蔦

明日でね 90歳やて 甲子園
壁はう蔦も 大人びて伸び

送別会

送別会 行きの電車は 晴れゆけど
帰りの電車は 雨に濡れゆく

あの雲

あの雲は 誰かの姿に 似てるなぁ
そうだ明日は 送別会だ

31分

何詠もう 31分 考えて
何も浮かばぬ こんな日もある

夜勤中

人気ない 夜中のオフィスに 吹きつける
26度の 冷房の風

梅雨明け5日

梅雨明けて　5日の陽射しが　君照らし

結い上げた髪も 風に揺られて

じゃあな

喧嘩して 背を向けても 最後には
「じゃあな」と言ってる 夏の夕暮れ

猛暑日に

蝉しぐれ 打ち消すほどの 中之島
ハトの親子の 水浴びの音

祇園祭にて

山鉾と 並んでのびる サルスベリ
古き都の 夏空に咲く

鳴き声

きょう一日 耳に届いた 音はただ
ニイニイの蝉と 雀の鳴き声