づくと、こんなになってる!。

 樹齢は約400年。


1-③八坂神社のホルトノキ(長門市仙崎)
           2020.03.03
  
八坂神社本殿。左の高木がホルトノキ。長門市が生んだ偉大な詩人の
「金子みすゞ」さんもよく通われていたとのことです。

  
 樹齢は約300年か?      木肌は象皮みたいです。
 ポルトガルの木 が ⇒⇒ ホルトノキ に?


1-②青景のイチイガシ(美祢市秋芳町青景森ヶ浴)
   国指定天然記念物....でした。  2020.03.03 
 本によると道路に案内板があると書いていましたが、行けども行けども案内板など無く迷いに迷った挙句、やっとの思いで辿り着きました。ところが写真のごとく倒木となっていまして(樹は2008年1月頃に倒木)、これでは案内板も撤去したはずだと納得しました。国の天然記念物になるほどの立派な大きさがあったのでしょうし、ぜひ一目でもその雄姿を見たかったなぁーと残念でなりません。


   
看板が残ってました。   苦労して辿り着いただけに残念無念


1-①秋吉八幡宮のイチョウ(美祢市秋芳町秋吉)
                   2020.03.03
 
1192年創建の歴史ある秋吉八幡宮  奥が本殿

     
ん?! 少し普通と違う?。  近づいてみると、支幹が多くて、普通の
             イチョウとは違って異形です。