Hello the Masking Face 店主敬白&番頭日記

釣具を扱うビンテージタックルウェアハウス「Hello the Masking Face」の主と番頭が綴る日記です。

番頭日記20151016 巻き上げ力って、そんなに必要ですか?

2015年10月16日 19時17分20秒 | 日記
どうもどうも。番頭です。
渓流シーズンが終わってしまった、と嘆いているその今になっても、北海道の釣り人さんからの釣果写真がシェアされてきて、慰められているような、残念さがいや増すような、複雑な気分を味わっている今日この頃です。
お元気してますか?
 
今回は、リールの巻き上げる力について、ちょっと書かせてください。
当店が注力し、屋号にもその含みを持たせているクローズドフェイススピニングリールや、クローズドフェイスリールですが、この話題になると、したり顔で「巻き上げ力が弱い」なんて声高に叫ぶ人たちがわらわら出てくるのが常です。
Yahoo!知恵袋にも、こんなエントリーがあります。
 
 
「なぜクローズドフェイスは嫌われるのか...」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1319362708
 
 
いや、実際に機関部の構造はかなり簡素ですし、ベアリングなんかもほとんど使われていません。おまけにラインを巻き取る方向がラインの放出方向に対して90度ずれていることもあって、力の伝達ロスがあるのは確かです。
が、しかし。
オフショアなんかで青物を狙うならともかく、日本におけるルアーフィッシングで、そんなに巻き上げ力って、必要なんでしょうか?
たとえばこの小さな女の子、バービーが描かれたおもちゃみたいな釣竿とクローズドフェイスリールで、けっこうな大物を釣り、じゃかじゃか巻いて寄せてきてます。
 
 
バービー人形の釣りざおに、まさかの大物がヒット!大興奮の女の子(動画)【らばQ】
http://labaq.com/archives/51857740.html
 
 
また、釣りを通じて知り合ったお友達は、4フィートの自作ロッドに「Zebco 33Classic」を付けて、楽しそうにけっこういいサイズのリバーシーバスを釣ってます。
 
 
雨上がりの真昼のリバーシーバス【昭和な日々】
http://masagoon.exblog.jp/21864569/
 
 
確かに近代的なスピニングリールやベイトリールに比べれば苦労はしますけど、でも、こういった程度の魚を相手にした釣りであれば、クローズドフェイスリールも必要にして十分なパワーやドラグ力は備えている、というわけです。
これは当店の主も言ってる話しですが、そもそも魚とのファイトなんてリールだけで行うものじゃありません。実際はロッドワーク次第で、わりとどうとでもなる話し、なんですよね。
しかも、上のふたつの動画を見ると、バービーリールの女の子はもちろん、「Zebco 33Classic」を装着していたロッドも笑っちゃうほど短いのがおわかりかと思います。
つまり、ロッドのパワーなんてものも、たかが知れています。
それでもちゃんと釣りになってますよね。
 
 
もうひとつ。
巻き上げ力が弱いって、実は些細なメリットもあったりするんですよ。
それは、ハンドルに伝わる情報量が増える、ということ。
たとえば渓流なんかで使っている場合、4~5cm、3g程度の小さなミノーであっても、流速などによるルアーの引き抵抗の変化をハンドルを回す手で敏感に感じ取ることができるのです。
あぁ、それと!
小さな魚でもより引きを楽しめる、ってことも言えますね(笑)。
 
 
当店のWebページをはじめ、今まで何度も言ってきていることですけれどね。
リールなんて、所詮は趣味、遊びの道具です。
最新のものを揃えて絶対的な性能を追い求めるのもいいですが、それらより劣っているからダメと頭ごなしに否定せず、ときには「足らない部分」「ダメな部分」を楽しみ味わってみるのも、悪くないんじゃないかなぁ、なんて思います。
最新のリールとはまたちょっと違った使い心地が、いつもの釣りに新たなおもしろさをプラスしてくれるかもしれませんよ?
 
 
さてさて。
当「Hello the Masking Face」では、WEBショップにおいて、当ページの写真アルバムで紹介しているビンテージなリールを販売中です。

「Hello the Masking Face」Webショップ
http://maskingface.theshop.jp/

軽さやギアの滑らかさなど、絶対的な性能では最新のリールに適わない部分もありますが、その分、今の製品にはない優美な装飾やユニークな機能を持ったものも少なくありません。
釣りという遊びで使う道具ですから、絶対的な性能を追い求めるだけでなく、こうした道具の“味”を楽しんでみてはいかがでしょう?

皆さまのご利用、お待ちしています。
それでは、「Hello the Masking Face」をどうぞご贔屓に。

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