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まちとも こころのおもむくままに

==ボランティア時々写真撮影==
日々の暮らしの中で感じたこと、時々撮る写真などを綴っていきます。

対象者の特性によって違うヘルパーの役割

2018-07-04 21:26:52 | 社会福祉専門職
研修会の手続きのため、昔の職場に顔を出しました。
30年近くそこで仕事をしていたので、時々後輩から、この事業はどのような経過で実施されるようになったのか、というような問い合わせがあります。
今日も、手続きに行った内容とはまったく別のことで問い合わせがありました。

ホームヘルパーの研修を行いたいというもの。
精神障害者を対象としたホームヘルプ事業は、20年ほど前に必要性を感じた自治体が独自に始め、その後、国の事業として行われるようになり、障害者自立支援法の制定により、2006年から現在の制度になっています。
自立支援法以前は、精神障害の特性について講習を受けたヘルパーのみが、精神障害者のホームヘルプに対応できるようになっていましたが、現行制度は、ヘルパー資格があれば誰でも対応できます。
そんな中で、ヘルパーと対象者とのトラブルが発生するようになりました。

まちともは、制度が変わった時に、ヘルパーに障害特性を理解してもらうことは必要であり、今まで通り講習は続けるよう訴えてきました。
しかし、まちともも退職し、経緯を知る職員も少なくなって、講習が行われることもなくなりました。

高齢者に対する家事援助のヘルパーは、対象者ができなくなっている家事を行います。
精神障害者を対象とした家事援助のヘルパーは、できないことを行うだけでなく、対象者の状況に応じて、一緒に作業することが求められます。
部屋の整理整頓、掃除などは、一緒にやればできる人たちも多くいます。
一緒に行うことで、対象者自身が自分でできるようになることもホームヘルプの目的の一つです。

そのような課題に気付いて、ホームヘルパーの研修会を行いたいというものでした。
18年前に発行されたテキストを教え、それを参考に、現状に合ったテキストを作るよう励ましてきました。
まだまだ自分の経験値は生きる場があるなと感じたエピソードです。

今日もハスの花を1枚。


支援の振り返り

2017-11-09 22:17:29 | 社会福祉専門職

(大谷資料館 11月2日)

今日は冠雪した富士山の写真を掲載したかったのですが、いつものポイントに撮影に行ったら、霞みではっきり見えませんでした。何だかわからない画像を掲載するわけにもいかないので、先日の旅行の写真にしました。巨大な地下空間を感じてもらえればと思います。かすかに見える真ん中の階段上の人物と比較してください。

まちともが非常勤講師として対応した、通信教育課程のレポート添削と実習指導が一段落しました。
担当している学生は、社会福祉士の資格を持った人たちなので、それなりの対人支援の経験があります。しかし、経験があるからと言って、必ずしも支援技術が身に付いているとは限りません。
実習現場から問題ありと指摘があり、指導してきたことから、そのことを強く感じています。多くの人は、経験が実習などで生かされていますが、中に専門職のはずだが今までどんな支援をしていたのかと疑問に感じる人がいます。実習で、そのことに気づいてくれればいいのですが、ダメな人ほど気づいてもらえないものです。
福祉の現場で仕事をしていると多忙で、なかなか自分の支援の姿勢まで振り返る余裕がありません。しかし、学生として新たに精神保健福祉士の資格を取るために勉強していますので、この機会に適切な振り返りをしてほしいものだと思います。

こんな話を聞いたことがあります。
海岸の防風林の木が風の関係で、みな陸側に向かって傾いている場合があるということを。
木々の間にいれば、傾いているのが正常なのかもしれません。その木になってみれば、みな同じだからこれが真直ぐと思うかもしれません。しかし、外から見れば、真直ぐではなく斜めなのです。
外から見て、自分が斜めだと気付くことが大切ではないでしょうか。

支援の姿勢も同じです。
新たに資格を取ろうと勉強しているわけですから、支援の姿勢を外から見る良い機会だと思います。
通信の専任教員と話をする機会がありました。
スクーリング等で、学生が今までの支援の姿勢について振り返ることができる場を作ったらどうかと提案しました。
同じように課題と考えていて、ぜひ取り入れることを検討したいと返事をもらいました。

多くの経験が積み重ねられた支援技術を学び、少しでも対象者のことを理解し、その人に寄り添った支援ができる人が増えることを願うものです。



実習巡回指導

2017-10-20 23:50:57 | 社会福祉専門職

(花鳥園にて)

今週は実習の巡回指導で2か所の施設を訪ねました。

精神保健福祉士の養成課程で学ぶ場合、精神障害者支援にあたる業務に一定期間従事した経験がなければ実習を行わなければなりません。
実習先は精神科医療機関と障害者支援の事業所の2か所になります。

大学の学部生の場合は、その大学の教員が実習の前段階から指導にあたります。しかし、通信課程の場合は学生が全国に散在するので、専任の教員がすべての学生に対応するのは困難であり、各地に実習指導にあたる非常勤の講師が配置されています。
まちともも、その中の一人として静岡県内で実習する学生の指導にあたります。
今年度は対象の学生が2人で、それぞれがこの時期に実習に入っているので、何回か実習先を訪ねて指導にあたっています。

実習指導は、実習先でどのように実習しているのか、実習先の施設の指導者から様子や課題を聞き、本人から実習に入って得たものあるいは困難に感じていることなど聞き取りながら、適切に学びができるよう支援することが求められています。
専任教員が実習に入るまでの指導を行い、その状況は本人が作成した実習計画表などの資料として事前に送付されてきますが、実習指導にあたる教員にとっては実習先で顔を合わせるまで本人との接触はありません。
事前に資料があっても、初対面の学生と話し合い、指導をするのはけっこう大変な作業です。

まちともは、実習指導も通常の相談支援の延長ととらえ対応しています。
通常の相談支援では、初対面の人から相談を受け、何が課題かをアセスメントし、必要な支援を考えていくという作業を行います。
そのような面から考えれば、実習指導もアセスメントする能力が試されているかなと思いつつ、学生にとって適切な学びができるよう限られた中で一緒に考えていく対応を心掛けています。

まちともが対応する実習生は、社会福祉士の資格を持っている人たちになるので、実際に対人支援の経験がある人がほとんどです。
その経験値が実習の中でどのように生かされるのか、いつもハラハラしています。
実習先の障害者とのコミュニケーションで上手に生かされていることが多いのですが、時に条件の違いを考えずに不適切に対応してしまう人もいます。
そのような時に、経験値を白紙に戻して対応するよう求めますが、それができないために苦慮することもありました。
えてして経験が長い人ほどその傾向が強くなりがちです。
経験が長いほど、常に自分の対応を見つめなおす作業が大切だと感じます。

実習先の精神保健福祉士から、巡回指導の担当者は事前に学生と話し合った方が良いと思うけどと指摘がありました。
まちともも条件があれば、そうしたほうが良いと考えています。
しかし、そのための時間が確保できるのか、経費的に可能なのかなど課題も多いので、学校で検討してもらうよう投げかけておきます。

そんなことを考えた1週間でした。