歯科医に行った話

▽歯が欠けた。

虫歯だ。

痛みはない。

小学校以来歯医者に行ったことがなかった。

健康診断の歯科検診では毎度「虫歯アリ」と診断されているのにもかかわらず行かなかった。

その報いだと思う。


▽別に歯医者で痛いのが怖いわけじゃない。

だったらほっといて神経をやられる方がよっぽど怖い。

一時の恐怖を恐れてその後一生食べる楽しみを奪われることが損であることはわかっている。


▽病院が苦手なのだ。

NOと言えない日本人の典型というか、

ただ自分が優柔不断なだけなのだろうけど、

「薬出しますね」と言われれば自分的には必要と思わなくても「あ、お願いします」と言ってしまう。

もちろん相手はプロなわけで自分は病気のことをなんらわかっていない患者なので

指示に従うのが一番なんだろう。

しかし、病院を出ると「そんなオオゴトか？」とか思ってしまう。

なにか釈然としない気持ち。



▽そんなわけで歯医者を避けていたが、

歯が欠けてしまってはいよいよやばそうだと思い近所の歯科医に行ってみた。


▽午前9時診察開始だったので、まぁ10時くらいかな、と。

予約してないと診察できないと返された。

「今日の午後ならまだ空いておりますので今からご予約なさいますか？」

「お願いします。」

「そうですね・・・本日ですと午後5時半からが空いております。」

15時半の間違いでないかとも思ったが、簡易診察カードみたいなのにはしっかし午後5時半からと書かれていた。

それ、もう夕方じゃん。


▽再来院し、口内を直接見てもらったりレントゲンをとってもらったりした。

どうやら虫歯になって欠けたのは親不知で、

治療することもできるがこの親不知は下の歯との噛み合わせがまずく、これから伸びて神経を圧迫するからいっそ抜いてしまった方がいいとのことであった。

相手はプロ、こちらは素人。それがいいのだろう。

そういうわけで一週間後に抜歯が待ち構えている。