何年も会っていないのに、何となく、お互いに同じようなタイミングで思い出す友人がいます。
ほぼ同じ年齢。
どうして知り合ったんだか、ちょっと思い出せないくらい昔からの知り合い。
確か、何かの勉強会だったはず。
話し方が上品で、きれいで。見るからにお嬢様で。
でも、私が結婚する前に、もうすでに独身に戻っていたんだったかな。
私のセンパイというわけで。(笑)
その彼女がガンで闘病生活になっていたことを知ったのが3か月前。
抗がん剤で、ドラマのようだけれど、髪の毛の類がすべてなくなって、汗が目に入って苦労するとか、なってみた人でないとわからないようなとても笑えない話を、漫才のような風情で時々メールで知らせてくれます。
東急の「SALUS」というフリーペーパーがあるのですが、そこにコピーライターの岩崎俊一さんの連載があります。
実は、いつだったか岩崎さんの連載がストップしてしまい、すごく焦りました。
そして、目次の下に小さな字で入院生活に入り休載と書かれていたのが数回続き、そこを確認するたびに、また今回もか・・とため息をつきながら、心配していました。
が、先日ようやく復帰され、心底ほっとしました。
「人にとって、美しいものは救いである」
というタイトルで、岩崎さんの感性で捉えられた40日間の入院生活による発見が綴られていました。
病院の環境=「殺風景」が心と身体に沁みこむつらさ、一方で、看護師さんたちの見事な対応、仕事ぶり。
そういえば、このところ彼女からのメールがない・・
いやーな感じがして、すぐにその「SALUS」と本棚に並んでいた岩崎さんのコピーとその背景にあるドラマを綴ったエッセイ『幸福を見つめるコピー』を袋に詰めて送る。
元気なの?とメールを書く。
新しい治療で、食欲もなくなり食べられず、凹んでいたという。
届いてすぐ、岩崎さんの「SALUS」のエッセイをしばしの清涼剤のように読んでくれて、共感していました。よかった。
残念ではあるけれど、私では、彼女の心身の大変さをわかってあげることができない。
彼女の心や痛みが少しでも和らぐ時間があるといい、という願いを、岩崎俊一さんの本に託して。
どうかまた、あの、ころころ笑う、上品な笑顔と会えますように。
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