善意がすれ違っていて私は大笑いである。スマホにインストールしてあるMicrosoft Defenderからいきなり「権限を許可してくれ」と云う通知が来た。マルウェアによる無効化攻撃かと身構えたのだが、犯人はGoogle、正確にはAndroidだった。3ヶ月以上使用していないアプリの権限を、自動で無効化する機能が良い働きをした様である。問題が無ければ特に通知も出さないDefenderの親切仕様とのボタンの掛け違いが招いた悲劇と言えるだろう。お互い良かれと思ってやっている事なので特に文句を言う心算も無いが、そこら辺の競合が生じた時にユーザが解決しなければならないのは少々邪魔臭い。「そうでしょうそうでしょう一切合財お任せ下さい」とAppleが脳内に囁いてくるのであるが、社外アプリが引き起こす問題に対しては塩対応なので似た様なものである。スマホを持たずんば人に非ず的な勢いでデジタル化を推進する事に異論は無いが、もう少し安定志向のデバイスが登場しても良い様にも思うのである。
日本でもやって欲しい。米国Appleが4.15%と破格の利息が付く普通預金を提供開始したそうである。5000兆円預けたら毎年207兆円の税引き前利益が見込めるのであるが、本体の年商が4000億ドル弱なので、色々と無理がある。金融で稼ぐと云うよりも、Apple Cardの販促なのだろう。現時点での加入者数が何人なのかは分からないが、想定よりも伸びていないと推測される。サブスクは全世界で９億人が加入しており、それが他社のクレカで決済されているとすれば、手数料の支払いも馬鹿にはならない。それに現金を取り込んでおけば焦げ付きも起こし難くなるだろうし、バンキングアプリをiOSのみでの提供にすれば、囲い込みも容易である。高金利をどれだけ維持出来るのかは不透明であるが、リスクを負うだけの見返りは有る。ただその金利を超えるインフレに悩まされているのが米国の現状なのであり、ローンを組むのに躊躇しないアメリカンにどの程度受け入れられるのかは分からないのである。
相変わらずフリーダムなお方である。イーロン・マスク氏が生成型AIを開発する会社「X.AI」を設立したそうである。Twitterは既にX社に吸収合併されており、いずれTL上でチャット大喜利が出来る様になるのかも知れないが、いずれにしても予定は未定である。安全性のコンセンサスが取れるまではこれ以上高性能のAIの開発は半年停止すべきだ、との書簡を関係者各位に送っていた舌の根も乾かぬ内の行動であり、相変わらずの言行不一致が取り沙汰されている。X.AIが開発するAIは高性能ではない、と云う謙遜の心算かも知れないが、そんなひねくれた考え方をする人の方が珍しいだろう。かつて経営に参画し投資もしていたOpenAIの躍進に対するやっかみとの声も有るが、真偽の程は不明である。テック企業が死力を尽くして鎬を削り、競争優位に立った者が生き残ると云う歴史がまた繰り返される事になるのだろうし、恐らくそれが健全なAI育成の最適解だと、楽観的に考えているのである。
顔認証で楽々お買い物が出来ます。取り立てて珍しい話題でも無くなった。ただ利用に当たって幾つかの懸念を抱いている。Paypayが実店舗のYahooマート代々木上原で実証実験を始めるそうである。孫正義氏が絡んだビジネスである事も懸念の一つであるが、今回はそこではない。残高不足になった時にどう云うオペレーションになるのか気に掛かっている。決済の紐付けがクレカとかなら、多少の爆買いをしても与信枠を使い切る事は無いだろう（後日頭を抱える事にはなるが）。しかしPaypayは原則チャージして使うものである。精算時にお金が足りなかったらスマホアプリでチャージして下さい、とかだったら何の為の顔認証か分からなくなる。そこで考えられるのが、Paypayあと払いへの自動切換えである。これならクレカ同様の使い勝手になるし、上手い事やればリボ払いに誘導も可能である。そこら辺が何とも気になるし、結局は最初に挙げた懸念に帰結する問題なのかも知れないのである。
春霞の季節である。ただそれを風流と受け止められず、迷惑と感じてしまう所に現代社会の息苦しさの一因が有るのかも知れない。花粉症との兼ね合いも有って、直ちに健康に影響が出る自然現象になってしまった以上、何らかの対策は必要となろう。ゴビ砂漠を緑化すると云った気宇壮大な解決策は取り敢えず忘れるとして、マスクに頼るのが現実的で即効性の有る解決策だろう。防塵ゴーグルとの組み合わせで完璧を期する手も有るが、日常生活を営むのに多少の差し障りが出そうである。ようやく面倒事から解放されると喜んでいたのだが、もう暫くはお世話にならざるを得ない。しかも今までとは逆に屋外で装着しなくては意味が無いのであり、何とも厄介である。屋内では加湿器を稼働させて、水蒸気で絡め取るのも有効だろう。ただ、どんな対策を立てるにしても、喫煙を止める方が効果的であると云うそもそもの問題に就いては、取り敢えず忘れた振りを決め込むのである。