神権派、神君派とも呼称する。
前王朝シュトラウスを支持する勢力は少なくないが、その中でも神聖派は特に過激でカルト的とも言える。彼らはシュトラウス朝初代皇帝ヴァルデマールを神君と呼び、その子孫は神から銀河皇帝足る権利を与えられた、神聖な血統と考えている。
元を正せばシュトラウス朝第六代皇帝バルトロメウスが、帝国の支配を確実にするためにヴァルデマールを神格化した事に始まる。それはいわば「シュトラウス教」とでも言うべきものであったが、帝国臣民には受け入れられず、バルトロメウス帝の死後はほとんど忘れされられていた。しかし初代皇帝ヴァルデマールを信奉する一部貴族や裕福な市民に間では、密かにそして脈々と受け継がれていたのである。
彼らにとって神聖なのはあくまで初代皇帝ヴァルデマールの血縁を受け継ぐもの。シュトラウス朝第十代皇帝ルートヴィッヒは、ヴァルデマールの兄ヴィルヘルムの子孫であり、神聖派にとっては崇拝の対象とならない。そしてルートヴィッヒの子孫である現シュトラウス公爵家も同様であり、むしろ敵意をあらわにする場合さえ有る。
神聖派にとって主人はヴァルデマールの血統を継ぐ者しかいないという建前もあり、明確な指導者は存在しない。
シュトラウス朝最後の皇帝ヘルムートは、退位後、とある惑星で軟禁されてその生涯を終えたと言われているが、長男ヘルベルトは行方は分かっておらず、また子供がいたという信憑性の高い情報もある。
3020年現在、ヘルベルトもしくはその子を見つけ出し、再び帝位に就ける事が神聖派の悲願となっている。