東日本大震災から1年余りが過ぎました。
被災地では、高齢者の問題が深刻であり、特に認知症高齢者の皆様の問題が顕在化しているようです。
実際、筆者も被災地を訪れましたが、復興と呼ぶにはまだまだ足りず、本当の意味での復興とするには、何十年もかかるのではと思うような状況でありました。
避難されている皆様は精神的にいまだ落ち着いてないことでしょう。
社会としても、この状況は知らないといけないことではないかと思います。
~時事通信より記事抜粋です~
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県で、認知症高齢者の症状が悪化したり、新たに症状が出たりするケースが目立っている。住環境の変化やコミュニティーの崩壊が一因とみられるが、支援は十分でなく、一人で不自由な生活を送る人もいる。
宮城県石巻市では、医師らでつくる協議会が5月に津波浸水域で被災者調査を実施。65歳以上の347人のうち45人(13%)が、置き忘れや探し物で困ることが「週3、4回ある」「毎日ある」と回答し、初期の認知症に見られる傾向があることが分かった。
同市の女性(85)は震災後、認知症状が顕著になった。経営していた洋裁学校は被災し閉鎖。浸水した自宅を補修したが、夫が2月に病死して一人暮らしに。長男(64)は「父の死も分からない。どう対応すればいいのか」と苦慮していたが、同協議会の助言で介護認定を申請した。
同県南三陸町の地域包括支援センターの担当者は「震災から1年がすぎたころから、認知症が増えた」と指摘。地域住民がばらばらで仮設住宅に入居し、顔なじみによる支援ができないことが影響したとみている。東北大の調査では、被災した認知症患者の症状が震災後3カ月で3~4年分悪化したという。季節が答えられない例もあり、古川勝敏准教授(51)は「異常な現象」とみる。