樹生の樹

分娩時に低酸素になり、脳性麻痺の障がいを持ってしまった息子との日々

宿泊学習

2016-10-19 16:54:36 | 樹生のこと
せっかくブログを再開したのにまたも放置気味・・・
日々それなりに色々とネタになりそうなこともあるんですけど・・・

少し前の事ですが、記録の為に書いておきます。

樹生の養護学校では、5年生になると宿泊学習があります。
県内の宿泊施設で1泊体験するという授業。
何せ、初めての宿泊なので、先生方も早くから準備をするのです。
子供たちには繰り返し、宿泊学習について話題にし、近づいてくると
事前学習という事で、どんな事をするのか、どんな流れで過ごすのか、
という事を繰り返し授業で取り上げるのです。

わたし達親とも面談して、自宅での過ごし方、薬の飲み方、
食事、水分補給の事、お風呂の入り方、寝る時の注意点、
発作時の対処の仕方、側臥位の姿勢、夜中の体位交換・・・etc
伝えることは山ほどあります。

特に樹生のように重心の子は、先生方も心配らしく、
それはもう、毎日のように担任先生からあの場合はどうしたら?
こうなったらどう対処すれば?と、質問されました。
毎日給食を食べさせてくれているにもかかわらず、
「もう一度自宅での食事の仕方を見させてもらいたい」と言われ、
学校給食中に出向いて、普段わたしが工夫している食べさせ方を
レクチャーしたり。
先生方も必死です。

夏休みを間近に控えた7月の半ば。
そんなこんなでついに迎えた宿泊学習当日。
数日前から大量の荷物を作り、準備万端。
もう、母もドキドキなわけですよ。

数人の保護者でバスを見送って、その足でママ達と鎌倉でランチ。
かき氷など食べちゃったりして。
でも話題は自然と子供たちの宿泊学習の事。
「あー、でも今夜は久々に呑む!」
「でもさ、体調不良で呼ばれたりして」
「それは困るよね~」
「今日はわたし、家事はやらん!夜も外食!(笑)」

宣言通り我が家はその日、近くのレストランで外食。
穂乃生は「いつくん今頃何してるかなぁ」と、気にしつつ、
久々の夜の外食にご機嫌でした。
普段、樹生中心の生活なのでこういうのも悪くないな・・・

その日は大気の状態が不安定で、食事中から土砂降りの雨。
気圧が大きく変動する日は、樹生の体調も悪くなりがち。
心配だ・・・
大丈夫かな・・・

不安は的中。
お風呂から出て、穂乃生の就寝の準備をしていた9時頃、
わたしの携帯が鳴った。
出ると、案の定担任の先生でした。

「え?どうかしましたか?」

焦って聞くと、

「いつくんの体温が上がらなくて・・・」

お風呂の後眠ってしまい、起こそうとしても起きない。
体温を測ってみたら34度切っていると。

「今は33.8度くらいまで下がってしまって。
心拍も遅くて・・・40くらい」

って、それ冬眠やん!!

あーあ・・・
多分、タオルケット1枚とかで寝せちゃってたんだよ。
だから冷房の入った部屋での体温管理には気を付けて下さいって、
あんなに何度も何度も言っておいたのに。
先生方は動き回るから暑いかもしれないけれど、
樹生のような子は、冷房下では体の芯まで冷えてしまうのだから。
っていうか、何でそんなになるまで気付かない!?

「今、何着せてますか?」と聞くと、

「半袖のパジャマを」と。

ドアホ!(失礼)と怒鳴りたいのをぐっと我慢して

「取りあえず、長袖の上着持たせてますから着せてください。
あと、出来るだけ温めて。主人が迎えに行きます」

という事で、片道45分くらいの道のりを雨の中迎えに行ったパパ。
(パパは下戸なので、お酒は飲んでません)
舌打ちを繰り返すパパに、

「あのさ、先生たちに怒ったりしないでよ~~」

と言うのを忘れず(笑)
とか言って、パパが出発してから、同じクラスのママ達にlineで
激しく愚痴ったわたし(笑)
一通り愚痴ったらスッキリしましたが。

11時過ぎに帰ってきたパパ。
荷物もあるので、駐車場まで迎えに行くと、ぐっすり眠っていた樹生が
薄目を開けてわたしを見て、その姿が愛しいやら切ないやらで
胸がぎゅんと締め付けられるようでした。

いつくん、お泊まりに備えて体調整えて頑張ったのになぁ。

寝る前の薬も飲めなかったと言うので、薄目を開けてぼーっとしている樹生に
温かいほうじ茶と薬を飲ませ、湯たんぽでぬくぬくにしておいた布団に。

翌朝、目が覚めた樹生は、何となく不機嫌モード。
ま、そりゃ、本当なら先生やお友達と一緒にいるはずだものね。
何となくそんな様子が可愛そうで、
「いつくん頑張ったよ?ちょっと冬眠しちゃっただけなんだよ~あはは・・・」
とフォローするも、ムッとした表情のまま。(に思えた)

日程を確認すると、クラスの皆はお昼前には学校に着いて、
給食を食べて休憩してから下校とのこと。
迷ったのですが学校に電話して、給食だけでも皆と食べられるよう
連れて行く事にしました。

学校に着くと、すでに皆戻ってきていて、給食の準備の最中でした。
樹生を見ると、先生方はワラワラと寄ってきて、
「良かったぁ、良かった・・・」と。
先生方も初めて樹生の冬眠を目の当たりにしてびっくりしてしまったようです(笑)
実のところ、油断すればいつでもそういう事はあるので、
そんなに珍しい事ではないのですけどね。
(流石に34度切るほど気付かないってのは無いですが)

「いつくん、思ったより調子悪くなっていなくて本当に良かったです」

と、目がうるうるの担任先生。

「まぁ、ぐっすり寝ましたから~

とブラックな突っ込みは忘れないわたし(笑)

と、まぁ、そんなこんなの初めての宿泊学習。
結果、中途半端に終わってしまったのですが、、
来年は修学旅行もあるので、お互い注意する点というのがはっきりと
分かった事は良かったのでは。(と無理にでも思う)





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