「報恩講」とは、お坊さんが檀家を回る行事なのだが、かつてはそこに各家から一人ずつ集まって檀家を回ったという。だいたいがその家のおばあさんが出て、各家でお茶を飲みながらひとしきり話をして次の家へ行く、という、家のヨメにはしんどい行事でもあったらしいのだが、まぁ年寄りが一日かけて茶飲み話をする口実にもなったらしいのだ。
今はもうそんなことはなく、お坊さんが各家を回ってお経か何か(たぶん正信偈(しょうしんげ))をあげて回るだけだ。だいたいが平日で私はいないので、詳しくは知らない。
その日は、仏壇に餅を上げる。それは“おさがり”として持ち帰ってもらうためだったらしいが、今はどうしているか知らない。でも、この日に餅をつくことだけは続いている。
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これの倍ほど作ってあった。
ひとつひとつは小さくて、直径が3~4㎝の小餅である。
小餅は正月にも作るが、その時の餅(雑煮に入れるヤツ)はこれよりもひとまわり大きい。なぜ大きさが違うのかは知らない。
(う~む、しらないことだらけだ…
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ほら、丸くて可愛いでしょ?
餅をついた後、ひとつひとつ手ででちぎって、手で丸める。
正月の餅を丸めるのは私の仕事なのだが、今日はばあさんが丸めていたということで、ばあさんは真っ赤になった手を見せていた。熱いからね。
結局この餅は、おおかたがばあさんと息子の腹に入る。
好きだからねぇ、この二人は!