久しぶりのお泊りが病院とは。
色気もなんもないですねぇ。
身体を休めるったって。
でっぷりと膨らんだこのお腹。
重いのなんの。
あぁ…苦しい。
電話があって一旦はけていた医院長先生が戻って来ました。
『猫野さん、猫野さん!度々すみませんっ!例の腫瘍のことなんだけど…今、いいですか?』
『あっ、はい』
『あなたのお腹の中にある腫瘍ですが…卵巣にあるものと思われます。それなりに大きく、やはり悪性の可能性が非常に高いです。
多方面から綿密な精密検査を重ねることになるため、入院も数日ではきかないとお考え下さい』
通常、腫瘍は5cmを越えると悪性度が高くなるといわれています。
え…
日帰りで可能なんじゃなかったの!?手術。
私の腫瘍、そんなデカいんかな(汗)
あれ?
今、“卵巣”って…言った?!
『あぁ…はい。てことは、婦人科ですよね?今からここの婦人科に移ることになるんでしょうか?』
『それなんですよね…。うちにも婦人科があるにはあるんですが、そこでは猫野さんへの万全な対応が出来ないのが現状です。
こちらから手術を薦めておきながら、申し訳ありません』
『いえっ。では、今日退院出来るってことでよろしいでしょうか?』
ここじゃ無理なんだから、今日帰ったって同じっしょ。
『いえ、ちょっと待って下さい。婦人科のサポートは出来ませんが、痛み止めと栄養の点滴はさせて下さい。
私が紹介状をご用意します。転院先もこちらで探しますから心配無用です。
明日、ここから病院の車でそのまま直行するか、一旦お家に帰ってご友人の方たちと行くかはお任せしますのでそれだけ決めておいて下さい。今日はこのままここで休みましょう』
『………はい』
家に居るよりはして頂ける処置がある。
そう思い直して緊急入院を受け入れたのに転院て。
なんなんだよ!もー!!
大腸癌と卵巣癌の見極めが難しいことをリアルタイムで身につまされました。
ねぇ…どうしたらゆっくり出来る?
身体を休ませることと引き換えに上書きされた情報は、図太い神経をも塗り潰していくようで。
持ち堪えていた気持ちが虚しさに掻き消されそうでした。
あーあ。
また受診、振り出しか…。
脳裏にうっすらと浮かぶ若かりし頃。
生理不順やら無排卵やらで散々通った産婦人科。
不妊治療を断念してから約十年。
副作用の強かったホルモン剤をやめて以降、少しずつ月経が安定し。
腰痛こそあっても、胸が張るでもなければ寝込むほど酷い出血や痛みがあるでもなく。
周期のズレもほぼなし。
今では普通に苦痛とは無縁な生理がくるようになっていました。
何だよ〜。
乳癌と子宮癌の検査は何年か前に受けてたっていうのにさ。
卵巣はノーマーク。
どのみち詰んでたのかよっっ。
同居人・しおちゃんに転院のことを知らせると、当然ながら驚いていました。
“はぁ!?入院しろって言ってみたり、転院しろって言ってみたり、どっちだよ!(呆)しんどいの分かってて患者にあっち行けこっち行けって、どいつもこいつもバカにして!(怒)”
“ふふふ(苦笑)仕方がないよ。万全にと考えてくれてるから言ってくれたんだと思うし”
“うーん…まぁ、それもそうか。医院長先生、いい人そうだもんね。
消化器科なら先生自ら対処のしようもあるのかもしれないけど。婦人科な上に設備が整ってないんじゃあ、そう言うしかないかぁ。
でも、状況がこんなコロコロ変わってたら、メンタルまで削られまくりじゃん。心配だよ”
“大丈夫。明日帰れるんだもん。帰っておパンツ履き替えて出直すさ(笑)”
“何と勝負する気だよ(笑)まっ、明日、私迎えに行くからさ。今日はお利口さんにして休んでね”
“イェス!高○〜、ク○ニック〜♪”
アホの極みだが乙女とは言えないアラフィフ猫野。
これにてお開きとなったのか(?)、そこからのこの日の記憶はあまりありませんでした。
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