昨日渋谷に行った。
僕のような人間には関係のない場所にいかなければならなくなったからだ。カナダの娘が日本にきていた時、円安だということで、高級品を買って帰った。ただ、その品物はオーダーメイドということで、帰国した娘に代わって、取りに行かなければならなかった、というわけだ。
本当に面倒臭い。
僕は高級品とかブランドとか関心が全くない。関心がないどころか、この世から、そんなもの消えてしまえ!と思っているぐらいだ。だから、そんな場所は僕にとっては無用の長物というか、存在しないも同然なのだが、家族がいて、妻や娘は少しばかり利用しているようだ。僕だって、その程度の融通は利く。
で、渋谷の西武のB館。なんだよブランドの店舗ばかりだよ。客が見当たらない。それで成立するのだろう。で、目的の店に向かう。アクセサリーの店だが、規制線が張られ、店先にスタッフがいて、「ご用件は」と恭しい感じで声をかけてくる。こっちは品物を取りきたと要件を伝える。そうすると、規制線が解除される。一応妻一緒。
対応してくれたのは、店舗にいた女性スタッフではなく、奥から出てきた中年男性のスタッフ。イキっている感じだが、こっちセレブ扱いだ。馬鹿丁寧な言葉づかい。中に商品の展示はあるが、あくまで展示のみである。金額を見てみると、100万とか200万とか。まあ庶民が来る所ではない。娘も背伸びしたものだ。女性として欲しいものらしい。カッコつけたいわけだ。
そこで商品を受け取るだけだというのに、なんだかまどろっこしい説明やら権利証やら、時間のかかること。奥に若い女性がいて、商品の説明を受けていたが、ブランド品が目立つ格好(ファッション)だった。こちらもイキっている。そういう空間。
本当に面倒臭い。
本当にここは見栄で作られた空間。その見栄を高級品とかブランド品というアリバイで成立させる空間。社会学でいう誇示的消費。仏教で言えば、慢の世界。煩悩の世界。ただそう感じていた。
西武を出て、渋谷の街を歩く。煩悩が渋谷を歩いている。そして、小さな煩悩を満たそうとして、人々は活動している。なんだか僕が神経症なのかもと思ったりしたり・・・
本当に面倒臭い。