暑い……


今日も凄く暑い……‼︎
こんな日は涼しい場所で冷たい物を。
ついでにお盆の買い物もしたいしね。
そんなわけで
デパートのフードコートにて、
季節感たっぷりなスイカジュースに舌鼓。

帰りにタコ焼き買って、
野球中継のお供にしようかな……
なんて考えていたら、
社長からの着信が。
「ミルくん、ちょっと聞きたいんだけど」
「はい」
「オシキミが何処にも売っていなくて…
ミルくんなら何か情報入ってない?」
しきみ……
線香の材料としても使われる、
墓地や寺などに供えられる植物です。
去年売っていたからと言って、
今年もあるとは限らないのは良くある事。
「ジョイフルエーケーの生活館にある、
仏花コーナーに葉っぱ類の棚があって…
確かそこにオシキミもありましたよ」
「…………。」
「社長?」
「ミルくん……
何でそんな事まで知ってるの……」
いやいや‼︎
ちょっと待てや社長ッ‼︎
聞いてきたの、そっちでしょ⁉︎
何で質問に答えたのにドン引きしてんの⁉︎
「理不尽」
「ゴメンゴメン
まさか本当に答えが返って来るとは
思わなかったからさ…まぁ助かったよ」
もしかしたら自分は社長の中で、
『困った時に、とりあえず話振っとく相手』
というポジションにいるのかも知れない……
何はともあれ急な呼び出しではなくて良かった。
無事に社長との通話を終え、
涼しい休日の続きを満喫……しようとしたら。
「ミルや、ちょっと良い?」
……母親からのLINE。
何だろう
凄く嫌な予感がする
「何処かで憑かれたみたいでね
家の中で怪奇現象起きちゃった⭐︎」
起きちゃった⭐︎
……じゃねーよ‼︎
「そっか、大変だね
お坊様に相談してください」
そのためのお念仏です
ぜひ本職にお任せしましょう
……とは行かないんだよね、うん……
「家の食べ物、勝手に食べられちゃうの
お供物以外に手を付けたら泥棒よねぇ」
「あー……
餓鬼道行ってるタイプかな」
「外食中でもやられるのよ
完全に憑いてきてるよね」
飢えてるだけなら説得の余地がある。
まずは空腹を満たしてやれば、
こっちの話を聞く気になる可能性が出るし。
ただ自己顕示欲や嫌がらせ目的等の場合……
厄介極まりない事になりがちです。
まぁ、どちらにせよ厄介事なのですが。
「根本的な解決にはならないけど……
試しに家で食事をする際に、
料理を一度、神棚に供えてみて」
神棚からのお下がり物に、
手を付けられるかどうかをまず試して。
次に『ご先祖様どうぞ』と言って供えた物に
手を付けられるかどうかを試してみます。
最後に泥棒本人にだけお供えをして
手を付けられるかを試す……
その結果で大体、相手がどのカテゴリーに
存在するかザックリした判断が付きます。
とりあえず
まだ盆の入り前だというのに、
フライングで霊障の対処に駆り出されそう。
平和にお盆を過ごせない事が、
ほぼ確定してしまいました……
さて、と……
これから色々と準備しなきゃな……

庭の花が数少ない癒やし要素。