大なる時計 2015年04月14日 | 明治42年 父よ父よなどて舎監の前にしてかのとき銀の時計を捲きし 「歌稿〔B〕」 明治42年4月12日(月) 父に伴われて盛岡中学校寄宿舎の自彊寮に入り、舎監長山県頼咸、舎監千田助治、佐々木経造の三先生に面会挨拶、このとき父「大なる」銀時計を出してまく。(【新】校本第16巻(下)より) さすがに「いなかでしょうな」とは言われなかったと思うが、 何を思ったか父は舎監らの前で大きな銀時計を取りだしてねじを巻いたという。 多感な年頃の賢治にとってそれは印象的なできごとだった。