時評が語るその時代

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少子化は・・生物学的問題、社会的対策では効果なし(1/2)

2023年12月22日 | 日記

人類滅亡の前兆か?男性の精子の数が激減し、しかもそのスピードが年々速まっていることが明らかになった。1回の射精に含まれる精子の数が1973年から2011年までに50%以上減少していたという。さらに精子の総数は70年代に比べて62%減少していたことが判明。そればかりか、減少率を見ると、2000年以降1年ごとの減少率が2倍になっているという検証が発表され、数の減少速度は緩やかになるどころか、激しい落ち込み方で、近年に注目すれば加速していることがわかった。「このままではほとんどの男性が不妊状態になるところまでいって後戻りできなくなるか、不妊だけでなく健康面でも問題が現れてしまうのではないかと懸念している」という。

医学界では、不妊症全体で男性側の原因と女性側の原因が組み合わさったものであるというのが今までの共通の認識だったが、最近のデータでは、精子の数が減っている男性の割合が急増し、パートナーを妊娠させられなくなった事例が多い。日本を含め先進諸国の多くの国では既に人口が縮小し始めている。これは当人やその血族だけの問題でなく、社会全体の憂慮すべき問題だ。少子化が、生物学的な人間の生体機能、生殖機能の減退が根本原因なので、社会的対策や政策では解決しない。

問題は生殖能力だけにとどまらず、精子の数は男性の全体的な健康の指標として見ることができる。精子の数の少なさはそれだけが単独で起こっているわけではないということだ。精子の数の低下は、男性ホルモンであるテストステロンが低いことを意味し、テストステロンには精子が作られる細胞の温度を調節する働きもある。テストステロンの低い精子で受精すると、妊娠で子宮内にいる男児の生殖器の発達にも影響するため、悪循環となって人間の男性精子が減少していく。

女性(母親)が妊娠前、妊娠中にいかに自然に逆らった生活をしていたかも、子どもの精子の濃度に影響する可能性が高い。妊娠初期は「生殖プログラミング期間」とされ、この時期に母親が特定の環境化学物質にさらされると、それが胎児である男の子の生殖器の発達に不可逆な変化を与えてしまうことがあり、子宮内で生殖器が発達しているときに何らかの損傷を受けると、永久に修復できなくなってしまう。逆に、男性に後天的に与えられた損傷、例えば喫煙や農薬の影響は、それを止めれば解決できる。男性精子が成熟するまでにかかる日数は約75日で、男性は2カ月半ごとに健康な精子を作るチャンスが巡ってくるので、特定の環境化学物質などの持続的影響を受けにくいのだ。