時評が語るその時代

思うままに日々感じたことを掲載

人間の声は・・

2023年12月01日 | 日記

人間に限らず動物の発する声は、オスは低く子供とメスは高い。オスの発する低い声は、同じ低音でも相手を威嚇するための周波数とそれとは真逆の家族を癒やす周波数の2種類がある。戦後50余年、こんなに長く戦争のない時代は有史以来であろう。生死をかけて戦う男は必要なく、現代男性は威嚇発声の必要性はほとんどなくなった。子供の声は、自分の存在を母親に知らすため、女性(母親)の声は自分の位置を子供に知らし危険を回避するため高い声を出す。近年目立ってきた鼻声は、固い食物を食べなくなり咀嚼の回数も強さも低下し、顎骨と顎関節周辺筋肉の発達が悪くなり口腔内容積も低下し、それが横隔膜筋の機能低下を招き一回呼吸量が少なくなり、鼻腔まで空気が流れない状態で声を出そうとするから鼻声になった、いわば生活習慣がもたらした現象だ。その上口腔内筋肉が発達せず鼻声になり、幼児のように語彙の切れが悪く締まりのない話し方で呼吸が続かず末尾は不鮮明になった。特にナ行とマ行の発音は、多くの空気流か必要なためはっきり発音できない。可愛く見られたい女心や大人になりたくない症候群も作用して、治そうとしないから柔らかく幼児性ある声のまま大人になってしまう。いずれにしても声の質は、性差や感情によるが食生活など生活環境にも大きく影響を受けるものなのである。

たかが声の質・・・いえいえ声の質は、ホモ・サピエンスがネアンデルタールより勝っていた唯一の点といわれています。およそ7万年前その違いでネアンデルタール人は滅び、ホモ・サピエンスが声のお蔭で生き延びたのです。

デパートなどの案内など不特定の人を対象にした広報案内の音声は、ほとんどが若い女性の声である。どうしてでしょうか?高い女性の声は遠くまではっきりと届くから?世の中男性が半分で若い女性の声で有れば気持ちよく聞いてもらえる?ということでしょうか。でもそれは科学的ではありません。聴器にとっては、高音は聞きづらい周波数帯です。高い声は緊張感を与え精神的には長く聞きたくない声です。女性の声がやさしいのは家族や恋愛感情を持つ男性に対してだけで、不特定多数の人に対してはどちらかというと相手をハネツケル周波数の声です。特に若い女性の声は、感情に大きく左右され、周波数やイントネーションにムラがあります。感情が出ないように訓練すると、抑揚のない平坦無味乾燥の発声になる。ではナゼ案内などに女性の声を用いるのか??高い声は遠くまで届くから案内に適していると云う既成概念と、若い女性なら何でも許される感覚が一般化しているからでしょう。開拓時代のアメリカじゃないんですから・・・若い女性がありがたい訳でもないのに・・・。

「ニオイ」や「色」同じように、声の癒し効果など社会生活に「声」の科学も利用すべきでしょう。大きすぎる声は、感度のよい脳であれば拒否の作用を示します。高い声は脳を緊張させ、続けて聞けばイライラし不快感が増幅されます。では、聞く人を緊張させず癒し効果がある声は?低い声で切れが良く、心地よい抑揚があって感情ムラの無い30歳から40歳の男性の声です。お経の声です。色でいえばオレンジ色で情緒安定の効果があります。放送業界や商業施設、安全確保の放送などは、声が聞く人に与える特性をもっと意識し研究すべきでしょう。いま、その兆候は少し出てきています。お客心理を研究している企業を中心にエスカレータの注意喚起や商品案内、施設案内や医療機器の利用案内などで男性の声を用いるなど変化が見られるようになりました。スーパーなどで案内を男性の声にしたところ、癒し効果やイライラ不快がなくなり、ゆっくり買い物する人が増え売り上げ増につながったなどの効果が報告されています。

癒し癒しと言われながら、どうして案内などに若い女性の声を使っているのは実に不思議です。同じ女性の声でも、北朝鮮の年配女性アナウンサーの声は非常に聞きやすいです。