真夜中親父の呟きblog

一所懸命に生き、よかれと思ってやったことを、ガチャガチャ言われる筋合いなどねぇ!と放言する、ヘンコツ親父。

写真の補正技術が高いレベルであるだけに、手を抜けなくて…

2009-10-25 03:03:20 | Weblog
仕事で使うのがデジカメに殆ど切り替わってから、撮影後の後処理に時間を取られるようになっている。
以前なら撮影したあと、現像時にモードを16bitや32bitにまず変換し、レベル補正、コントラスト補正を行い、そしてカラー補正を場合によっては掛けたり掛けなかったりした。その後トーンカーブでメリハリを付け、カメラ側で忠実設定で撮影しているので、彩度をやや持ち上げてから、モードを戻し、アンシャープマスクをして仕上がりだった。
ところがだ、この頃はそれだけでは思うほどには綺麗に仕上がらないことに気が付いた。
以前なら気にならなかったり、どうすればいいのか分からず諦めていた部分も、己の補正能力が高くなるにしたがって、更に綺麗に出来るのが分かったのだ。
これは、昨年末まで3ヶ月間に亘って、大阪のある私立の芸術大学で、Photoshop技能認定試験2級試験の対策講座の講師をしたことが大いに役立っているのだ。
報道の現場では、撮影した写真は、原則加工や修正を加えず、あくまでも補正のみで取り扱うから、あれこれPhotoshopの機能を十二分に使うことをしなくても、それで従来は充分に間に合っていると思っていた。
だから色んなことが出来るはず、と思いつつも、加工や修正などを仕事では殆ど使わず、プライベートな写真のみに、たまに思いついて使ってきただけ。
しかし、講師を担当するに当たって、教材の本を渡され、それに沿って教えねばならなくなった。
つまり、基本中の基本から、応用、そして高度な技術まで駆使できるようになっておかないと、質問されても分からない、ということが出てくる可能性もあった。
用意周到な小生としては、必要な部分のみしか読んで習得してこなかった知識や技術だけでは、いけない、と思って。大学の往復の電車の中で、プロ用のノウハウ本を勉強し、これでもか、というほどPhotoshopで出来ることを一通り以上全て学んで身に付けた。
教えなければいけないから、色んなことを先に学び、それを自分のモノにしてから学生たちに教える、という有難い仕事でもあったわけである。
それまでも関西でのカメラショーで、Adobe社の臨時講師として、ヨドバシカメラで一般の人向けにPhotoshopの色んな使い方や役に立つ補正や加工、修正などを教えてきたのだけれど、時間が大学で教えるのと比べても圧倒的に短いので、あれこれ教える時間などなく、かいつまんでPhotoshopの魅力を伝える程度だった。
大学での講義は週2回で、1コマ90分を2コマ。これを、3ヶ月間、教えたのだから、中身の濃さが違う。
この時の経験が、己の補正能力のアップに繋がった。選択範囲を色んな方法で指定できるということは、画像に応じて一番効率よく選ぶ能力に繋がる。フィルターの、レンズ補正を使う頻度も増えてきた。
他に、あれやこれやと、実に効率よく補正を出来るようになり、いままでなら諦めていたようなやや難しい補正も。
より綺麗に仕上げることが出来る技術が身に付いたのはいいのだけど、そうしたことが出来るから、してしまうことになる。
お寺さんの撮影で、室内でストロボを焚いて撮るのは時折避けた。影がドーンと出るのは嬉しくない。こうした場合、天井バウンスが出来るならそれを使うのだけど、お寺の本堂などは天井が高いだけでなく、色んなモノが吊り下がっていたりして、その方法が殆ど使えない。
自然光だけで、と思っても、Nikonと違ってCanonは高感度にしたらノイズがどうしても目立ってしまう。つまり綺麗に光を廻して撮影するのは楽じゃない状況。
自然光だけで撮影したら、今度は電球色の赤目の強いライトの中でおまけに日の光も差し込んでいるという複雑な光の中なので、通常の補正では全く綺麗には上がらない。
例えば、通常の補正のパターンだけでは、ともすれば白いはずの部分に、シアンやレッドがかなり残ったりするので、そこを白が綺麗に出るように補正したりするわけだ。複雑な色の混じった本堂の中だけに、こうしたことは欠かせない。
ちゃんと綺麗に出来る能力も技術もあるのだから、これを全てのカットで行う。従って、現像で思いっきり時間が掛かってしまうのだ。
今までなら、1カットにつき2,3分で終わっていたモノが、今はその先の行程も加わったことで、複雑な画像なら1カットに付き15分や20分ほどかかることも出てきた。
今回の本葬の写真は荒選び後、更に絞り込んだが、列席した和尚さんの人数が多いこともあって、それぞれ顔が分かるカットも必要だろうと思うと、もうこれ以上は減らせないというので、残ったのが230枚ほど。
現像後のプリント作業では、縁有りのフルサイズで出来るだけ大きく焼くための、枠の幅の指定をそれぞれに加えるため、これにも時間が掛かる。
仕上げて納品できる状態にするまで、果たしてどれほど時間が必要なのかを計算するのも恐ろしい。
出来ることがあるからやる、その時のベストを仕上げる性分だし、妹のお寺さんでもあり、ますます絶対に手を抜けないだけに、作業は入念にと思っている。
一部だけシアンに傾いた画像を、綺麗に仕上げたら、自分でもビックリするほど綺麗な色の写真に仕上がるのだから、やはりそれをしないでは済ませられないのだ。

事前の覆面取材とフィルム撮影に加え強行スケジュールに疲れ果て

2009-10-05 19:58:10 | Weblog
覆面取材を何日も重ね、ようやくどこを取材・撮影するかが決定。
しかし締切は迫っているし、慌ただしくアポイントを取るが、まずは広報へ、という予測通りの展開。
紙で残したいので取材の企画書をまずは送ってもらってから検討しますとなる。
店側の都合を予め聞いたら、土日は満杯になるので、取材などは困る、ということになった。
となると実際に行けるとしても2日間ほどの中で決めなきゃいけない。
しかし、その片方の日程は、既に別な取材を入れているので、となるとたった1日で2ヶ所の取材をせねばならなくなってしまった。
しかも、両方とも、営業時間外で、と考えているものだから、たった3時間の中で、フレンチなどのフルコースの料理写真を撮影せねばならないという強行軍。
他に周辺の撮影もあるだけに、どう考えたって綱渡り。
移動時間はたった20分程度しかない計算。
そしてこれが一番大変だったのだけど、なんと料理はフィルムで撮影、ということなのだ。
今どきリバーサルを撮るとは思ってもいなかった。フィルムカメラは処分するつもりだったが、急ぐ理由もないということで、たまたま残していた。
手持ちの35ミリもしくはハッセルの6x6で撮れば済むのだけど、問題はカメラボディじゃない。デジカメと違って、あとから色温度の変更は出来ないので、当然のことながら美味しそうに料理を見せるためには、色温度のフィルターが必要となるのだ。
ということは、そのフィルターフォルダーも必要。
リバーサルフィルムだけに、露出をきっちりと計らねばならないので、露出系も…。
フィルムというだけで、こうしてあれやこれやと必要なものが多くなってしまった。
それでなくても、きちんとした料理写真を撮影しようとすると、ライティング機材がかなりな量になる。
まずデュフューザーで料理を囲ってからライティングするため、幅2メートルほどのデュフューザー。それを支えるため、伸縮するアーム付きのスタンドが両サイドにいるので2本。メインのライトを斜め奥上から当てるため、重り付きアームと、それを支えるスタンドも1本。
メインのライトは、大型ストロボでは更に重くなってしまうので、あれこれ考えた。
クリップオンストロボを使っては、深い被写界深度が稼げるほどには光量が無い。
蛍光灯式のライトを使う手もあるが、当然、大光量のものじゃないので長時間露光でないと奥までピントを合わせられない。となると、リバーサルフィルムだと色転びが懸念される。
結局は、一体式のストロボを使用することにした。
早めに現場に着いて、出来るだけ撮影時間を稼げるように、と思ったのだが、料理撮影は個室で、ということで、その個室にはまだ客が…。
14時過ぎから撮影予定だったのに、客が退席して片付けが終わって、部屋に入ってもいいとなったのが、なんと15時過ぎ。
次の取材先との約束は15時半頃だから、もうどう考えても間に合わない。
バタバタと用意してサッサと撮影して、慌てて移動。
着いたら16時。
フゥ~。
今度は夕闇との時間の勝負。
料理撮影後、両方の場所でライトアップした建物などを撮り廻らねばならないのだ。
真っ暗になってしまっては写真的にも余りにも寂しい。
出来ればその前に撮りたいのだ。
今どきなら18時半頃までが限度。
そうすると、空が素敵な感じで写せるのだ。
かくしてなんとか撮り終えたが、片方の夜景が真っ黒な空となってしまった。
デジカメならその場で画像が確認できるのに、リバーサルだとそれが出来ないもどかしさ。
そして現像が上がるまでが不安一杯になる。
そんな仕事だったが、報酬は…。
こんな日々を送っておりまする。