この山には、つい先月登ったばかりである。
あの時の目的は、クリンソウとシャクナゲだった。
一か月後の今回は、タイトル通り、ヒコサンヒメシャラと、オオヤマレンゲをこの目にしたい!
である。
まずは奉幣殿だ。
社務所脇に、目当ての花はあるらしい。
おっと、いきなり出会えたよ。
ヒコサンヒメシャラだ。
英彦山の固有種である。
花弁が、一般の物と比べて、少し大きいらしい。
目的達成。
さあ、帰ろうか。
てな訳にはいかんか。
なんせ暑い!
暑さにはからっきしの私だ。
それより何より、昨晩は夜間頻尿で、殆ど睡眠がとれていない。
全く持って、歳は取りたくないもんだ。
ここまで、奉幣殿までの石段を登っただけだ。
それなのに、本格的な山登りを前にして、早くもバテている有様である。
そういえば前回、
四王寺の滝から南岳稜線までの、延々と続く急登に、散々に打ちのめされた記憶が蘇ってきた。
どうやらこの山は、私にとって鬼門筋かもしれない。
あの時も、家内はケロッとしていた。
惨敗である。
今回も、あの屈辱を味わう事になりそうだ。
「イナモリソウ。ほれ写真撮らんか。」(家内)
「ハヘー、ハヘー、、、ちょっと待て。立ち眩みが。」(私)
タツナミソウ
さて今回のコースだが、ヘロヘロ四王寺滝コースなどではなく、ごく普通に正面参道をとる。
これはこれで、きついのだが。
何の花?
薄暗い山道で、この花の上にだけ、陽が差していたのでついパシャリ。
バテバテひろちゃんも、何とか鎖場まで登ってきた。
ハヒー、ハヒー
コバノフユイチゴ
ツクシヤブウツギ
ヤマゴボウ
やっと、行者堂まで来た。
このコースを選んだのは、この付近に、今回のもう一つの目的である、あれが咲いているからだ。
あ、あそこだ。
オオヤマレンゲ、ちゃんと咲いてるよ。
鼻を近づけると、得も言われぬ芳香が。
森の貴婦人の名に恥じない姿である。
元気が出て来たぞ。
さあ、頂上はもうすぐそこだ。
ドウダンツツジの向こうには、英彦山神宮上宮の姿が。
到着だ。
いつものコースタイムより、30分以上かかってしまっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/34/244efe9b29a71de4c4b7fe2fe972590a.jpg)
ゆっくり休憩をとろう。
下山は北西尾根を行く。
ここから暫くは、見晴らしのいい尾根道が続く。
枯れ木に巻き付く、ツルアジサイ
背後に見えるは北岳。
その内、深い森に代わって行く。
急傾斜の坂道が続き、気持ちの良い稜線歩きから、様相が一変する。
白い花弁が落ちている。
その向こうには、独特の赤褐色の木肌が見える。
北西尾根自生のヒコサンヒメシャラだ。
数輪がまだ枝に残っていた。
タニギキョウ
サワギク
分岐を左に折れ、暫く行くと歩荷道と合流する。
歩荷道の途中、あまりの悪臭に辺りを見回す。
それは、腐乱した猪の死骸(画像は自粛)だった。
二人して、
「ぎょえぇぇぇーーー!!!」
どうのこうので、何とか無事に登山口まで降りて来た。