長崎県佐世保市の県立高校1年の女子生徒を殺害したとして、同級生の少女が逮捕された。
少女はなぜ、凶行に及んだのか。捜査当局には徹底解明を求めたい。
少女は自宅マンションで、女子生徒を工具で殴った後、首を絞めて殺害し、ノコギリなどで遺体の一部を切断したとされる。
殺害された女子生徒は歴史好きで、大学の文学部への進学を希望していた。父親は告別式で「娘は宝物だった」と語ったという。悲しみは、察するに余りある。
少女は調べに対し、「人を殺してみたかった」という趣旨の供述をしている。女子生徒とは中学時代からの同級生で、2人の間にいじめやけんかなどはなかったという。事件当日も、犯行直前まで2人で買い物を楽しんでいた。
その友人をなぜエアジョーダンナイキ エアマックス殺害せねばならなかったのか。猟奇的な面も際立つ。理解に苦しむばかりだ。
少女は幼い頃から成績が良く、スポーツにも熱心だったが、小学生時代には、給食に洗剤などを混入するトラブルを起こした。
昨秋、母親が病気で死亡した。今年に入って父親が再婚した頃、少女は父親に金属バットで暴力を振るった。小動物を解剖する問題行動も見られたとされる。
多感な年頃である。家庭環境の変化が、少女の心に何らかの影響を及ぼしたのだろうか。
少女は今後、家庭裁判所に送致される見通しだ。犯行に至る心理状態を解き明かすには、精神鑑定のほか、家庭環境や成育歴の詳しい調査が求められよう。
少女は今春からマンションで一人暮らしを始めた。高校には、ほとんど登校していなかった。
中学時代の教員らが時折、少女を訪ね、一緒に食事をしながら、相談に乗っていた。少女を支えようとする学校関係者の努力が実らなかったのは、残念である。
児童相談所には6月、少女を診察した精神科医から「人を殺しかねない」と相談があったが、児相は助言をしただけだった。
少女の行為が深刻さを増しているという情報が、学校や警察に伝わらず、適切な対処につながらなかったことが悔やまれる。経緯の検証が欠かせない。
佐世保市では10年前にも、小6女児が同級生を失血死させる事件が起きた。その後、命を大切にする教育が全国で広がっただけに、今回の事件の衝撃は大きい。
政府は、子供の心の問題に対応するスクールカウンセラーの活用などを、さらに進めるべきだ。