「白夜行」
2006-08-25 | 本

「白夜行」東野圭吾
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とにかくもう、すごい本です
一気に読むには長いけれども途中でやめられず、
生活に支障をきたすくらいでした
主人公二人の心理描写は全くなくて
二人の行動だけが周りの人々の視点で、少しずつ明らかになっていきます
決して隙をみせない雪穂と、亮司の本心、そして二人の関係性さえも、
事実と、言葉の端々から想像するしかないのです
ここまでよく考えられて、巧妙につくられた物語の中で、
一番中心にくるべき部分だけは、すっぽり空白になっているのです
亮司と雪穂の関係は?
雪穂のいう「太陽のかわり」というのは本当に亮司だったのか?
雪穂は篠塚一成が好きだったのか?
全部、想像するしかありません
二人の気持ちを考えめぐらすことを通して、
人間の人格や、良心、愛情、悪意について、
とても考えさせられました
「白夜行」ってどういう意味なんだろう?
って疑問に思いながら読んでいたのですが
亮司と、雪穂がその意味を暗示するセリフを口にしたとき、
二人の人生に、というかこの物語りに壮絶なものを感じました
同時に、化物のような二人の
本心が垣間見れる部分なのではないかと思います
実はドラマは見ていないのですが、
DVD借りてみようと思います