どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

あってもなくてもいいもの。

どうでもいい四百字 2765

2020-08-02 20:01:46 | 時間の無駄
「ハチドリのひとしずく」と云う寓話がある。山火事から動物達が我先に逃げ出す中、ハチドリのクリキンディは川から水を口に含んで運ぶのを繰り返している。それが何の役に立つのかと嘲られると、「私は私の出来る事をしているだけ」と決然と答えると云う話である。敢えて「決然」と云う言葉を挟んでみたが、「飄々」の方が好みかも知れない。色々挟んでみて欲しい。この寓話を人生のどの段階で読むかで、解釈は変わるだろう。夢と理想に溢れる年頃であれば前向きに捉えるであろうし、そう云うのが摺り減った人にとってはシニカルな笑い話となろう。被害状況を鳥瞰して避難誘導に徹するべきだったと云う評論家的視点もあろうし、口に水を含んだハチドリが喋るかボケ、と怒るリアリストも居るだろう。私が導き出すとすれば、自分の些細な行動が他者を変えるかも知れないとしても、それを期待も強制もせずにやったらええと云うだらけた教訓程度のものなのである。

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