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みどりのブログ

夏休みは・・・学校の課題に追われて追われて、ひたすら追われて・・・・・終わった!!!!!!

「白夜行」

2006-08-25 | 


「白夜行」東野圭吾
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とにかくもう、すごい本です

一気に読むには長いけれども途中でやめられず、
生活に支障をきたすくらいでした



主人公二人の心理描写は全くなくて
二人の行動だけが周りの人々の視点で、少しずつ明らかになっていきます

決して隙をみせない雪穂と、亮司の本心、そして二人の関係性さえも、
事実と、言葉の端々から想像するしかないのです

ここまでよく考えられて、巧妙につくられた物語の中で、
一番中心にくるべき部分だけは、すっぽり空白になっているのです


亮司と雪穂の関係は?
雪穂のいう「太陽のかわり」というのは本当に亮司だったのか?
雪穂は篠塚一成が好きだったのか?



全部、想像するしかありません


二人の気持ちを考えめぐらすことを通して、
人間の人格や、良心、愛情、悪意について、
とても考えさせられました



「白夜行」ってどういう意味なんだろう?
って疑問に思いながら読んでいたのですが
亮司と、雪穂がその意味を暗示するセリフを口にしたとき、
二人の人生に、というかこの物語りに壮絶なものを感じました

同時に、化物のような二人の
本心が垣間見れる部分なのではないかと思います



実はドラマは見ていないのですが、
DVD借りてみようと思います

「ライ麦畑でつかまえて」

2006-08-21 | 


「ライ麦畑でつかまえて」
 J.D.サリンジャー
 (野崎孝 訳)



名作と呼ばれるのには違和感を感じました

面白い、面白くないではなくて
これが一般受けする作品には感じられなかったからです

当時のアメリカの人はこれを読んで、
どう感じたのでしょうか?
人によって全然捉えかたが違うものになりそうです


私は、どうにも困惑です
いまいち掴みどころのないかんじです

原文じゃないと面白さがわからないタイプの本だと言われているみたいですが
独特の言い回しで、主人公の口語調の文でしたが、それ自体に爽快感や面白さはかんじませんでした
「汚い言葉つかうなぁ」とか「おまえはなんなんだよ」って
逆にツッコミたいくらいでした


思春期の反抗期まっただなかのホールデンの感情はわかります
彼はとても純粋潔癖で、たぶんとても感受性の強い少年なのだと思います
人の汚い感情も敏感にキャッチしてしまい、
なにもかも嫌になったり、
それでも誰かと繋がっていたかったり、
誰も知っている人のいない地に行きたがったり、

とにかく矛盾だらけで
現実を受け入れられないでいます

子供と大人の間の時期の複雑な心理が
ほんとうにリアルに表現されていて
そのへんがこの本のすごいところなのだと思います

多分、私が中高生くらいのときに読んでいたら
共感しつつも鬱になっていきそうな本です



でも、実際にホールデンみたいな人が身近にいたら
たぶんすごく嫌いになると思います



「99.9%は仮説」

2006-08-18 | 


「99.9%は仮説」竹内薫
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科学哲学的な本です

簡単に簡単に、読みやすーく書かれています
文系の人でも子供でもすんなり読めると思います

科学的な雑学を例にあげながら、
「世の中実際にはよくわかっていないことばかり。常識を疑うことが大切です」
ってことを全体を通して言ってる本です



個々の科学の雑学的な話はおもしろかったのですが
言っていることとか結論はあたりまえのことばかりな気がしました

もっと踏み込んだ部分で何か提言があるのかな?
って期待しつつ読んだのですが
結局言いたいことは同じ内容の繰り返し、という印象でした

さらさら読めて、個々の話題はおもしろいし
「へぇ~」ってかんじです

でもね文章の書き方がね、なんか見下されてるかんじがして
ちょっとばかしイラっとしてしまいます

科学的な内容を思い切ってざっくりそぎ落として
ひたすら分かりやすく説明しちゃう、それはいいんですが
ちょっとやりすぎていて
雑学書としても微妙なかんじで

この本の位置づけというか
誰に読ませたいのかよくわからないかんじです

一般読者が対象なんでしょうけども・・・


もうちょっと突っ込んだ話というか
奥行きがあったほうが読みがいがあったかな~
というのが正直な感想です

「春の雪」

2006-08-07 | 


「春の雪」三島由紀夫
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恋愛小説は読まないんですけど
映画化されてたし馴染みあったから(見てないけど)


非常に読むの時間かかりました
自分には文章がちょっと難解です
時代背景の知識ないし宗教とか哲学の話がむずかしーい

でも本筋を読み進めるのには問題ないです

とりあえず描写が綺麗というか華麗というか上品というか
主人公、清顕の、冷たいどころか性格悪いよ!ってレベルの毒毒しさが
逆に「禁断の恋」ていうベタなストーリーを
ひねくれた私にも、すんなり読ませてくれました

清顕は「悲恋」である必然性を自覚しているし
聡子への愛によって自己実現を果たそうとします
ある意味、究極の自己愛なのでは・・




で、この物語は序章に過ぎないというわけなんですね


「豊饒の海」は4部作の輪廻転生の物語で
「春の雪」の主人公、松枝清顕の魂は
このあと生まれ変わって

第弐巻「奔馬」
第三巻「暁の寺」
第四巻「天人五衰」

と、続きます

そしてその4人の若者の生涯を、清顕の親友・本多が見届けます
どうも「春の雪」に伏線張り巡らしてるらしいので
続きが気になります

今「奔馬」読み中
今度は政治がテーマなようですね

清顕の生涯があまりに鮮烈だったので
清顕の生まれ変わりがでてくると
本多と一緒に「目が離せない」気分になります

「国家の品格」

2006-08-03 | 

「国家の品格」藤原正彦

 

流行りにのって読んで見ました

なんていうか・・・日本、大好きですよね彼は

堂々と日本びいき

自分を下げて控えめに、でも言いたい放題

 

「情緒」っていい言葉ですよね

「論理」や「合理性」だけじゃだめだし

全部が全部合理的だったらたぶん、つまんない

徹底した能力主義とか、資本主義とか疲れるし

 

「武士道精神」はね、確かにカッコイイ

ラストサムライとか大好きだし

でもさすがに今の日本人に「武士道精神」は行きすぎな気がします

 

日本人は素晴らしい

だから誇りを持って日本人らしく行きよう

 

こういう筆者のあつい思いがひしひしと伝わります

今の時代に流行るべくして流行った本ですね

おもしろいし、タメになります

 

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