うらめしや台風１８号

先だっての１６号でもお店を休ませていただいたのだが
今回も午後３時頃から７時頃まで　広島地方　風雨が強く
しかも満潮時が６時とあって　大事をとって休むことにした

自宅からの電話で屋根の瓦がめくれているから　早く帰ってこいと
さぁ大変！　車で山肌を縫って走ること１０分でのわが家への帰宅できるはず

ところが大きな木がバサバサなぎ倒されていて
道路が寸断している。迂回を指示している
その迂回路は大渋滞。数十分待っても　動かない
ここも崖崩れか大木がなぎ倒されておるんじゃろな
覚悟を決めて通行量の少ない危険な山道を選んで走る

万一、フロントガラスに大振りな木が飛んできたらっと
ヒヤヒヤもんであった。もちろん崖崩れの心配も十分ある

標高七百数十メートルの山の中腹を走り抜けるとき
遠く荒れ狂った海が見える。船影は見えない
台風、おそるべし　じゃな
山道は　標識やカーブミラーが倒されている
一部、ガードレールが根こそぎ倒れている
トタン塀が倒れて道を半分ふさいでいる
畑に建った小屋が倒壊している
岩が道に転げ落ちている
こんな恐ろしいドライブは初めて
雨量が少なかったのが幸いしたが
でも細かな霧状になった雨が視界を遮っていた
ワイパーかけても効果なし

なんとか帰宅したが　家が心配であった。
まず、外観をチェック。スペイン瓦が風でめくれて一部ぶら下がっている
ここがうちで一番のネックなんじゃな
かろうじて落下防止のワイヤーで　事なきを得たけど
落下していたら　通行車を直撃していたかもしれんな
老母が落下を心配して合羽を着て　車や通行人に知らせるため
外に立っていた。気丈なことよな

台風はもうすぐ広島を通過して日本海へ逃げるだろう
今夜中に　この落ちかかった瓦を　なんとかせにゃならん
家は道路に面していて交通量も多い。小学校の児童の通学路でもある

一計を案じた。池で使う大きな魚捕りの網を瓦にかぶせて
ロープで固定しよう。老父が手伝ってくれた。
雨は小降りだが屋根の上に出ると強風で吹っ飛ばされそうで　怖い怖い
眼鏡は外しておいた。だから細かな部分が見えない

両手を使って網を持ったら　もう両足しか体を支えてくれるものがない
バサッと突風をくらって　大きくしりもちをついた
大の字になって屋根にへばりつく。老父が後方から命綱を投げてくれた
網を瓦にかけるのに小一時間を費やす。もう暗くなっている
ライトを探すが風で飛ばされて手元からなくなっていた
あきらめかけていた時に　手がかりがあって
瓦をすっぽり網で包みこむことに成功した
あとはロープでこの網を固定する

屋根から降りて　外から屋根を確認。　あ～よしよし
風で体温が奪われて　冬のように寒い。ずぶぬれでお風呂に入る
屋根の上なのに　この作業で体中が砂だらけになっていた
お風呂がこんなにありがたいと思ったことはない
夕食もおいしかった

時折強風が吹くけど　雨はやんだ
庭で　涼しげな秋の虫の声
なにごともなかったように

うらめしや　台風１８号
あっ！　テレビが映らない・・・
アンテナ　飛んだな

あとで　ラジオ聞いておったら
広島地方、瞬間最大風速　６０ｍ　じゃったてなぁ

屋根あがったの　命知らずじゃったな
やばかったな～