電車よＧＯ！九州新幹線編

是枝裕和監督の新作は久しぶりに子供が主役、
という訳で「奇跡」。
主演はまえだまえだの前田航基と前田旺志郎
脇を固めるのはオダギリジョー、大塚寧々、
樹木希林、橋爪功、阿部寛、夏川結衣等豪華キャスト。


航一は両親が離婚して大阪から母の実家の鹿児島に移り住んでいる。
弟の龍之介は父親に付いて行き現在は福岡で暮らしている。
折しも九州新幹線が開通しようという時期、
航一は同級生から一番列車がすれ違う時に「奇跡」が起こるという噂を耳にする。
また家族4人で暮らしたいと願う彼は、
弟と連絡を取り合い奇跡を叶えにすれ違う場所へと旅立つ。

小さな子供達の大きな冒険、目に見えるものは何も変わらないが
帰ってみると何かが変わっている。
死んだ犬が生き返る事はないし、
離れ離れになった家族が元通りになる事も叶わない。
子供達がそんな現実を受け入れながら生きる術を体得していく、
所謂幼年期の終わり的な物語です。

監督の家族を描いた作品としては「歩いても 歩いても」
という傑作がありますが、それを超えるものではなかったです。
そこはかとなくJRとのタイアップ臭がしてしまったのは
監督の本意ではないでしょうが事実。
もう少し子供達一人一人をじっくり描けたら良かったんですが
人数が多かったんで全てを掬い切れなかった印象。
くるりの音楽も気持ち主張しすぎだったかな。

ただ特筆すべきは主演を勤めたまえだまえだ。
特にお兄ちゃんのナチュラルな演技は素晴らしかったです。