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忙しい先生―学校の負担増見直そう

2014-08-16 10:40:45 | 日記


 日本の先生は「世界一」忙しい。中学の教員で比べた経済協力開発機構(OECD)の国際調査で、そんな結果が出た。


 仕事時間は週に約54時間で、参加国平均の1?4倍に及ぶ。


 明らかに長いのは、部活動などの課外活動(3?7倍)や、事務(1?9倍)だ。授業やその準備の時間は他国と同等か、むしろ短いくらいだ。


 より具体的には、横浜市教育委員会のこんな調査もある。


 中学の教職員は休日出勤が月4日以上の人が6割。2割はほとんど休んでいない。そこで主にしている仕事は部活だ。


 事務も負担だ。リーダー格である主幹教諭だと事務と会議に1日2時間も取られている。


 教師の本分は「教えること」だ。なるべくそれに専念してもらうことが、生徒や保護者の利益にモンスタービーツなる。


 部活については外部指導者の活用が一つの方法だ。愛知県犬山市は、市費で採用した計40人を中学4校に派遣している。先生の負担は減るし、生徒も上手な人に習える利点がある。


 事務負担の軽減には、職員の増員を検討すべきだ。むろん業務効率化の工夫が前提になる。


 そのうえで、学校と先生にどこまでの役割を託すべきなのかを、この機会に見直すべきではないか。


 先生が忙しくなっている背景には、学校の担う期待と役割が肥大化していることがある。


 働き方、暮らし方が変わり、家庭や地域が子育てに割ける力は低下した。土曜授業や放課後の補習が歓迎されるのは学力の問題だけではない。学校が安心な居場所だからでもある。


 震災後は、防災拠点としての役割も重くなっている。


 膨らむ役割と責任、増えない人手。不均衡に歯止めをかけないと早晩もたなくなる。


 学校の人手を厚くするか。地域で担えるものは引き受け、学校の役割を軽くするか。地域の事情によって考え方は違ってくるはずだ。


 たとえば、部活の負担軽減策も外部指導者の導入だけではない。地域のスポーツや文化クラブが盛んな街なら、それと連携して部活を地域の活動に置きかえていく方法もある。


 学校の忙しさは学校が思うほど世間に知られていない。


 学校の側も総じて地域に助けを求めることに積極的でなかった。教師への世間の風当たりや地域の人に任せて何かおきた時の責任も気にするのだろう。


 それでも地域との役割分担には信頼が要り、信頼を得るには情報発信が要るに違いない。