雨が降り出しそうな夕方、買い物に急ぐ。
そうだ、クチナシの咲いていた、あの信号の足元を通ることにしよう。
たしかに咲いてはいたけれど、ほとんどの花は、赤茶けて傷んでいる。
写真は、中でもダメージの少ない4輪を寫す。
宵闇迫る時間にこそ、クチナシは映える、
のは、あの真っ白い陶器のような質感のせいもある。
ヒメクチナシではなく、ふつうサイズのそれも、
きっとこの公園に咲いていたのに、
こんな小さなヒメクチナシでお茶を濁すなんて、後味のよくないことだ。
いずれにしても、雨の季節に汚れながら咲いている、
クチナシは健気にして、いとあはれなり。