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一度嗅ぐと忘れられない(「初恋」)甘く強い芳香(「陶酔」「真実」)を放つも、直径1cmにも満たない小さな花(「謙虚」)を咲かせる金木犀
不慮の事故で両親と視力を失った明香里
前科のある元キックボクサーの塁
もどかしいほど控えめながらも、一途に相手を想い、その存在こそが互いの生きる証だった
ところが、細やかで慎ましやかなふたりの日常は長くは続かなかった
やがて、塁は衝撃的真実を知る―
4年前のクリスマスの雨降りの夜のことだ
共に修道院で育った半グレ集団ウロボロスのリーダー・恭介の元で悪の用心棒として雇われ闇試合に出場していた塁は、借金返済を怠った坂本を執拗に追い詰めていた
咄嗟に焼身自殺を図った彼がビルを飛び降り、火達磨になって落ちていくその瞬間を家族でドライブ旅行中の明香里がたまたま目撃、ハンドルを誤って交通事故に遭い、視力のみならず、彼女の両親の命をも奪ってしまった....
絶望と別離
そして、償い
賭博試合の代償として松葉杖が手放せない障害を負うも、勝利で得た大金で明香里が手術により視力を取戻したとの報に安堵する塁
2年後のある日、手作りの陶芸品を販売する雑貨店のオーナーとなった明香里の店を訪れた塁
そこは、ふたりの思い出に溢れていた
塁のクリスチャンネーム「アントニオ」を冠した店名
塁の仕事先の管理室の入口に置かれた、明香里のお気に入りだった金木犀を彷彿させる、金木犀の鉢植え
修道院の子供たちの手製のオルゴールが奏でる、明香里が時折歌っていた鼻歌の「椰子の実」
居たたまれなくなった塁が逃げるように向かった先は、悲喜こもごもの思い出が残る海 ― 幼少の頃に連れ出されて母が入水自殺した海、ドライブ先で明香里と一緒に赤橙のシーグラスを見つけた海だった
“あなたの帰る家はそっちじゃない”
帰るべき家は、心温まる古里 ― 明香里
明香里と新たな一歩を踏み出すために...
“ただいま”
名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ
われもまた 渚を枕
孤身(ひとりみ)の 浮寝の旅ぞ
思いやる 八重の汐々(しおじお)
いずれの日にか 国に帰らん
純愛映画は少々苦手だったのだが、気にはなっていた
映画『君の瞳が問いかけている』は、心に染み入る好い映画だった (15日)
トイレの芳香剤のイメージが強かった金木犀
でも今は....ちょっと好きになれるかもしれない
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