監督 キング・ヴィダー
出演 オードリー・ヘップバーン
(Natasha Rostov)
ヘンリー・フォンダ (Perre Bezukhov)
メル・フェラー (Andrey)
ヴィットリオ・ガスマン (Anatole Kuragin)
ジョン・ミルズ (Platon Karatsev)
「戦争と平和(1956)」キャスト・スタッフ一覧
作品情報 - 戦争と平和(1956)
原題 War and Peace
製作年 1956年
製作国 アメリカ
配給 パラマウント
読んでおいてほうがいいらしいトルストイの原作「戦争と平和」に手をつける気がしないので
「まあ、映画ですまそ」 と観た映画なんですけどね。
全体としては、まあ、観ても観なくてもそれほど違いはなかったかな・・・という印象でしょうか・・・。
面白くなくはないのですが、全体に質素すぎる
お金は使ってるし、戦闘シーンは(きっと)見応えあるだろうけれど、どことなく冗漫な感じで。
で、オードリー・ヘップバーンが主役でした
好きな女優だけど、この映画ではいつもの可愛らしさを追おうとすると、役と噛み合わずに、チグハグ感を抱いたまま、最後まで。
あまり魅力がなかったわあ。
「戦争と平和」というタイトルなんだけれども、全編貫いて描かれるのは、人間の愛の問題かな。
冒頭、「戦争って面白いわ!」と浮かれて登場する貴族の娘のナターシャ(ヘップバーン)は、舞踏会で男をゲットすることが最大の目的で生きている。
貴族の女はそれでいいわけね。
それが、国土(なんと、ここはロシア。みんな英語を話すアメリカ人が演じるロシア人)をナポレオン軍に侵攻され、荒れ果て朽ち果て、兵士は次々に死んでいく・・・
という悲惨な状況
&
恋の失敗、大切な人の死・・・
など人生の修羅場をくぐる中で、ナターシャは老成した感じになるのが、哀れでね。
若いのに、深く深く人生の哀愁を知るわけです。
成長がこんな形で成されるのなら、成長なんてしなくてナンボ、みたいな感想ももちました。
跳ねてて、傲慢で、他人の痛みは全くわからず、自分や自分の恋の相手は永久に若く元気で輝いている・・・
それが若さ、というものではないかな?
逆にいうと、若いうちは恋だけしてればいいのかも。
人間、長い老後があるから、心の成長が必要なのかも・・・
などと感じた映画でした。
泣けたシーンが一つ。
犬を愛していて、戦場でいつも一緒にいた兵士、死の行軍で凍てついた道を延々と逃げることになり、
力尽きて倒れ、味方の兵士から銃殺されてしまう。
最期に笑顔で「君も怖いんだろ?」と銃を構えた兵士に一言、言いながら。
あとに残った犬がクーン、クーンと死体のまわりでウロついてる。
(それを主役の一人ピエールが、ひょいと拾って歩きだす)