まちとも こころのおもむくままに

==ボランティア時々写真撮影==
日々の暮らしの中で感じたこと、時々撮る写真などを綴っていきます。

定年退職後の資格取得を考える

2017-10-03 22:24:31 | 障害者福祉

(2015年10月撮影)

前回の投稿の追加を先に。
「塩 少々」の表現にクレームが来たと書きましたが、クレームの内容を伝えていませんでした。
内容は、「塩 少々」ではどのくらいかわからない、具体的に○グラムというように書いてほしい、というようなものとのことです。
クレームは、統合失調症の方のあいまいさが苦手ということとは違うものと考えます。
まったく同じように作りたい、同じものを作るという強迫観念のようなものが、そこにはあるのではないでしょうか。
違うものができてもいい、いろいろ試してみるくらいの余裕がほしいものです。

本題の資格取得についてです。
まちともは、精神保健福祉士という資格取得のための養成の一端を担っています。
国家資格で、その受験資格を得るために大学で必要な科目を習得する、または一定の条件を満たしている人が通信教育等で必要な科目を習得することが求められます。その中には、精神科病院等での実習も含まれます。
まちともは、その実習の指導の任にあたります。今月は、何回か精神科病院等に指導に出向きます。

最近、定年退職して資格を取りたいと勉強する人が増えてきました。
勉強すること自体は良いことだと考えます。
まちともも退職後、専門職大学院で学びました。

しかし、資格取得となると、考えなければならないことがいくつかあります。
第一は、その資格をどのように活用するのかということです。
ある人は、地域で精神障害者支援に役立てたいと言います。
資格取得に向けた学習で精神障害についての理解は深まるでしょう。そこで学んだ知識を支援に生かしていただくことは大切です。

しかし、考えたいのは地域での支援とは何かということです。
支援は、様々なサービスによって実施されています。地域社会に求められるのは、専門的なサービスではなく、理解を広めること、話し相手になるようなインフォーマルなサービスが主です。まちともも、機会あるごとに精神障害はだれでもなりうる病気であることを伝えています。これは、資格の有無にかかわらず、正しい知識があればだれでもできることです。
現に、ボランティア養成講座などで精神障害について学んだ人たちが、そのような普及の一端を担っています。

次に、資格取得のために実習が必要だということがあります。
ここでいろんな問題が見えてきます。
歳を重ねていることは、その人の価値観が固まっていて、自己覚知がなかなか困難な場合が多いということでもあります。
ある人は、実習先で、障害のある利用者に自分の価値観で説教をしてしまい、それを批判されてもなぜ批判されるのか理解できないというようなことがありました。自分を客観的に見ることができない人に資格取得の資格はないと思いますが、それに気がつかない人がいるのです。

資格取得に年齢制限はありませんから、定年退職した後でも資格取得はできますが、最低限、その資格を生かすためにどのような価値観が必要なのか、どのように生かしていくのか明確な考えを示すことが大切です。
退職後の趣味の学習的な意味での資格取得は、やめていただきたいものです。



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