原口摩純(Masumi HARAGUCHI) ブログ

ピアニスト原口摩純のオフィシャルなブログです。プロフィール、コンサート情報、CD情報、レッスン、日記が掲示されています。

音楽って素晴らしい!

2004-11-20 | 原口摩純日記
私はウィーンで勉強していましたが、帰国してからはベルリン・フィルのメンバーとよくコンサートで共演させていただいています。
ある新聞記事に『ベルリン・フィルの恋人』と書かれてしまったくらいよく共演させていただけるのは本当に幸せなことだと思っておりますが、実はウィーン・フィルのメンバーともよくさせていただいているのですよ。またそちらのほうにもコンサート来てくださいね。
ところで先日ウィーン・フィルのゲルギエフ指揮のチャイコフスキー『悲愴』のプローベ(リハーサル)を聞かせて頂きました。プローベでほんの少しだけの演奏だったというのに、感動。名演でした。私の音楽感が変わってしまいました。そしてこんな素晴らしい”音楽”というものに関わっていられる自分に誇りを持ちました。「音楽って素晴らしい!」

楽譜がナイ!?

2004-11-10 | 原口摩純日記
コンサートは当たり前ですが生の音楽。演奏以外でも全て生。したがっていろいろなハプニングがおこるものです。
今回も波瀾万丈・・。
コンサートは11時から。よく共演しているメンバーでしたので10時からホールにてのリハーサルでした。
共演者は世界で最も有名な奏者のひとり。そして10時過ぎにのんびり皆で到着。リハーサルを始めようとしました。 すると、
「ホテルに楽譜を忘れた!」。
曲はベートーヴェンの三重奏曲。普通、暗譜で演奏される曲ではありませんので、当然楽譜がないと演奏不可能。
しかし、ホテルに往復する時間はありません。「ヤマハに楽譜を買いに行く」と奏者は提案。しかしヤマハは開店前、それに往復する時間はありません。「ホテルに残っている同僚に頼んで楽譜を届けてもらう」という案も、電話一本で部屋のカギをホテル側が開けるとは思われないのでダメ。
結局、私のピアノ譜には全員のパートが書かれているので、私の楽譜を全部コピーしてそれを主催者の方にお願いして、彼のパート部分だけを切り取り、一枚の紙に貼り付けてパート譜をつくっていただくことになりました。
しかし当然リハーサルはできず、私もパート譜作成のため楽譜をお渡ししなければならないので自主練習もできません。
開演10分前、ベートーヴェンの三重奏曲全楽章、コピーと切り貼りが無事完了。
しかし、そこはさすがの一流奏者。そんな緊急事態のため、よりパワーが増したのか名演。私達も今まで以上の緊張感と音の集中力にひきこまれ今までにない完璧な演奏ができたました。
それにしても主催者の方々、本当にありがとうございました。
教訓-コンサートで忘れてはいけないもの。 楽譜と衣装と靴。 (よりにもよってその日の演奏曲目の中で最も長いベートーヴェンの楽譜を忘れなくてもいいのに・・・ネ!)