樹生の樹

分娩時に低酸素になり、脳性麻痺の障がいを持ってしまった息子との日々

訪問リハ

2011-05-27 16:19:51 | 樹生のこと
長らく放置状態でしたが、久々の更新です・・・

ここのところ、暑くなったり涼しくなったりと、かなり気温の変化が
激しいのだが、いつ坊、ひどく体調を崩す事なく日々過ごしておりました。

今日、たんぽぽで体重測定があり、それによると・・・

身長 100.7cm(本当はもう少し大きいかも)
体重 17.4kg

抱っこが大変になってきて、今までは自宅での食事は抱っこだったのだが、
最近は座位保持椅子に座らせて食べさせるようにした。
いつ坊、不満顔・・・

さて、そんな樹生の最近の様子です。

樹生は1年程前から週1日、訪問リハビリを受けている。
以前、入院をしてしまった後、しばらくお休みをしていたら、その間に
担当の先生が変わってしまった。
新しい先生になって3ヶ月ちょっと経った。
その新しい先生の事を書いてみようと思う。


今まではPTの先生だったが、新しい先生はOTの先生。
訪問リハなので、やる事も限られていて、だいたいは手や足を一通り動かして、
座位やうつ伏せをして・・・といった感じで、
正直言って「やらないよりはやった方がいいから」程度しか期待していなかった。
(失礼ながら・・・

ところが、この新しいOTの先生、なかなか熱心で・・・
何でも、普段はセラピストを育成する学校の先生をされている方で、
そのほか、大学院にも通って勉強しているとのこと。

自分の事を「おっちゃん」と呼び、大きな声で樹生に一生懸命話かけてくれる。
普段、男性には厳しい樹生なのだが、何故かこの「おっちゃん」が気に入っている様子。
(先生の歳を聞いたらわたしより1つ下・・・まぁ、確かに「おっちゃん」って歳ですが

以前の訪問での事。
その日はとても良い天気で、先生は来るなり「いっちゃん、今日は天気いいから、
体を動かしたらお外に散歩に行こう!おっちゃんが抱っこして行くぞ」と。
樹生は、その言葉に珍しいほどの笑顔

先ずは関節を動かしてからと、樹生の手足を動かしてもらっている間も
樹生は「早く行こうよ」と言わんばかりにそわそわニコニコ。

えー・・・いつくん、そんないい反応するんだ??
たんぽぽでの散歩はそんなに喜ばないのに??
と、母であるわたしも驚いたほど。


そして更にその翌週。
「今日、訪問の先生来てくれるよ」と言っておいたからか、何やら待ち構えている様子の樹生。
先生が来るとニターっと笑顔。
樹生の中では散歩を期待していたのか、関節を動かしてもらっている最中ももぞもぞ。
先生が抱っこして、ボールで遊ぼうとすると、手足を自分でもぞもぞ動かして、
「あうーっ」と声まで出して何やら訴えている。
普段、そういう反応は少ないので驚きながらも「もしかして、いつくん散歩に行きたかったの?」
と聞いてみると、「そうそう!行こうよ!」と言う様に口を大きく開けてアピール。

樹生がそんなふうに気持ちを伝えようとするなんて・・・
母は感動した・・・

でもその日は生憎風が強く寒い日。
「いっちゃん、今日はやめておこうな。また天気のいい日に行こうな。約束な」
と言われると、だんだん笑顔も消えてあきらめ顔の樹生。

・・・いつくん、聞き分け良すぎ・・・
子どもらしくもっとワガママ言っていいんだよ・・・


と、そんなエピソードもあり、先生は樹生の事をとっても気にしてくれている。
GWに家族で恐竜博物館に行った話をしたら、翌週、他のレジャー施設でバリヤフリーに
なっているところを探して資料を作ってきてくれたり、
外出先での食事が困るんだという話をしたら、色んなレストランにペースト食を頼めるか
電話で問い合わせてみてくれたり。
何とか外出先でもペースト食を食べられる工夫が出来ないかとか、一生懸命考えてきてくれたり。

先生は今はお年寄りのリハビリがメインで、小児を担当するのは数年ぶりとの事で、
とても新鮮で、日々色んな事を考えさせられ、とても勉強になっていると言ってくれた。
お子さんと(3人のお子さんのパパさんです)遊びに行っても、この公園なら段差も少なくて
樹生も遊べるかなとか、おもちゃ一つにしても、樹生が楽しめるかどうかというのを
気にするようになったとか。
樹生にハマっている、との事

「いっちゃんに出会えて、本当におっちゃんは毎日楽しい」と。

何て、何て嬉しい言葉。
樹生のように重い障がいがあって、自分から何かを伝える事が難しい子でも、
誰かに少なからず何らかの影響を与える事が出来る。それをこんなふうに喜んでもらえる、
母として、誇らしく嬉しい事。


いつくん、嬉しかったね。
大好きな先生が、また一人増えたね。

樹生には「いつくんがとっても素晴らしいから、先生も一生懸命にいつくんの事
考えてくれるんだよ」と伝えた。
(親バカ丸出し




樹生の笑顔を見て、「ああ、人との出会いは大切だな」と、母は改めて思ったのです。