やすら木

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松枯れ・行政の無責任

2018-06-27 11:16:59 | Weblog

  

 ここ数年我が家も含め近隣の松枯れが急速に増え、倒木の危険があるので敷地の松を全量伐採した。建物を避けながらクレーンを使う難しい作業が数日かかったので、高級車ではないもののほぼ車1台分の費用だ。雨の日もあったが、業者の方には丁寧な仕事をしていただいて感謝している。

 この周辺の松は戦後に植林された後、手入れもされず放置されたため、良い状態ではなかったにもかかわらず、建物を建築した当時の穂高町役場の指導基準では、景観保全を理由に極力伐採しないこととなっていた。森林に関して無知であった私たちはその基準を守ったが、守らない人もいた。

 その後の町村合併で町は安曇野市に変わった。近年松枯れが進行し、当時の指導基準は森林についての無知に基づくものであったが、市はその責任をとることなく、道路上への倒木などの責任をすべて所有者に転嫁している。つまり正直者が馬鹿をみたのである。加えて市は松枯れ対策と称し補助金を関連業者などにばらまく口実にさえしている。

 腹立たしいことこの上ないが悪いことばかりでもない。樹勢のある切り株から木の香りが庭に満ち、その脇に樅の木の芽がでていた。おそらく、数十年前、罪深くも肥料枯れさせてしまった木の根が生きていて再び地上に現れたと思われる。山椒の若芽もみつけた。陽射しを遮っていた松が消え、これからは伸び伸び育つだろう。運気上昇の兆しと思いたい。

 植物は土の中でひっそりと息づき、日が当たればいつか命を吹き返す。人の世界もそうであると信じ、希望という種をまく努力を続けていく他はないのかもしれない。

写真は樅の木の芽と松の年輪。木によって表情はいろいろですね。

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