こころ穏やかに遊歩道を行けば、思いがけない?や!に出会う。
ただただ運動を目的にして、脇の下の汗の量に満足していた頃は、
木々の葉擦れに気づくこともなかった。
で、ヨメイヨシノばかり目立つ、小さな森の入り口に、
実は注目すべきお気に入りの樹木が植えられていた、のだった。
ひそかに、〝わたしのシデコブシ〟と名付けていたのだが、
あの枝にある紅いものは何だ。
形状からは、虫こぶらしい。
草木染めやお歯黒に用いる五倍子はヌルデの木にできた虫こぶだが、
それとよく似た形状、ただし、色は鮮やかで美しい。
但し、あのこぶの中に虫の卵が産み付けられている、のでは興ざめだ。
早速〝虫こぶ、コブシ〟でググってみたら、ああ、よかった。
コブシの実、という。
紅い実、ビロード状の質感の、握り拳のような連続した実!
虫こぶでなくてよかった、よかった。
わたしのシデコブシの実は、ちょっと変わっていた。