『我が偽りの名の下へ集え、星々』紹介ブログ

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オデッセウス級超大型戦艦ロゴス

2017-04-02 | 設定:宇宙船、メカニック
オデッセウス級超大型戦艦は、文字通りオデッセウス作戦に備えてグレゴール帝自らが設計に参加した、汎銀河帝国全体の旗艦である。
全長1100メートル、全幅750メートル、全高600メートル。並外れた巨艦であるが、イスカンダル作戦の際にマクシミリアン帝が建造を指示したインペラトール級の1300メートルには及ばない。しかしインペラトール級が既存の戦闘艦のスケールアップであったのに対して、オデッセウス級は極めて斬新な設計思想で建造された艦である。
初めて公開されたロゴスを見た時、誰もがこの艦は未完成だと思い込んだ。それほど異様な形状をしているのである。その形状は「食器棚」「シャシーだけになった大昔のガソリンエンジン自動車」などと揶揄された。しかしロゴスはその棚板やシャシーに当たる部分に、他の艦艇を繋留、その艦を砲台として利用するという前代未聞の運用方法を念頭に開発されたのである。
ロゴスそのものは攻撃力よりも防御に重点を置いて建造されており、新型の対レーザー塗装やフラクタル装甲、試作空間負荷式対レーザー防盾を採用。有人区画は艦中央のごく一部に限られており、被弾した場合でもダメージコントロールが容易なように工夫されている。
防御ばかりに目が行きがちだが、大出力の試作120v型対艦/対物レーザー砲を艦首に固定装備。他にも試作リボルバー式コンビネーション砲や220L超大型レールガンを装備。火力も桁違いのものとなっている。
また繋留した艦艇ごとリープストリームに突入する事が出来るよう設計されており、リープストリーム離脱直後から艦隊戦を仕掛けることが可能である。
グレゴール帝はこのロゴスを中核とした艦隊を率いて、ウーラント軍領域侵攻作戦「オデッセウス作戦」を決行。ウーラント軍を事実上、壊滅させることに成功した。
その後、艦内の移動に手間がかかるなど、実際に運用されて分かった欠陥を改修している。また120v型レーザー砲やリボルバー式コンビネーション砲はあくまで試作品であり、オデッセウス作戦後には、空間負荷型対レーザー防盾など他の試作装備と共に撤去された。
その運用法から戦艦ではなく空母ではないかという指摘もあり、事実、設計開始当初は「戦闘母艦」とも呼ばれていたが、オデッセウス作戦にあっては、その並外れた防御力を生かして先陣を切り敵艦隊へ肉薄することもしばしばあり、火力ではなく防御にもすぐれた艦艇が戦艦というのならば、オデッセウス級はまさに戦艦である。
なおロゴスが同級一番艦であるにも関わらず、クラス名と無関係の名称なのは、オデッセウス作戦決行前に、その名称だけが国民の間に知れ渡ってしまい、多くの人々が「超大型戦艦建造計画」こそオデッセウス作戦だろうと誤解していたためである。
グレゴール帝は最初から艦名をロゴスとして、クラス名もそれに合わせるつもりであったが、すでに国民の間ではオデッセウス級という名前が通用していたため、それに合わせたと言われている。
3020年現在、すでに二番艦イデア、三番艦スコラがほぼ完成。艤装が進められている。