樹生の樹

分娩時に低酸素になり、脳性麻痺の障がいを持ってしまった息子との日々

検査入院・・・の予定が

2010-03-30 14:41:08 | 樹生のこと
まとめてUPです・・・

18日に、PHモニター検査の予定だった。
前回気管支炎で入院した時に、「これだけ気管支炎を繰り返すのは胃から逆流があるのでは」
と言われ検査する事に。
胃の中に管を通して24時間過ごし、その間は普通に食事したり眠ったりをして、どのタイミングで
逆流があるのか無いのかを調べる検査。
当然1泊の入院。

付き添いが必要なので、その日はパパにお休みを取ってもらった。
朝10時から診察を受けて、それからモニターを繋ぐ事になっており、朝からバタバタと入院の準備。

たかが1泊なのに、何故か大量の荷物・・・
パパは用意周到タイプ。わたしは適当タイプ。
1泊だけだったら、必要最低限のものでいいのに、と思うわたしだが、パパはあれもこれも
バックに詰めている。
樹生がお漏らししちゃったら困るし・・・ヨダレでよごしちゃうからタオルはいっぱいいるし・・・

付き添って泊まるのはパパなので、あまり口出しすると怒り出すのは目に見えている。
メンドクサイので好きにさせて出来上がった荷物は大きなボストンバック2つと小さめのバック1つ
・・・ま、いっか。

車で15分くらいで着くので、9時半くらいに出ればいいやと思っていると、何でも早め早めの
パパは9時過ぎくらいからソワソワ・・・
(出かける時はいつもこう急いで急いでとせかされた)

病院に着いて、とりあえず必要な荷物だけ持って小児科の受付で待っていると、しばらくして
先生が現れて別室へ。

「樹生くんの調子はどうですか」
「昨夜は少し分泌物が多かったですけど、今日はまずまずです」
すると、先生はおずおずと・・・
「実は・・・検査機械が今朝から動かなくって・・・」
「へ?」
「さっきご自宅に電話したのですが、繋がらなかったので・・・申し訳ありませんが、
今日の検査は延期・・・という事で」
「・・・」

何てこった・・・
先生に怒っても仕方ないので、次の検査日を決めて帰ってきたけれど・・・
何のこっちゃ。

昨年末からの樹生の入退院の繰り返しで、パパの有給はもう無くなって、今回は結構無理して
休んでもらったのに

パパもわたしもぼんやりと放心気味で自宅に帰り、先生がかけたと言っていた病院からの
留守電記録を見ると、その時刻9:57・・・オイオイ。

ということで、気合をいれて行ったけど、検査は来月に延期。

樹生は何故かニヤニヤ
平日なのにパパがいるし、と、ご満悦。


<おまけ>
例の大量の荷物を片付けていたら、バスタオル4枚、タオル8枚、おしりふき4個も出てきた。
それを見て、ちょっぴりイラっとしたわたしです。



障害者歯科にて

2010-03-30 13:52:04 | 樹生のこと
先日(と言っても随分前のことですが)樹生の障害者歯科で摂食指導を受けてきた。
自宅から、普段食べているものを持ってきて、と言われていたので、お粥とペースト状にした
肉じゃがを用意した。

樹生の好きなものは、味のはっきりしたもの。
肉じゃが、カレー、クリームシチュー(具が殆ど一緒)、煮魚、ネギトロ・・・
1年くらい前までは、ペーストにしないで柔らかく煮たものを軽くつぶしたり、刻んだりして
食べさせていたっけ。
もっと前(2年くらい前?)には、軟飯くらいのを食べさせていたような・・・

今から思うと、よく大丈夫だったなぁと思う
ずっと自己流でやってきて、「大丈夫。樹生は大丈夫」なんて、勝手に思い込んでいた。

今はずっと食事形態を落として、お粥とペースト食。
ペーストにするのに、我が家では二つのミキサーを使っている。
初めはマジックブレンドを使っていたけれど、ハンディータイプのが欲しくなり、ブラウンの
マルチクイックを購入。
これがまた、使いやすく便利。
今までは、樹生は圧力鍋など使って別メニューで作ってそれをマッシャーで潰して・・・と
結構な手間だったけれど、今では殆どわたし達と同じメニューをブレンダーにかけて食べさせている。

今は昔と違い、「ソフト食」というのが注目されている。
以前は煮物なら煮物の具材を一緒にミキサーにかけるだけのことが多かったものの、それぞれ
の具(にんじんならにんじん、大根なら大根というふうに)をミキサーにかけ一旦ペーストに
したものを再びゼリー状に固めて盛り付ける、というもの。
それにより、それぞれの具材の味を楽しめて、普通の食事により近い感覚で食べられる、ということ。

樹生の場合、完全なソフト食にすると、咀嚼が止まってしまうので、ゼリー状に固めることは
しない。
でも、その作り方に習って、出来るだけそれぞれの具をペーストしたりマッシュしたりして
出すようにしているけれど。

余談だが、一時は樹生の食事、穂乃生の食事、わたし達の食事・・・と3種類の形態で作っていて、
これが、出来るだけ家事は手抜きをしたいわたしとしては、かなりのストレスだった
料理が特別得意というわけでもなく、出来れば簡単に済ませたい~という、
グータラ主婦のわたしとしては、毎日のメニューを考えるのが面倒で面倒で

でも、今は穂乃生も1歳を過ぎて、離乳食も結構適当なわたしは、大人の煮物から取り出し、
お湯をジャッとかけて少し味を薄くして、ま、いっか。という感じだし
樹生の食事も、ブレンダーのお陰でわざわざ圧力鍋で煮なおす必要もない。
手抜きバンザイグータラバンザイ・・・

と、はなしはそれましたが・・・
摂食指導で言われたのは、樹生の食べ方は「赤ちゃん食べ」ということ。
口を開けるのも咀嚼も、反射的にしている感じだと。
だいぶ口の過敏は取れてきたと思っていたけれど、やっぱりまだ過敏はあり、口の中に物が入ると
顔をしかめることが多い。
樹生の場合、見えているかどうかは分からないけど、目で見せて、言葉で伝えて、上唇の先に
触れさせて、匂いでも確かめさせて、それから口に入れてあげて、とのこと。
普段、そこまではしていないけれど、一応、「○○入れるよ~」とか言うようにはしてるつもり
だけど。
でも、そういう事が「食べる意欲」というのに繋がっていくのかな。

食事中、2,3度はムセることがある、と言うと、VFの検査をすすめられた。
VFは以前、樹生がまだ1歳半くらいの時に検査したことがあるけれど、あれから随分経ってるし、
樹生の状態も変わってきている。
なので、申し込みをしてきた。

「食べる」という、わたし達が普段当たり前にしている事。
でも、それが樹生にとってどんなに大変な事か。
そして、普段刺激の少ない樹生には重要な事でもある。

頑張ろうね、いつくん


その歯科での待ち時間の事。

少し早めに着いたので、廊下の長いすに座って樹生とお話をしながら待っていたら、
初老の男性がじっとわたし達を見ていた。
樹生といると、見られるのは慣れているので、特に気にしていなかったのだけど、そのおじさんは
わざわざわたし達の隣に腰を下ろして樹生を見て「歯医者、嫌がらない?」と話しかけてきた。
「大丈夫ですよ」と答えると「そうかぁ、強いなぁ」とのこと。
樹生が障がいがあるって、分かって聞いているんだよね?などと考えていると、
「その子はおはなしは出来るの?」と聞いてきた。
「いいえ。出来ないです」
「そうか。意思表示は?」
「はっきりとは出来ないです。でも、わたし達親には、何となく要求しているなぁとか
分かっているつもりです」
すると、おじさんはうんうん、うなずいた。
聞くところによると、その人は障がいがある人のヘルパーをしている、とのこと。
「残りの人生、ささやかながら人に役立つ事がしたくてねぇ」と。
それからその方と色々とおしゃべりをした。
樹生の事を「大変だね」と言われ「でも、毎日楽しいですよ。この子なりの成長も大きな喜びですし、
とにかく、かわいくて・・・」
と、初対面の人に親バカ丸出し

わたし達にとって、樹生との生活は当たり前の日常で、それが重荷だとか日々考えたりはしていない。
子育てが大変なのと同じで、障がいがあってもなくても子供に手がかかるのは当たり前の事。
そりゃ、日々の葛藤はあるし、生活全てに介助が必要なのでやっぱり日常の負担は多いと言えば
そうなんだろうけど。
でも楽しい事もいっぱいある。

このおじさんと話をしていて思った。
わたしにとって、樹生が敢えて障がいのある子だと知った上で話しかけられるのは、嫌な事ではない。
障がいのある子を持つ家庭は、「大変だ」「かわいそうな子がいる家庭」と特別に見られがちで、
目をそむけられたり、遠巻きに見られたりする事が多いけど、本当はそうばかりではない、
と伝える事が出来るから。

誰もが我が子を愛しいと思うように、わたしにとって樹生は愛しい、素晴らしい子。
当たり前なんだけどね。