まちとも こころのおもむくままに

50年間の振り返りから エピソード1

以前、自分自身の50年間の福祉相談支援を振り返っていることを書きました。
その後も書き加え推敲して約2万字の文章になりました。
その中のエピソードを一つここに書きます。

印象に残っているのは、団地に住んでいる7人家族。両親と長女次女次男に長女次女の子どもがそれぞれ1人という家族構成。父親、長女、次女、次男がそれぞれ精神的な病をかかえ、次女と次男は通院治療を受けていました。そこには頻繁に訪問し、それぞれの話を聞いていました。
そこで次々と問題が発生。長女次女の子どもたちに関わる問題が大変でした。不衛生な生活環境、母親である長女次女からのネグレクトや暴力。長女次女自身がどのように子どもに接してよいのかわからなかったというのが実態です。しばしば関係者で対応を協議してきました。その内、母親が孫2人を連れて家出、シェルターに避難しました。
母親と孫2人はアパートで独立して生活するようになりました。

残された父親と長女はしばらくしてそれぞれ病で亡くなります。
最終的にこの家に住むのは次女、次男の二人だけになりました。

この家を訪問し、いつも何とかならないかと考えていたのはゴキブリ退治。家に上がって話を聞くこともあり、その時に必ずと言っていいほどゴキブリがテーブルの上を走っていました。本人たちはあまり気にしていない様子。本人たちがその気にならなければ効果がありませんので、どうしたものかと思いながらもなかなか打つ手がありません。ある時、訪問時にゴキブリ捕獲用の粘着シートと殺虫団子を持っていき、本人たちと設置しました。多少効果があったようで、喜ばれましたが、経済的な問題もあり完全に駆除することはできませんでした。その後もゴキブリとの共存が続きました。
新たな制度ができて、障害者支援のヘルパーが導入できるようになりました。そこでやっと、衛生環境の改善も図られていきました。

この家庭のように、公的な支援で同じ担当者が10数年にわたって支援を継続する例はあまり見られないかと思います。私の場合は異動することなく同じ業務を続けていたので長期にわたって支援を継続したケースはけっこうありました。




   

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