壮大な釣りムービー

「アヒルと鴨のコインロッカー」が高い評価を得た中村義洋が
再び伊坂幸太郎の短編小説に挑んだ新作、
それが「フィッシュストーリー」。


セックス・ピストルズが誕生する1年も前に
世界初のパンクを鳴らしたバンド、逆鱗。
スポットライトを浴びることなく消えていった彼等だが、
残された曲が時代を超えて世界に大きな影響を及ぼす事となる。

ここでは全く別の4つの時代の物語が語られます。
一見全然関係ないように見えますが、
別時代のキャラクターがそれぞれのエピソードに出てきたりして
ちょっとずつ繋がっていきます。

キャラクターもみんな味があって良かったですね～。
中でも多部未華子ちゃんのコメディエンヌっぷりが意外とハマってました。
あんな泣き方今どきねぇぞ(笑)。
逆鱗のメンバーは4人ともハマリ役でした。
特にボーカル役の高良健吾クンの歌声が凄く良かった！！

物語のキーとなる曲「フィッシュストーリー」は
斉藤和義が書いているんですが、The Damnedを彷彿させる名曲。
思わずiTunesで買っちゃったよ(笑)。



曲がたまたま生み出した偶然が
わらしべ長者的にどんどん影響力を増していき、
クライマックスの爽快感に繋がっていきます。
ちょっと繋がりが弱くない？という部分が無きにしも非ずですが、
ココはとりあえず騙されといて
心地良い後味を堪能する事をオススメします。