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Drマサ非公認ブログ

財政破綻はしませんという理論について(終)

 最後に国会でのMMTに関する答弁を振り返って、MMTのお勉強は終わろうと思います。

 立憲民主党の中谷一馬の国会質問がありました。中谷がMMTにどういう理解をし、どういう立場なのかは知りません。どうも立憲民主党はMMTに後ろ向きではないかとは思います。この質問には、当然内閣総理大臣安倍晋三の名で答弁書が作成されています。もちろん財務省が担当省庁。

 政府の理解が必ずしも正しいかといえば、それは問題があるでしょう。政府が経済政策を間違ったという事実はいくらでも指摘できます。それを政府が認めるか否かはほとんど文化の問題にさえなりそうです。

 政府、ここでは財務省ですが、大変お勉強のできる方たちの集まりです。ゆえに、あからさまな間違いをしないような話法は身につけてもいるでしょう。そういう限界もあることを意識しながらも、参考にはなるはずです。

 まず破綻したギリシャ以上の債務残高の日本において、多様な条件下にあるので許容できる金利を予測するのは困難という一般論を述べ、政府の役割が市場の信認に影響を与えるとしています。ここでは政府が重要であることを強調していると読めます。

 次にインフレも金利上昇も起こらない日本がMMTの成功例という説に対して、MMTの評価が定まっていないとの一般論を提示しています。この立場は一貫しています。その上で政府はMMTに基づく政策をしておらず、財政の健全化を目指していると主張しています。ここでは財政の健全化というこれまでの立場を繰り返しているわけです。

 次に格付け会社の日本の国債の格下げに関しては、財務省が抗議した旨を認めています。さらに自国通貨建ての国債を発行してもデフォルトにはならないと認めています。よって、MMT理論のこの部分は事実認定できそうです。しかしながら、財務省はあくまでMMT理論を採用しているわけではないとし、成長戦略実行計画であると主張しています。

 ということで、これまでの財務省の財政政策は正しいという立場に終始しています。僕には立場に固執してしまっている立場主義にも見えます。答弁からは自分たちに間違いはないという雰囲気が漂っているような気がします。

 

 さて、一応これでMMTのお勉強は一旦終了とします。MMT理論が正しいか否かを僕が判断するほど経済に詳しいわけではありません。ただ、貨幣が虚構(信用)であるということは理解できます。考えてみれば、マルクスがそう言っていたと思います。実はブログでMMTをまとめている時、柄谷行人の『マルクスその可能性の中心』を思い出していたのです。とすれば、MMTはマルクスの疎外論や革命論とは距離を取りながらも、マルクスの貨幣論の継承という側面があるのかもしれません。

 実際のモノとサービス、それらと交換関係にある貨幣は間違いなく異なる存在です。しかしながら、貨幣という虚構がそれらを繋げるメカニズムを発生させもします。この飛躍、摩訶不思議です。MMTはその答えなのかもしれません。

 でも本当のところ、僕は、衣食住がそこそこ足りてればいいっていう経済でいいのですけれどね。

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