どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

どうでもいい四百字 3057

還元主義者である。森羅万象は分解して要素に還元し、微に入り細を穿って調べ上げればヨノナカだいたい分かる、と云う思想の持ち主である。そしてそれは過去、自然科学分野に於いて圧倒的成果を上げてきたのは御存じの通りである。しかしそれ故に、還元主義の限界も承知している心算である。地面に棒が4本と板が5枚置いてあるとしよう。それを詳しく調べれば棒や板の組成は分かるかも知れない。しかし棒を建てて板を巡らせればそれは柱になり壁になり天井になる。統合する事で生まれる概念や機能は、還元主義では決して見つからない。そして完成後、外に出るには扉も欲しいなと云う知見も得られるのである。恐らく人の「心」と云うものも、そうやって積み上げられた部品の相互作用から生まれる不連続な機能であり、どれだけ脳を弄っても恐らく解明は無理だと思っている。組み合わせの妙と云うヨノナカの不思議さに、若竹煮を突きながら思いを巡らすのである。

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