樹生の樹

分娩時に低酸素になり、脳性麻痺の障がいを持ってしまった息子との日々

母の事

2017-09-12 17:58:43 | Weblog
母(わたし)の事です。
私事で恐縮ですが、少し前の事。

その日はパパが平日に休みで、子ども達はそれぞれ学校だったので、
久々にランチデートなどしておりました。

ショッピングモールで買い物をして、お昼時だからとモール内のレストランで
昼食を取ろうとお店に入りました。
歩き回っていたので少々疲れていたのですが、それよりも何となくお腹が痛い…ような。
(でもご飯は全部食べた。デザートまでもちゃっかり食べた(笑))

すっきりしない体調は、年齢のせいかここのところずっとだったので、
気にしていなかったのですが。

食べ終わって、パパが会計している時に、
何か、何か…マズイかも…と。
腹痛はどんどん酷くなってきて、歩くのもままならない。
うちの車は立体駐車場に入らなかったので敷地外の駐車場まで歩かないといけないのだけど、
尋常じゃない痛みでまともに歩けない。
パパの腕にすがって、ようやく車に乗り込んだのだが、痛くて痛くてたまらない。

このまま病院へ行くべきかと思ったのですが、樹生のお迎えもあるし、穂乃生も帰ってくる。
取り敢えず家に帰ってきても、痛みはますます酷くなる。
何度も気が遠くなって痛みで覚醒して、の繰り返し。
お昼にお腹痛い気がするのにがっついて食べた昼食も、
食べないと損な気がしてかっ込んだデザートも(笑)全部吐いてしまった。

パパに樹生のお迎えを頼み、一人痛みにのたうち回りながら、救急車呼ぶべきかなぁ、と考えた。

少し前に、やたらと息苦しく背中が痛くなった事があり、重い腰を上げ病院を受診すると、
胸膜に水が溜まっていた事があり、
その時はそれほど大事には至らなかったものの、立て続けの体調不良で少々気弱に。

わたしが入院になったら樹生のお世話はどうしよう。
来月になったらパパは仕事で隣県への研修が始まるし、穂乃生の食事やら何やらも…

穂乃生が学校から帰ってきて夕方、救急外来へ。

救急外来の医師は若い研修医のような先生で、当然専門外で
原因は分からない。
救急外来で出来る一通りの検査をしてもらったのだが、採血の結果、
白血球の数値が22000と異常に高いのが気になるので、
このまま入院する事も出来るが・・・と言われたのですが、
子供たちの事も気になっているのでとりあえず帰宅する事に。
翌日、もう一度消化器内科と婦人科を受診して下さいとのこと。

その時、20代と思われる若い研修医(かどうかは分かりませんが)と、
やけにイケメンな循環器内科の医師(推定30代前半)に直腸検査をされて
ひょえ~ともの凄く恥ずかしかった、と、そういうのはま、いいとして(笑)(笑)

頭の中、グルグルと色んな事を考えた夜でした。


結局、その痛みは何だったのかと言いますと、子宮内膜症。
もともと、チョコレート嚢胞持ちのわたし。
今回は、どうやらその部分が一部漏れだしたとのこと恐ろしい・・・
ネットで見ると、「耐え難いほどの痛み」だそうですよ。
チョコレート持ちの皆さんも気を付けてくださいね
いやいや、ホント、もの凄く痛かったですもの。


今回のような突然の体調不良になると、我が家のように障がい児がいる家庭は
どうしたらいいのか。
その日はたまたまパパがお休みだったので、助かりましたが
通常通り仕事に行っていたらどうなっていた事か・・・
とてもじゃないけれど樹生をお迎えに行ける状態では無かったし、
急いでパパに帰ってきてもらったとしても、お迎え時間には間に合わない。
病院に行こうとしても、樹生を連れても置いても行けない。

そう考えると、自分のメンテナンスは大切ですね。
子供はどんどん身体が大きく成長して行きますが、
わたし達親は、どんどんと衰えて行く
忙しさを理由に、自分の体の管理は後回しにしがちですが、
何よりも子供の事を考えたら、自分が元気でいないと・・・と
改めて思いました。



Next、MRI検査編(笑)



ご無沙汰しております

2017-09-12 11:09:41 | Weblog
前回の更新から随分と空いてしまいました。
このタイトルも何回目でしょうか
いっそのこと、このタイトルの回数記録更新を狙おうかとか、とか・・・

樹生は6年生に、穂乃生は3年生になりました。
そして、早いもので(笑)季節はもう秋になります
その間、色々とネタはあったのですが・・・

全然更新しないわたしに、時々思い出したようにチクチクと更新を促すパパ。
「うーん。そうね~」
と適当に流し流して数か月。
(別に放置の理由があった訳ではなく、ただPCに向かうのが面倒だっただけ)
が、ここの所やけにしつこい。
いやいや、こんな放置ブログ、もう誰も見てないって。

でも、パパはしつこい。
時々昼間に「ブログ書いてよ」とlineが来るしまつ。

それでものらりくらりとしていたら、「めーたさんが更新しないと俺のブログが書けん」と。
あー、そういう事ね。
別館のパパのブログは、それだけだと意味が分からないからねぇ。
(宜しければ「樹生の樹番外編」もご覧ください(笑))

と言う事で、ようやくパソコンに向かうわたしです。





さて、最近の樹生の様子です。

いつ坊、大きくなりました。
体重も30キロになり、腰に爆弾を抱えるわたしには抱っこが大変
それでも相変わらずいつ坊は抱っこマンなので、母はヨロヨロとしながら
頑張っております

今まで学校では経口での食事のみの申請だったのですが、
最近は覚醒が低かったり体調不良だったりで、給食が殆ど食べられなく、
水分摂取も出来ない状態で下校する事が多くなり、それでは心配と言う事で、
新しく(と言うか、ようやく)学校で経鼻経管での注入が出来るように申請をしました。

自宅では、「食べられなかったら注入」と、臨機応変に対処出来ますが、
学校ではそういう訳にもいかず、医療的ケアである注入をする為には、
主治医の診断や校医の診察が必要だったり、「何をどれだけ」「滴下ならどれくらいの速度で」
「胃残が定量以上の場合はどうする」「注入時の姿勢」・・・etc
実にミリミリとした事をマニュアル化して、保護者とナース立ち合いのもと、
担任の先生が何度か実施して、ようやく注入可能となるのです。

わたし達の希望としては、学校給食も樹生にとっては大事な授業の一つと言う事で
「食べる事」も諦めたくは無いので、10分程経口での食事をし、その後、
不足分を補う為に50mlのエンシュアと白湯30mlの滴下注入、というケア申請となりました。

学校で注入してもらえるようになったおかげで、夏の間の水分摂取の心配も無くなりましたが、
その代り、体調が悪くなくても常時鼻にSTチューブが入った状態となるので、
樹生にはストレスかもしれません。

ごめんね、いつくん。
でも母はいつくんが元気に登校出来るのがとても嬉しいのだよ。



在宅酸素

2016-12-31 17:28:52 | 樹生のこと
前回の退院時、主治医とも相談して、
樹生の為に在宅酸素を導入することにしました。

在宅酸素の機械をレンタルするにあたり、
24時間通してのSPO2の値を調べる為に、今月5,6日と
1泊で検査入院をしました。

当日、体調不良では検査にならないので、
体調を整えておくようにと言われたのですが、
前回の退院後から体調がスッキリとしない樹生。

気圧の変化がモロ体調に表れ、筋緊張で熱が上がり1,2日で下がり・・・
を繰り返していて、その日も数日前に発熱したばかり。
それでもこれが、今の樹生の状態と言う事で、
検査に臨みました。

結果は・・・

24時間の平均血中濃度が93
最低数値84
90を切る割合2.5%

思っていた以上に良くない結果

ついでにした飲み込みの検査(嚥下内視鏡検査 VE)も散々で、
「飲み込みの反射が遅く弱い。常に喉の奥に飲み込みきれない分泌物が
溜まっている状態で、それが気管の方に少量ずつ流れているのが確認できた」
のだそう。

「今まで食事は経口メインでやってきたのだが、
今回の検査結果で言うと、それでは難しいと思うか」

とのわたしの問いに主治医は、

「今のいっちゃんが必要な食事量を全部経口で摂るのは、やはり
本人にとってのリスクが高いと思う。
好きな物を無理の無い程度で食べ、不足分は経管栄養で
補っていかないと難しいと思う」

とのこと。
ただし、ここ数年は不調になっても入院するほどではなく、
自宅で対処出来る程度で過ごせたという事を考えると、
検査結果が全てでは無い、とは言われましたが。

本当は薄々感じてはいたのです。
確かに就学前と比べると、入院はグンと減って、良い状態で来られたのですが、
この数か月、発熱する事が多く、
発熱→経鼻経管→落ち着く→経口摂取再開→発熱→・・・
というパターンを繰り返していたのです。

発熱が誤嚥であるなら、今後樹生の食事について、考えていかなければ
いけません。

取りあえず、ここしばらくの体調不良を考えて、
身体の調子の底上げの為にも、在宅酸素の導入は致しかたない。
ただし、やはりそれに頼りすぎてしまうのも現時点では考えもので、
日中まで使用するのが当たり前になってしまうと、
何かと生活に制限が出来てしまうので、
今は不調時と、夜の睡眠時での使用、という事で留めておきたいと
思っています。

と言う事で、届いた機械はコチラ。



液体酸素を使うタイプもありますが、我が家では扱いやすさを考えて
空気中の酸素を圧縮して送り出すタイプのものにしました。
大きさはファンヒーターくらいかと。
音もそれほど気にはなりません。

今は最低量の0.25ℓにして使用しています。
それでも、95くらいの酸素濃度が2%くらい上がるので
それくらいでいいかと。

寝る時に酸素のチューブを着けると、嫌そうな顔をするけれど、
いつくんが楽に呼吸出来るようにする為なのよ。
我慢してね。

酸素を導入したことで、樹生の体調が少しでも良くなることを願っています。



さて、今年も今日で終わりです。
来年も家族で穏やかに過ごせる年になりますように。
皆さんも、良いお年をお迎えください。



退院

2016-11-21 15:00:01 | 樹生のこと
今月2日から入院していた樹生は、18日金曜日に
退院出来ました。
今回、約2年ぶりの入院。
記録の為にまとめて記しておきます。

樹生が小学校入学の時、岐阜からコチラに引っ越してきて
2度ほど、市民病院でお世話になりました。
今回の入院は市民病院ではなく、県立のこども病院。
いつも外来ではお世話になっている病院ですが、
入院は初めてでした。

季節の変わり目だったせいもあり、先月末から
体調が悪くなる事が多かった樹生。
それでも、わたし達も自宅での処置に慣れていたし、
樹生も自力で回復する力がついてきたのか、
病院にかかる事も無く、何とか過ごしてきていました。
でも、今回は酸素が摂れなくなってきて、SpO2が90前半。

↓先代のパルスオキシメータ―、「パルキーくん」
長年使ってきたので先日液晶表示が出なくなってしまい、
泣く泣く買い替えた(結構お高いの)
(樹生の手が小っちゃくてカワイイ



で、コチラ↓が新しいやつ。
パルキーくんより反応が早く使いやすいけれどピッピッピと
音がうるさい。
消音機能があるのかな。説明書を読まないわたしなので・・・



2日、近所のクリニックでCRPの値とマイコプラズマ等の検査を
してもらおうと受診。
そのまま、かかりつけの病院を受診するように言われ、
急いでパパに連絡を取り、穂乃生のお迎えを頼み、
急遽、車を走らせ県の子ども病院へ。そしてそのまま入院。

今まで色んな病院で入院してきた樹生。
でも、今回のこども病院は、今までの中で一番手厚い病院でした。

重心の子ということもあってか、樹生が入院した病棟は
ICUと扉一つで繋がっているハイケア病棟。
病床数に比べて、看護師さんの数が多い。
常に病室に誰かがいるような状態で、ナースコールを使ったのは、
樹生の下痢便がこぼれそうになってパ二くったわたしが助けを求めた時だけ(笑)

ここで初めてRTXレスピレーターを使った治療をしました。
亀の甲羅のようなのを着けて、ブルブル。



圧をかけて胸を動かすので排痰を促がされる。
これは普段自分で胸郭を開いたり出来ない樹生には気持ちがいいようで、
うっ、うっとマッサージされるオジサンさながら呻きながらも
ウトウト(笑)

気持ちの良いRTXが終わると、今度はカフアシスト。
これは・・・樹生には少々辛い治療です。
樹生のような子は、咳をするのも弱くて排痰が難しく、
そうなると肺の奥に淡が溜まり肺炎となる事が多いのです。

カフアシストとは、カフ(淡)をアシスト(補助)する治療法。
簡単に言えば、機械で呼気、排気を行い咳を再現させるもの。



マスクを隙間なく付け(看護師さん一人が押さえる)機械のスイッチをオン。
機械が酸素を送る呼気、排気に合わせて、もう一人の看護師さんが
胸郭を動かし咳を促す。二人がかり

その時、絶不調の樹生は酸素5ℓ入れても、SpO2が90あるか無いかだったのですが、
一時的に100%近くまで上がる。
そしてすかさず吸引。
この吸引ですが、看護師さんの手元を見ると、チューブ根本近くまで入っている。
つまり、気管まで入れての吸引です。
すると、色の付いた淡が引ける引ける・・・
樹生はと言うと、もう、咳をする声も出ない程の咳?で見ている方も
苦しくて辛いのです。

その動作を1回のカフアシストで5回。
終わるころにはぐったりな樹生。
泣く気力も無いほどな様子に胸が痛い母・・・

でもそんな治療のおかげで、少しずつ肺の音もキレイになり、
吸引物も色付きでは無くなってきた。
酸素も5入れても90前後しか摂れない時もあったのに、
少しずつ落ち着いてきた。

14日。ハイケア病棟から一般病棟に。
抗生剤、ステロイドの治療は終了。
注入で消化も出来ているので、点滴も中止。
ただ、なかなか酸素が切り切れない。
0.25~0.5ℓ程をお守りのように入れている程度なのだけど。
樹生は側弯が酷いので、右側臥位にすると特に
SpO2の値が良くない。
寝入りばなは特に下がりやすく、SpO2が92くらいまで下がるのがもどかしい。

わたしは普段、SpO2は95を一つの目安にしています。
調子が良い時の樹生は、通常98くらいはあるので、不調になり95を
摂れなくなってくると病院受診の目安かと。
樹生は側弯の影響で不調になると片肺が殆ど機能しなくなってしまう。
そう思うと、今回は本当にギリギリだったかもしれません。
実際、今回の入院で初めて、挿管するかも、と言われかなりビビった母。
その後、挿管はしないで何とか頑張れたのですが、主治医から、
今後同じような事があると、挿管も有り得る。
人工呼吸器を着ける可能性と親の意見も聞いておきたい、と話がありました。
重心の子にはいずれ避けては通れない話しでしょうか。

一般病棟に移って落ち着いてきた樹生は、少し余裕が出てきたのか、
よくウンウンと文句を言うようになりました
それまではとてもそんな余裕が無かった様子でぐったりとしてたっけ。
呼吸リハの先生がそんな樹生を見て、
「へぇ、いっちゃんそんな風にお喋りするの?目ぱっちり開いてるのも
初めて見たかも。イケメン~」と。
「大っきな、キレイな目でしょ~~~男前でしょ~」と母。
こういう時は謙遜などしない親バカな母(笑)

18日、何とか退院することが出来ました。
が、少々酸素に不安がある中での退院でしたが。
今回も家族で乗り切る事が出来ました。
特に穂乃生には、学校から帰ってから病院でパパと合流するまで
家族待合室で待たせたり、
行ったり来たり、不便な思いを沢山させました。
きょうだい児でも病棟には入れないので、樹生にしばらく会えない日々で
心配だったようで、
学校から帰り樹生が退院して自宅にいるのを見ると嬉しそうにハグをしていました。
「お帰り~いつくん!頑張ったね!」と手を握り額をナデナデ。
「ママ、いつくん、穂乃生見て嬉しそうだよ!」
うんうん。いつくんも穂乃生に会いたかったんだよね。
やっぱり家族一緒がいいよね。

いつくん、本当に頑張りました。
みんな、お疲れ様でした。











肺炎

2016-11-05 16:58:37 | Weblog
樹生、今月2日から肺炎で入院です…
久々の入院。

頑張れ、いつくん。

宿泊学習

2016-10-19 16:54:36 | 樹生のこと
せっかくブログを再開したのにまたも放置気味・・・
日々それなりに色々とネタになりそうなこともあるんですけど・・・

少し前の事ですが、記録の為に書いておきます。

樹生の養護学校では、5年生になると宿泊学習があります。
県内の宿泊施設で1泊体験するという授業。
何せ、初めての宿泊なので、先生方も早くから準備をするのです。
子供たちには繰り返し、宿泊学習について話題にし、近づいてくると
事前学習という事で、どんな事をするのか、どんな流れで過ごすのか、
という事を繰り返し授業で取り上げるのです。

わたし達親とも面談して、自宅での過ごし方、薬の飲み方、
食事、水分補給の事、お風呂の入り方、寝る時の注意点、
発作時の対処の仕方、側臥位の姿勢、夜中の体位交換・・・etc
伝えることは山ほどあります。

特に樹生のように重心の子は、先生方も心配らしく、
それはもう、毎日のように担任先生からあの場合はどうしたら?
こうなったらどう対処すれば?と、質問されました。
毎日給食を食べさせてくれているにもかかわらず、
「もう一度自宅での食事の仕方を見させてもらいたい」と言われ、
学校給食中に出向いて、普段わたしが工夫している食べさせ方を
レクチャーしたり。
先生方も必死です。

夏休みを間近に控えた7月の半ば。
そんなこんなでついに迎えた宿泊学習当日。
数日前から大量の荷物を作り、準備万端。
もう、母もドキドキなわけですよ。

数人の保護者でバスを見送って、その足でママ達と鎌倉でランチ。
かき氷など食べちゃったりして。
でも話題は自然と子供たちの宿泊学習の事。
「あー、でも今夜は久々に呑む!」
「でもさ、体調不良で呼ばれたりして」
「それは困るよね~」
「今日はわたし、家事はやらん!夜も外食!(笑)」

宣言通り我が家はその日、近くのレストランで外食。
穂乃生は「いつくん今頃何してるかなぁ」と、気にしつつ、
久々の夜の外食にご機嫌でした。
普段、樹生中心の生活なのでこういうのも悪くないな・・・

その日は大気の状態が不安定で、食事中から土砂降りの雨。
気圧が大きく変動する日は、樹生の体調も悪くなりがち。
心配だ・・・
大丈夫かな・・・

不安は的中。
お風呂から出て、穂乃生の就寝の準備をしていた9時頃、
わたしの携帯が鳴った。
出ると、案の定担任の先生でした。

「え?どうかしましたか?」

焦って聞くと、

「いつくんの体温が上がらなくて・・・」

お風呂の後眠ってしまい、起こそうとしても起きない。
体温を測ってみたら34度切っていると。

「今は33.8度くらいまで下がってしまって。
心拍も遅くて・・・40くらい」

って、それ冬眠やん!!

あーあ・・・
多分、タオルケット1枚とかで寝せちゃってたんだよ。
だから冷房の入った部屋での体温管理には気を付けて下さいって、
あんなに何度も何度も言っておいたのに。
先生方は動き回るから暑いかもしれないけれど、
樹生のような子は、冷房下では体の芯まで冷えてしまうのだから。
っていうか、何でそんなになるまで気付かない!?

「今、何着せてますか?」と聞くと、

「半袖のパジャマを」と。

ドアホ!(失礼)と怒鳴りたいのをぐっと我慢して

「取りあえず、長袖の上着持たせてますから着せてください。
あと、出来るだけ温めて。主人が迎えに行きます」

という事で、片道45分くらいの道のりを雨の中迎えに行ったパパ。
(パパは下戸なので、お酒は飲んでません)
舌打ちを繰り返すパパに、

「あのさ、先生たちに怒ったりしないでよ~~」

と言うのを忘れず(笑)
とか言って、パパが出発してから、同じクラスのママ達にlineで
激しく愚痴ったわたし(笑)
一通り愚痴ったらスッキリしましたが。

11時過ぎに帰ってきたパパ。
荷物もあるので、駐車場まで迎えに行くと、ぐっすり眠っていた樹生が
薄目を開けてわたしを見て、その姿が愛しいやら切ないやらで
胸がぎゅんと締め付けられるようでした。

いつくん、お泊まりに備えて体調整えて頑張ったのになぁ。

寝る前の薬も飲めなかったと言うので、薄目を開けてぼーっとしている樹生に
温かいほうじ茶と薬を飲ませ、湯たんぽでぬくぬくにしておいた布団に。

翌朝、目が覚めた樹生は、何となく不機嫌モード。
ま、そりゃ、本当なら先生やお友達と一緒にいるはずだものね。
何となくそんな様子が可愛そうで、
「いつくん頑張ったよ?ちょっと冬眠しちゃっただけなんだよ~あはは・・・」
とフォローするも、ムッとした表情のまま。(に思えた)

日程を確認すると、クラスの皆はお昼前には学校に着いて、
給食を食べて休憩してから下校とのこと。
迷ったのですが学校に電話して、給食だけでも皆と食べられるよう
連れて行く事にしました。

学校に着くと、すでに皆戻ってきていて、給食の準備の最中でした。
樹生を見ると、先生方はワラワラと寄ってきて、
「良かったぁ、良かった・・・」と。
先生方も初めて樹生の冬眠を目の当たりにしてびっくりしてしまったようです(笑)
実のところ、油断すればいつでもそういう事はあるので、
そんなに珍しい事ではないのですけどね。
(流石に34度切るほど気付かないってのは無いですが)

「いつくん、思ったより調子悪くなっていなくて本当に良かったです」

と、目がうるうるの担任先生。

「まぁ、ぐっすり寝ましたから~

とブラックな突っ込みは忘れないわたし(笑)

と、まぁ、そんなこんなの初めての宿泊学習。
結果、中途半端に終わってしまったのですが、、
来年は修学旅行もあるので、お互い注意する点というのがはっきりと
分かった事は良かったのでは。(と無理にでも思う)





年の瀬の恐怖

2014-12-25 14:03:10 | 樹生のこと
本日はクリスマス

ずっと調子よく過ごしていた樹生ですが、今年のクリスマスは病室で迎えてしまいました。
そう、いつ坊、入院中です。

この時季、入院率の高い樹生。
そういえばクリスマスを病室で過ごしたことは過去に何度もあるなぁと思い出します。

師走に入り、学校もリハビリも通院も、しっかりとこなしていた樹生。
多少の体調変化はあるものの、その都度ちゃんと乗り越えていて、随分と頼もしくなったと
喜んでおりました。

12月20日(土)の朝、朝食の食べが悪かった樹生。
分泌物が多く、淡がからんで上手く食べられない。
こういう日もあるので、ちょっと不調かなぁと思い、経口摂取はやめて経管栄養に切り替えて
様子を見ることにした。

お昼すぎからハァハァと肩で息をしている。でもサチュレーションはそれほど悪くない。
が、だんだんと様子が怪しくなってきて、
熱を測ると38度5分くらい。
それが夜中には一時40.3度。
樹生、人生初の40度越え
そして、心拍数180越え
普段の樹生の平熱が35度前後と低体温気味。
心拍も眠い時は50くらいとスポーツ心臓かというレート。
それを思うと、どれほど辛かったか。。。

朝を待って、救急外来に連れて行くとすぐさま「入院です」と。
まぁ、あの様子を見ればそう言われて当然かと。

検査の結果、右の肺に炎症があるとのこと。
それでも、CRPは0.6と意外に低い。
あんなに苦しがっていた樹生ですが、
病棟に上がり、点滴や酸素の処置をしてもらうと、
すぐに落ち着いてきた。

翌日には、熱も無く、呼吸も穏やか。
23日には酸素が無くても大丈夫に。
うーん、いつくん立ち治りが早い!強くなった♪

クリスマスはお家で過ごせなかったけれど、このまま何もなければ
明日、退院出来そうです( v^-゜)♪

そうそう、いつくんにサンタさんからのプレゼント預かってるよ。
帰ったらゆっくり開けようね。




王子様

2014-12-10 17:05:02 | 樹生のこと
週末、樹生の学校で学園祭が行われた。
樹生の学校では、小学部の3年生からステージ発表があり、樹生のクラスも今年から
ステージデビュー。
劇をやることになっており、演目は「白雪姫」
そして、いつくんは王子様~

少し前から送迎時、樹生の車椅子が白馬になっていたり(笑)体育館の前を通ると締め切った中で
劇の練習をしている様子(親は練習は見せてくれないの)

この日は体調不良でお休み・・・と言う事は避けなければ、と体調管理に気を配ってきたけれど、
前日に初ショートステイなので、それはもう、心配でした。

当日、朝から家族総出で学園祭へ。
樹生のクラスのステージデビューを観に、1年2年と担任してくださって他校に転勤になった先生方も
わざわざ来てくれました。
担任を離れても、子供たちの成長を気に掛けてくれるって、親としてはとても嬉しいこと。
ありがとうございます
バタバタしていてゆっくりお話出来ませんでしたが、久々にお会い出来て母もテンション上がりました(笑)




樹生王子様。
カッコイイでしょーーーー


今回の学園祭でPTAがバザーをやっており、手作り品も募っていたので、パパが作った髪飾りなど
出品させて頂きました。

樹脂液で作ったてんとう虫とお花のヘアピンセット



樹脂液で作った蝶々のワニ口ヘアピン



樹脂液と樹脂粘土で作ったシオカラトンボのタックピン



シオカラトンボとオニヤンマ



全てパパの手作りです。
仕事から帰って子供たちが寝てからチョコチョコと作っていたので、これだけの数を作るのに数か月かかりました。
2~300円で販売したので、材料費の方が断然高いのですが
でも、当日、買ってくれた女の子が髪に蝶を着けているのを見て、パパは嬉しそう。

これ、樹生が普段使っている帽子。
こんな感じに着けると、とてもオシャレでしょ?(笑)



(因みにこの帽子もパパのお手製です)


おまけ

最近のパパの大作。



樹生の防寒ブーツ。
足が冷たくなってしまう樹生の為に作りました(パパが)
樹生は足の甲が高く、足の拘縮もあるので市販の靴が履けない。
これは紐を緩めれば全開するので履かせやすい。
因みに、靴底は100均で買ったフロアマット(笑)

改良の余地ありだそうですが、出来栄えにまずまず満足気なパパ。

しばらく自画自賛がウザいですが・・・(笑)





初ショートステイ

2014-11-23 12:01:49 | 樹生のこと
朝晩、めっきりと寒くなってきて、空気の乾燥も気になる季節になりました。
この時期樹生は、水分摂取量も減りがちになり、分泌物も粘質で飲み込みづらくなり、
外気の影響も受けやすく手足も冷たくなり体温がなかなか上がらず何かと体調を崩しやすい。

案の定樹生は、大きく体調を崩している訳ではないのだが、
吸引回数も増え、すっきりしない様子。

そんな中、初のショートステイを体験した樹生。

ずっと以前から、そろそろ本気で考えないといけないとは思っていた。
我が家のように転勤族で、近くに頼れる手が少ない環境で、
春から穂乃生も就学する為、何かと行事も増える。
今までは穂乃生の園行事があると、樹生は連れては行けないのでパパに休みをとってもらったり、
ボランティアさんに来てもらったりして何とか凌いでいたけれど、それもそろそろ限界を感じていた。

重心の子供の親の殆どがぶち当たる壁の一つ。

安心して預けられる環境の確保。

必要なのは分かっていたのだけど、体調不良でもないのに他人に任せる事への罪悪感。
いつもそばにいてあげたい親心。他人に任せることの不安。

つい、先へ先へと延ばしていたけれど、そろそろ現実を受け入れなければ。。。

という事で、夏頃からゆる~く(笑)準備をしてきた。
登録してスグ利用、という訳にはいかず、何かと面倒な手続きもあるし、施設利用の為の診察も
受けなければいけないし、うだうだ、うだうだ・・・

だがついに来たその日。
前日からブルーな母。
樹生に内緒で連れて行く訳にもいかず、「あのね、いつくん・・・」と切り出した。
繰り返し、繰り返し、樹生にとって必要なこと、
これはお泊まりの練習だから入院ではないこと(施設は病院なので治療の無い入院みたいなもの)
たった1泊で済むことなどを話して聞かせた。
抱っこするたびにニコリとする樹生にウルッ。
そんな大げさな、と言われそうですが・・・(笑)母にとっては一大事なのです。

ショートステイでお世話になる施設は、普段樹生がリハビリでお世話になっているセンター。
受付で案内してもらうのを待っていると、樹生担当のPT先生が通りがかり声をかけてくれた。
「時々様子見に行くからね」と。
樹生の大好きな先生なので、それはとても嬉しい事。

手続きを済ませ、病棟へ案内され、看護師さんからあれこれと説明を受けて、
「では、お預かりします」と。
樹生に声を掛けるとムスっとしている(気がした)
「夕方、様子見に来ていいですか?」
恐る恐る聞くと、笑われながらも了承してもらえた。

その日は夕方穂乃生を直接お迎えに行き、パパと3人で外食。
めったにない事なので穂乃生はご機嫌。
でも、自宅に帰ると「いつくんお迎え行かないの?」とか
「今頃いつくん、どうしてるかな。ホノキが居なくて泣いてないかな」などと言う。
翌朝も目が覚めるなり穂乃生は「いつくん帰ってきた?」と
いやいや、そんな早くは無理でしょ。

翌日は、15時頃までにお迎えに行けばいいのだが、朝イチの10時にお迎え。
と言うのも、翌日は樹生の学校で学園祭があり、樹生のクラスで劇をやり、樹生は王子様役。
出来るだけ早くお迎えに行って、夜眠れないかもしれないので、自宅でゆっくりと休ませてあげたい。
と、思ったのだが、
看護師さんの話によると、「よく食べ、よく眠った」とのこと。
ほっと一安心。
看護師さんや受付の人に「お母さん、昨夜は心配で眠れなかったんじゃないの~」などからかわれながら
(ハイ、夜中に何度も目が覚めました)帰宅。

いつくん頑張りました。


おまけ

帰宅後もムスっとして笑ってくれなかった樹生。
でも、抱っこしたり話しかけたりしていたら、夕方、ようやく「仕方ないなぁ」というように
笑顔を見せてくれました。








樹生の目

2014-09-12 16:46:37 | 樹生のこと
樹生の目って本当に綺麗なのです。
子供の目が美しいのは当たり前と言えば当たり前なのですが。

でも、樹生の目は母から見ると完璧。(親バカ)
切れ長の大きな目。白目の部分が透き通るように青みがかって濁りがない。
虹彩はやや明るめの茶色だけど、時々、深い深いこげ茶に見えることも。
瞼を縁どるまつ毛は被るように長く、いつもどこか眠た気(笑)

わたしがどんなに覗き込んでも、視線は合わせてはくれない。
わたしを認識すると、目が潤んだように光を帯びるけれど、その視線は
わたしを突き抜けて、見えない何かを見ているよう。

美しい。胸がきゅーっとなるほど美しい。
わたしは飽きもせず毎日樹生の目を覗き込む。



以前読んだ記事を思い出す。


我々人類以外の霊長類は「白目」を持たないのだそう。
自分の動きを相手に悟られてしまう白目は、野生の戦いでは不利に働くから。

では、何故人類には「白目」があるのだろう。
それは、「私は貴方を見ています」という愛情表現の為。
つまり人類は命の危険を冒してまで愛を選んだ霊長類、なのだそう。


ざっくりと書くとこんな感じの記事。
素敵な話ですよね。

人類は後に、言語を持ち、会話で愛を伝える術を知る。
でも哀しいかな、言葉は時に嘘があり諍いを起こす。
でも、瞳で伝える愛には嘘はないと、そう思う。


言葉の無い樹生。
彼の表現力は細やかで、ともすれば見過ごしてしまう。
「見ること」も苦手な樹生。
見えていない訳ではないと思うのだけど、目に映ったものが脳にどのように
伝わっているのか分からない。


樹生の美しい目。
美しいが故にか、何も見ていない時は、ビー玉のように作り物めいて見える。

けれど、しつこいくらいに名前を呼んで語り掛け、
嫌がられるくらいにその目を覗き込んでいると、
時々樹生は、パチパチと瞬きで応えてくれ、瞳に潤んだような輝きが現れ、
そしてニヤリと笑顔をくれる。
ほんの一瞬、ですけれど。

その時の樹生の目。

母にはこの上無く完璧な目に見えるのです。