四季折々の美しい岩手

岩手の自然や風景、日々思うことについて書き綴っています。

ホワイトクリスマス

2005年12月24日 23時25分35秒 | Weblog
~ ホワイトクリスマス ~

遠い日に
 秋田の郊外に、住んでいた頃
 ときおり、牧師さんが、尋ねてくださる。
 聖書のお話をして帰り際に、幼い長男に
 「神の祝福がありますように」と、祈ってくださる。

長男が初めての、
クリスマスイブを迎えたその日は、
朝から雪が降り続き、吹雪になった。
降った雪は、地上から舞い上がり、降りてくる。
地上は、いつしか雪原になり
波打って起伏し、美しい雪景色。

  窓に吹き付けられた雪は
部屋の暖房で、中心から解けて、額縁のようになり、
その窓から見る雪景色は、
絵のようだった。

やがて、吹雪がやみ、
辺りは暗くなった頃、
長男を抱いて、窓の外を見ると、
点々と灯りが見え、だんだん近づいてくる。

 「今晩は~」
驚いて、玄関を開けると、
牧師さんが、数人の信者さんと、
灯りを手に、尋ねてくださる。
いつものように、幼い長男の頭をなで、
「神の祝福がありますように」と祈って下さり、
雪の中を遠ざかって行く。

雪の夜に
歌声は、静寂の中に
吸い込まれるように消え
灯りも、点々と遠ざかって行く。

その情景は 、まるで幻想の世界・・・
毎年、クリスマスが近づくと、
過ぎし遠い日の、素敵な夜を
静かに想う。


同文ホームページに記載
http://www.kotorizawa.com/xmasu.html

茶室

2005年12月21日 20時23分33秒 | Weblog
 
     今年のお稽古も今日でお終い。
     茶室には「無事」と書かれたお軸が飾ってあった。
     お軸拝見の後に「お軸は?」と、お尋ねしたら、
     「一年間無事に過ごせましたので、今日の日にお目に
     かけました、このお軸には、思い出があるんですよ」
     と、話された。

     ご主人が定年で、お仕事を辞められて帰られた日に、
     初めて茶室に飾り、無事に仕事を終えられたことに、
     感謝をして、お茶を一服差し上げられたそうです。
     幼友達で、お茶の先生の感慨深い、お話でした。


             ソロバン玉の型の水指



雪の降る街

2005年12月17日 22時37分03秒 | Weblog
 
「共にふれあい、共に生きる」

  先日、授産施設複合型施設にコーラスの慰問に行った。
  会場には、高齢の方、壮年の方、まだ若い人に、
  介護士さんが、付き添って、席についている。

  指導者の先生が「こんにちは、今日はお招き下さいまして、
  ありがとうございます。
  皆さんと一緒に、歌いながら楽しい時間を過ごしましょう」と
  挨拶をされた。

  ピアノ伴奏で、皆さんが知ってる童謡・叙情歌・クリスマスソン
  グを歌うと、施設の皆さんも一緒に歌い始めた。
  最後に ”雪の降る街を”女性三部合唱で歌いながら、
  前を見たら、一人の老婦人が、うつむいたまま、膝の上で
  拍子をとっている。

  過ぎし日の、思い出が蘇ってきたのでしょうか・・・
  その様子を見たら、歌いながら、涙がこみ上げてきた。
 
  先生が「これでお終いにします 又お逢いしましょう」と、
  挨拶をして下がろうとしたら、
  先ほどのうつむいて拍子をとっていた老婦人が、
  「あの~旦那さん 一人で歌って くなんせ」
  と、先生に言われた。

  独唱をして下さいとお願いをしたのだった。

  一瞬空白の時が流れたが、伴奏者はピアノを弾き始め、
  先生も壇上に戻り、歌い始めた。

  雪の降る街を~♪ 雪の降る街を~♪
   思い出だけが通り過ぎてゆく~♪
       雪の降る街を~♪

  美しい声で、しっとりと歌い上げた。
  
  いつしか、会場は心一つになり、拍手に包まれた。
  忘れ去った日々を歌声で、思い出して下ったのでしょうか。

  旦那さん! と、呼びかけた言葉にいい知れぬ感動を覚えた。
  
  

宮沢賢治の童話の世界

2005年12月13日 21時14分32秒 | Weblog

『どんぐりと山猫』

  パソコンの友達二人と、”ホテル森の風 ”に行き、
  忘年会を兼ねて昼食会をすることになった。

  楽しみにしていたこの日の朝は、最低気温-9.7度の
  厳しい朝を迎える。
  道路は凍りついたまま・・・
  でも、友達は運転の上手な方なので、安心してお話が弾む。
  途中の五所湖には、薄氷が張りはじめていた。
  
  しばらく車で走ると、外観はヨーロピアンスタイルのホテルが
  森の中に見える。
  辺りは白一色、おしゃれなホテルは、女性にはうれしい・・・
  ロビーから、らせん状の階段を昇っていくと、
  そこには、宮沢賢治の童話の世界が広がっていた。
  惹き付けられるように、童話の世界に誘われて行く・・・



『北守将軍と三人兄弟の医者』



『セロ弾きのゴーシュ』



正面 ロビー
  

  

冬晴れ

2005年12月06日 16時43分37秒 | Weblog
  
       風も無く青空が広がったので、ダム湖へ・・・
       夜に降った雪が岸辺に残っている
       陽が射して歩くと汗ばむくらいだが、
       湖畔の風に顔と手が冷たい。
       足元は、凍りついて滑りそう・・・



今年も、鴨が飛来して泳いでいる



さざ波で描く鴨の群れ

炉開き

2005年12月04日 14時24分00秒 | Weblog
 
     炉開き
    炉を開いて新しい季節を迎える時期であると同時に、
    新茶の入った壷を開ける時でもあるこの頃を、
    お茶の世界では茶の新年として祝います。
    お茶の先生でもある友達から
    「今年も炉開きの季節になりました・・・」と、
    茶会のお招きをいただきました。
    茶室に入ると、”炉開きの茶事”が行われ
    茶会席の料理が用意されていました。
    新茶の壷を開き「口切り」のおめでたい茶会を
    おごそかに催されましたが、会席料理を頂く頃は、  
    お話が弾み楽しい茶会になりました。