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【ザ・バンド傑作のデビュー作】Music from Big Pink(1968) - The Band

2024-03-07 08:58:24 | ・1960年代(洋楽)
アメリカを拠点とするカナダのロックバンド、ザ・バンドの記念すべきデビューアルバム。

ザ・バンドの前身はホークスと名乗るロニー・ホーキンスが率いるバンドであり、1965年からボブ・ディランのバッグバンドとしてツアーに参加することになります。

このツアー終了後の1966年ディランはバイクの転倒事故で負傷し、ホークスはディランの元を離れることになります。その後ホークスは"ビッグ・ピンク"と呼ばれる借家に移り住み、慌ただしいツアーから開放された田舎暮らしが復活。そんな彼らのもとにディランが訪れたことにより、このビッグ・ピンクの地下室で連日ジャムセッションが行われるようになります。

このディランとのセッションを通じて演奏技術を高めただけではなく、ロビー・ロバートソンやリチャード・マニュエルがソングライティング能力を開花させることになります。その後『ザ・バンド』としてデビューし、1968年にビッグ・ピンクで生まれた音楽『Music from Big Pink』をリリースします。ちなみに勘違いされやすいですが、本作はビッグ・ピンクではなくニューヨークのA&Rスタジオで録音されたものとなっています。

サウンドはカントリー、ブルース、R&Bといったルーツミュージックが色濃く反映されたアーシーな楽曲が特徴。高い演奏技術による質の高い楽曲と3名ボーカルが生み出す独特の空気感により一度聴いたら忘れることの出来ない作風となっています。

父と娘の断絶を歌う重苦しい楽曲「Tears of Rage」、ロバートソンがリードヴォーカルをとる「To Kingdom Come」、アーシーな良曲「In a Station」と「Caledonia Mission」、重厚なオルガンのイントロで始まる「Chest Fever」、ディラン作曲による「I Shall be Released」など聴きどころ多数。
特にトラック5の「The Weight」は特筆すべき楽曲であり、聖書からの引用が多用され、暗示的なメッセージが込められた名曲。この楽曲の存在が本作を真の名盤足らしめていると言っても過言ではありません。

【トラックリスト】
1. Tears of Rage
2. To Kingdom Come
3. In a Station
4. Caledonia Mission
5. The Weight
6. We Can Talk
7. Long Black Veil
8. Chest Fever
9. Lonesome Suzie
10. This Wheel's on Fire
11. I Shall be Released


The Weight



【和訳】
俺はナザレの街にたどりついたが
半分死んだような気分だった
ただ横になれる場所が欲しかった
「なあ旦那、教えてくれ
どこに宿屋はあるんだ?」
奴はニヤニヤと笑いながら俺と握手し
「ねえよ」とだけ言った

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ

俺はカバンを拾い上げ
身を隠す場所を探しに行った
そのときカルメンと悪魔が
横になって歩いているのを見た
俺は言った
「やあカルメン、ダウンタウンに行かないか」
彼女は言った
「行きたいのだけど、この友人が付きまとってくるの」

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ

降りてこいミス・モーセ、その場所では何も言えないだろ
ルカは最後の審判を待っている
「なあルカ、俺の友人よ
若いアンナ・リーはどうするんだ」
彼は言った
「友よ頼みがあるんだが、アンナ・リーと一緒にいてくれないか」

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ

狂ったチェスターは俺の跡をつけ、霧の中で俺を捕まえた
奴は言った
「お前の寝台を直してやる、俺の愛犬ジャックを預かってくれたらな」
俺は言った
「ちょっと待てチェスター、知っての通り俺は平和主義者なんだ」
奴は言った
「分かったよ、出来るときに餌でも与えてくれ」

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ

特急列車をつかまえて
俺を連れて行ってくれ
カバンも重さでずっしりしてきた
その時がきたのだと俺は思う
ミス・ファニーのもとへ帰るのさ
君も知っている通り、彼女だけだったんだ
彼女の愛が俺をここに送り出してくれた
皆のために

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ




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2 コメント

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Unknown (hinata_bocco)
2024-03-09 06:35:25
名曲ですね ザ ウェイト(・∀・)

キリスト教じゃないから 聖書の引用はあんまりわからないですけど 重荷を下ろせよ ファニー のとこが 彼女への愛情を感じて すごくいい
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Unknown (meiban-matome)
2024-03-09 13:54:20
@hinata_bocco さん
コメントありがとうございます。

The Weightは名曲ですよね♪
ロバートソンはこの楽曲について『人々は善良であろうと望むが、本当に善良になることは出来ない。The Weightについても同じことさ。』と語っています。

歌詞に登場する人々も主人公に対してひどい態度を取ったり利己的な振る舞いをしていますが、主人公は『重荷を引き受けるよ』と善良であろうとしています。

そんな主人公の善良性をナザレのイエスに重ねているため、聖書からの引用が多いのだと思います。
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