終の棲家ストーリー

まさか!の還暦家つくり。しんどくならないように、ゆっくり書きとめながら・・・。

柿の実はまだ青い

2009-10-18 20:59:35 | 植物
民家の塀越しに見える柿の実は、まだ青い。

よく観ると、ネットで全体を包んである。

鳩、カラス、それともヒト?

もう15年間、我が家へは、ある方が柿を送ってくださっていた。

染めがご縁で出会った、Sさんのご実家は、高野山下の柿農家らしく、

山の斜面での困難な農作業のことを話してくださった。

わたしがうっかり、いちどだけ食したことのある、

“平種なし柿の干し柿”のおいしさを話題にしたら、

毎年、平種なし柿を、干し柿用に、わざわざ柄のところを残して、

ダンボール箱に丁寧に並べて、送って下さった。

時には、干す時の注意を記した便せんを添えて。

Sさんのご指導のおかげで、茜色の大粒の宝石のような口福に、

わたしたちは15年間ずうっと、恵まれ続けてきた。

おととしの秋、“ことし初めて紀ノ川柿を送ります”と、便箋が添えられていた。

それが最後の柿便りとなった。

不思議なことに、いや、実に迂闊なことだったが、

Sさんとは15年前に草木染め講座でご一緒したきり、一度もお会いしていなかった。

柿の届く前後に、電話を各1回。それだけの間遠なおつきあいだった。

知り合って以来、命ある間中、欠かさず柿を届けて下さったSさんのことは、

わたしも命ある限り、決して忘れない。

先日、JA和歌山へ“紀ノ川柿”を注文してしまったのは、きっとSさんのせいです。









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