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雪見の窓から

観たり聴いたりときどきおしごと

能登演劇堂へ

2025-03-24 07:44:00 | 日記
石川県七尾市にある能登演劇堂で「まつとおね」を観劇してきました。

出演は 吉岡里帆さんと蓮佛美沙子さん。
令和6年能登半島地震復興祈念公演と銘打たれた2人芝居です。

無名塾の仲代達矢さんらと地元の方々との長年にわたる交流で1995年に創設され

後方の扉が開くと広がる雄大な自然が舞台と一体化する劇空間を持つ、国内でも珍しい形態の劇場です。

昨年1月、地震で被災しましたが、今年2月までの大規模修復を経て復活公演となりました。

吉岡さん演じる まつ(前田利家の妻・のちの芳春院)
蓮佛さん演じる おね(豊臣秀吉の妻・のちの高台院)。

夫を支えながら政争に巻き込まれ、家族を奪われ、耐え抜いたまつ。
天下人の妻として欲や憎しみを抱えるその苦しい胸のうちをまつにぶつけるおね。

戦国の世に翻弄されながら平和を祈り、前を向いてたくましく生きるふたりの激しくも生き生きした心情が今を生きる私たちにも響きます。

二人芝居だからこその台詞の掛け合い。
歌舞伎の技法を彷彿とさせる演出の妙、大島ミチルさんのドラマチックかつ優美な音楽。時代や年齢を軽々と超え演じ分ける確かな演技力、感嘆しました。

勿論クライマックスには、舞台後方の扉が開いて光の射す道がふたりを導くように広がっていました(注・昼公演でした)。

キャストのお二人、制作関係者も、この場所で演劇という興業をすることが誰かを傷つけるのではないかと葛藤があったと言います。

しかしこの場所でやるからこその意味があると地元の方との交流で実感し、胸を張って舞台に臨んだとのこと。

そこにはたくさんの笑顔とエネルギーが溢れ、20数年ぶりに訪れた私もパワーを頂いた貴重な時間でした。

震災の爪跡はまだまだ残っています

自分にできることを少しずつでも続けていけたらと思います。


地元名産の「中島菜」のソフトで『のと活』。
石川県の形にも見えてきたりして






慶雲昌光

2025-01-02 00:21:00 | 日記
謹んで新年のご挨拶を申しあげます。


能登半島地震から一年。
大晦日にはなぜか除夜の鐘を鳴らす音が聴こえてきませんでしたが、
元日16時10分、どこかの寺院から鐘をつく音が響いてきました。
黙祷をしました。

新しい年が、穏やかで希望の光に満ちた年でありますように。

復興の歩みが確実に進んでいきますように。

今年のおせちは「北陸応援おせち 北陸づくり」。北陸の海の幸 山の幸が使用され、とても美味しかったです

売上の一部は 能登半島地震と奥能登豪雨災害の義援金として寄付されます。


柴めくり2025
掲載されました🐾

旧年中はありがとうございました。本年も気まま更新ではあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。






秋日閑談

2024-10-21 06:45:00 | 日記
長かった夏が遠ざかり、澄んだ空の下に金木犀が咲き、
ぎゅうぎゅう詰めだった心に、ようやく穏やかな風の通り道ができた気がします 。

手放す寂しさを、新しく入ってくるための余白に変える

そんな日々に聞いていた曲たちです。

·映画『時々、私は考える』 より Opening /Dabney Morris
·航海日誌 映画『冒険者たち』 より /Bernard Gerard
·Silver Joy  映画『ホールドオーバーズ』より /Damien Jurado
·Rainbow 「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」より/Vincent Blue
·Heavy Love /Rockon Social Club
·花 /藤井風
·秋、多摩川にて/KAN
·夏、ハイランドフォールズにて/Billy Joel
·落葉のコンチェルト/Albert Hammond

『時々、私は考える』と『ホールドオーバーズ』、どちらも封切は見逃して、ミニシアターで滑り込み鑑賞。

『時々~』は主人公への共感度が半端なく、不思議な色彩の映像美とともに、無性に心地よい作品。

『ホールド~』は、『ネブラスカ』の監督だと映画好きの知人に聞いて楽しみにしていました。
想像よりほろ苦い話でしたが、それこそが人生であり大人なのですね。
70年代の舞台を彩る珠玉のサウンドトラックが、これまたべらぼうに素晴らしかった!

そして「航海日誌」。
アラン・ドロンの映画『冒険者たち』の冒頭、自転車を押しながら登場するレティシア(ジョアンナ・シムカス)と美しく寂しげな口笛のメロディーがあまりにも鮮烈でした。

冒険のスリルと青春の終章が交差する物語の魅力を見事に表現したこの曲、日本では1987年にHONDAのシビックのCMで使用されていて、私はそちらで先に知りました。

さらには、『地下室のメロディー』の音楽がプレリュードのCMに使われていたりと、当時のHONDAのCM担当にはアラン・ドロン好きがいたのではないか? と勝手に推測しています。


余談ですが、父が昔、背広を仕立てに行ったお店で採寸していた時、店員さんに「アラン・ドロンと同じ体型ですね」と言われたことにいたく感激し、その後何十回も自慢していたものです。
営業上のリップサービス……と今ならツッコミのひとつも入れたいところですが、当時はまだカリスマという言葉は浸透しておらず、名前一つで有頂天にもなれる、そんなお茶の間憧れの外国スターが、テレビの中にたくさんいた時代でした。

ちなみに父のもう一つの自慢(?)は「生まれた年がオードリー・ヘップバーンと同じ」というもの。私だって、ウィノナ・ライダーと同学年だぞ(なぜ張り合う)。

実は私も自慢したかったりして🥴





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夏が通り過ぎていく

2024-08-12 02:59:58 | 日記
いわゆる流行りやまいの療養期間が終わり、そろそろりと再始動しています。

高齢者の介護をする身として、どこでもマスク、大人数の会食や飲み会は極力避けるなど、今までかなり気をつけてきましたが、不可抗力のような形でかかってしまうのがウィルスの怖さだなと改めて感じました。

5、6、7月と仕事、介護、家事で忙しかった分、
気ままにラジオを聴いたり、配信サイトにおすすめされるがままに映画やドラマを観たり、時間に追われずに過ごすことが本当に数年ぶりで、ある意味、ありがたいことだったのかも……と今になって思えるようになりましたが笑、
やはりもう勘弁してほしい、が本音です。

※この期間観た主な映画、ドラマ
『ボヘミアン・ラプソディ』『ショー・マスト・ゴー・オン』『生きてるだけで、愛』『Red』『彼女について知ることのすべて』『リトル・マエストラ』『運命じゃない人』『私の知らないわたしの素顔』『秘密の森の、その向こう』
韓ドラ「プロデューサー」


気づけばオリンピックも終わり。
7年間バドミントン🏸を嗜んだので、女子ダブルス3位決定戦だけは見ました🥉スピードと緩急が凄すぎた👏👏👏

大きな地震や台風も気がかりですが
諸々気をつけながら、夏らしい思い出をひとつくらいは作りたいものです。


私はいつでもオッケーよ👌⚽️🌿🌞




三か月が過ぎました

2024-04-08 07:45:00 | 日記
桜の季節がやってきました🌸🌸🌸

今年は春を待ち焦がれる気持ちと、季節が進むことへの焦りや切なさのような思いが入りまじる、そんな桜便りでした。

3月末、
金沢市の隣、河北郡内灘町の西荒屋地区へ行ってきました。

軽自動車で能登半島へ赴くには時間や技術や体力や装備があまりに足りず、復旧作業の邪魔になってもいけない……でも今現在、どんな状況なのか、行ける範囲で見ておこうと思いました。

報道等でも状況は見聞きしていましたが、地震から3ヶ月経とうとする時期にあっても、目に見える範囲だけで地盤被害と液状化による影響は大きく、その多くは未だ手つかずで残っている印象です。

とはいえ、発災当初に大きく隆起し地割れを起こした道路は車が通れる程に整備され、道に覆いかぶさるようにいろんな角度に傾いていた電柱も安全な状態に修復されていました。

発災当初の記事↓

私が行った日も、現場作業の方々と思われる人を数人見かけました。ただ現在人員や重機は能登に集まっている状態で、どうしても人手は足りないであろうことが感じられました。

歩く人影も疎らでしたが、2人連れの高齢女性が歩いているのを見かけ、その表情が明るかったのは救いでした。

夜になってもう一度通った時にはところどころ住宅に明かりが灯っていて、少しだけ安堵する反面、家に戻れない方々を思うと胸が痛みました。

内灘町から少し離れたかほく市では、やはり地割れなど通行止めの場所が多くありましたが、すぐそばの公園では子どもたちが楽しげに遊び、イオンモールも一部を除いて元気に営業中でした。


ひと月程前、TVで見た男子高校生の言葉が印象に残っています。 神奈川からボランティアに来た彼は言いました。
「もう関東では、能登の地震のことを口にする時期は終わったという空気になっている。だけど困っている人がいる以上、何か役に立ちたいと思ってここに来ました」

自分がこの年頃の時に、そんな風に思う感性があっただろうか? と、とても感銘を受けたのです。

能登の人は本当に我慢強くて優しい。改めて感じます。被災された方の言葉を直接間接に聞き、愚痴や泣き言より、自分たちより大きな被害のあった地域を常に思いやり、「気にかけてもらえるだけで嬉しい」と、相手を労る気持ちを忘れない、そんな姿勢にとても頭が下がる思いです 。


かつて新卒で入社した会社で、石川県の自然雑誌の編集に携わりました。その時に出会った能登の雄大な自然、風光明媚な景色、芯が強く温かい人々、美味しい食べ物……
その経験のお陰で郷里をより深く知ることができ、豊かさに気づけたと思っています。

未だ断水が解消されない地域があり、仮設住宅への入居や家屋の公費解体が始まる一方、のと鉄道の復活など、嬉しいニュースも少しずつ届き始めています。
時に厳しい状況が訪れても再起してきた土地です。
これから先、復興への長い道のり 、何ができるか考え、能登をはじめとした地域を思う気持ちを持ち続けたい。
そしていつの日かまた能登へ、足を運びたい。そう願っています。






シバ(48)の日だわん🌸