よもやついてくるなんて
思っていただろうか
犬の散歩に出るだとか 街までふらりと買い物に出るだとか
長い休みを利用して少しばかりの遠出をするだとか
都会へ出ていくだとか 隣国へ引っ越すだとか
そんなスケールの話じゃあない
次元の違う世界
空が頭上にあって、大地が足下にある。
1日は24時間。1時間は60分。1分は60秒。
朝陽は東から上り夕陽が西に沈む
基本的な構造は同じ けれど違う世界。
比喩ではなく物質的な次元の違いを知る人間はそうそういないだろう。
そんな場所まで
ついてくるなんて
思っていただろうか…?
穏やかに寝息を遊ばせている弟のベッドの縁に腰掛け、彼を見下ろす。
眼下の彼は薄い月光にその寝顔を照らされていた。
悔恨など、その顔には僅かも無い。
悔恨は、この胸の内にこそある。彼には秘めているけれど。兄のこの胸にはある。
大切な人と次元を離れてまでこんな場所にまでついてくるなんて
1%も思っていなかった
「嘘だ」
エドワードは知っていた。
自分の胸中を知っていた。
知っていて いや、知っていたからこそ?
「俺は、」
ずるい人間だ と涙の交じった声を小さく落とした。
引き離せば彼の想いも弟の想いも通じなくなることを
エドワードは知ってしまっていたのだ。
思っていただろうか
犬の散歩に出るだとか 街までふらりと買い物に出るだとか
長い休みを利用して少しばかりの遠出をするだとか
都会へ出ていくだとか 隣国へ引っ越すだとか
そんなスケールの話じゃあない
次元の違う世界
空が頭上にあって、大地が足下にある。
1日は24時間。1時間は60分。1分は60秒。
朝陽は東から上り夕陽が西に沈む
基本的な構造は同じ けれど違う世界。
比喩ではなく物質的な次元の違いを知る人間はそうそういないだろう。
そんな場所まで
ついてくるなんて
思っていただろうか…?
穏やかに寝息を遊ばせている弟のベッドの縁に腰掛け、彼を見下ろす。
眼下の彼は薄い月光にその寝顔を照らされていた。
悔恨など、その顔には僅かも無い。
悔恨は、この胸の内にこそある。彼には秘めているけれど。兄のこの胸にはある。
大切な人と次元を離れてまでこんな場所にまでついてくるなんて
1%も思っていなかった
「嘘だ」
エドワードは知っていた。
自分の胸中を知っていた。
知っていて いや、知っていたからこそ?
「俺は、」
ずるい人間だ と涙の交じった声を小さく落とした。
引き離せば彼の想いも弟の想いも通じなくなることを
エドワードは知ってしまっていたのだ。