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別館片隅

オールジャンルにテキスト書き殴り。中途半端上等。文法超無視。
コメントはご自由に。

わたしは隠れロイアル派なわけですが

2005-07-25 01:34:54 | 
「その…なんだ、聞き辛いんだけどさ」
隣に座るアルとは目を合わせない様に遠くを眺め乍らエドが口を利く。
「なあに?兄さん」
兄よりも黒めがちな目をきょとんと丸めてそっぽを向いた横顔を眺める。ちらりと気まずそうにエドは横目でアルを盗み見て、また遠い空に視線を投げた。
「大佐とは、その…」
「大佐と、何?ごめん、よく聞こえないよ」
「人間に戻ってから、ほら……アレは、やったわけ?」
「アレ?」
隠匿されたそれが何だかさっぱりわからなくて、アレって何?とアルは鸚鵡返しに兄へと尋ねる。
そんな弟へ、目元に僅かな朱を差し乍らエドはゆっくりと振り返った。
「アレ、っていえば、アレだよ」
「アレじゃわかんないよ兄さん」
「…………肉体関係、っていうか…」
「…なっ!!」
額まで真っ赤に色を変え、大きな音を鳴らしてアルが立ち上がる。その音が更に居たたまれなさを助長させたのか、またエドがアルとは逆の方へと顔を背けた。
「に、に、兄さん、自分が何言ってるか解ってるの…!!?」
「わ、わかってるよ!わかってるけど……ほら、お前も元の体に戻ったわけだし…」
そういうことがあっても不自然じゃないだろ、とかなんとか、聞き辛いくぐもった声でエドは続けた。アルは立ち上がったまま、赤い顔で溜息をひとつ。