2年前、「少なくとも2期4年はできること」などを条件に、日本サッカー協会の新会長に推された犬飼基昭会長(68)が、1期限りで退任する見通しとなった。日本代表がワールドカップ(W杯)南アフリカ大会でベスト16の好成績を残した直後で、22年W杯招致も主導していただけに、異例の交代劇となる。
新人事案は川淵三郎名誉会長が委員長を務める次期役員候補推薦委員会がまとめた。川淵委員長以下10人のメンバーによる推薦委は、現理事が郵送で無記名投票した新理事候補者リストなどを参考に新理事や会長、副会長、専務理事候補案を作成した。犬飼会長の強引な手法には理事の反発も強く、信任票は少なかったという。代わって温厚で人望の厚い小倉純二副会長の昇格案が浮上。23日には常務理事会が開かれたが、犬飼会長は欠席していた。
犬飼会長はJリーグのシーズン制移行を提案し、現状維持を主張する鬼武健二前チェアマン(定年で退任)と意見が衝突。シーズン制移行以外にも、海外交流や若手育成でアイデアを出していたものの、急進的な手法には賛否両論があった。
犬飼会長は現役時代は日本リーグ(当時)の三菱重工でプレー。引退後は三菱自動車の欧州法人の社長などを務め、02年からJ1浦和の社長として優れた経営手腕で低迷するクラブを強豪に育て上げた。06年からのJリーグ専務理事を経て、川淵委員長に抜てきされる形で協会トップに就いていた。【安間徹】
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